IH予選2日目 午後
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帰り道の空気はなんとなく重かった。
黒尾も心許す幼馴染み2人しかいないからか、先程より言葉少なだったせいもある。
そして孤爪と彼の自宅前で別れた直後、幸子は黒尾の家に誘われた。
「幸子。お前、なんでさっき泣いてた?」
部屋に入りドスッと音を立てて鞄を下ろした黒尾が、振り返り様幸子に尋ねてくる。
「な、泣いてないよ…!!」
「ウソつけ。お前の事ならちゃんと分かってんだ。むしろ幸子の性格上、試合の後に泣いてなかったのがおかしいくらいだからな」
やはり黒尾は本人の自負する通り幸子をよく理解していると言える。
「ホラ、話してみ?」
「……っ」
「前にも言ったろ。一人で抱え込んで苦しむなって」
その言葉が引き金だった。
奥底に押し込めていた感情が一気に溢れ出す。
視界がじわりと滲むのにそう時間はかからなかった。
「ベスト8に入ったみんなを誇りに思う。……でも、勝ち残ってほしかった」
黒尾は黙って幸子の気持ちを聞いている。
「たくさん練習を重ねてきた鉄朗を…みんなを、私はずっと見てきたから。だからみんなの道が断たれたのが単純に悔しいよ。悔しくて……悲しい」
「……そうか」
頷いた黒尾の声は低かったが優しくて。幸子はまた目頭が熱くなった。
「ごめんね。鉄朗の方が泣きたいくらい悔しいはずなのに…。コートに立ってもいない私がこんな風に勝手な事言って……、っ?!」
言い終わる前に大きな手に抱き寄せられた。
引き寄せられた先の黒尾から微かに漂う汗の匂い。全力で戦った証拠。
「悔しいと思うのなんて当然だろ。マネージャーだって選手と一緒なんだから」
「てつ、ろ…?!」
「コートに立ってる俺達だけじゃねえ。ずっとサポートしてきた幸子だって立派に戦ってたんだ」
「っ、鉄朗…っ」
本当に…。この人が大好きだと実感した。
黒尾も心許す幼馴染み2人しかいないからか、先程より言葉少なだったせいもある。
そして孤爪と彼の自宅前で別れた直後、幸子は黒尾の家に誘われた。
「幸子。お前、なんでさっき泣いてた?」
部屋に入りドスッと音を立てて鞄を下ろした黒尾が、振り返り様幸子に尋ねてくる。
「な、泣いてないよ…!!」
「ウソつけ。お前の事ならちゃんと分かってんだ。むしろ幸子の性格上、試合の後に泣いてなかったのがおかしいくらいだからな」
やはり黒尾は本人の自負する通り幸子をよく理解していると言える。
「ホラ、話してみ?」
「……っ」
「前にも言ったろ。一人で抱え込んで苦しむなって」
その言葉が引き金だった。
奥底に押し込めていた感情が一気に溢れ出す。
視界がじわりと滲むのにそう時間はかからなかった。
「ベスト8に入ったみんなを誇りに思う。……でも、勝ち残ってほしかった」
黒尾は黙って幸子の気持ちを聞いている。
「たくさん練習を重ねてきた鉄朗を…みんなを、私はずっと見てきたから。だからみんなの道が断たれたのが単純に悔しいよ。悔しくて……悲しい」
「……そうか」
頷いた黒尾の声は低かったが優しくて。幸子はまた目頭が熱くなった。
「ごめんね。鉄朗の方が泣きたいくらい悔しいはずなのに…。コートに立ってもいない私がこんな風に勝手な事言って……、っ?!」
言い終わる前に大きな手に抱き寄せられた。
引き寄せられた先の黒尾から微かに漂う汗の匂い。全力で戦った証拠。
「悔しいと思うのなんて当然だろ。マネージャーだって選手と一緒なんだから」
「てつ、ろ…?!」
「コートに立ってる俺達だけじゃねえ。ずっとサポートしてきた幸子だって立派に戦ってたんだ」
「っ、鉄朗…っ」
本当に…。この人が大好きだと実感した。