風邪の特効薬カラス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「――‥、幸子」
自分の名前を呼ぶ声に意識がゆっくりと覚醒していく。
「ん…」
目を開けると、まだ少しぼんやりする視界に移ったのは――
「とび…お?」
「あ、起きた」
そこにジャージ姿の影山が立っていた。微睡んでいた意識が一気に覚醒した。
「飛雄!? なんでここに…?!」
「おばさんに入れて貰った」
「いや、そういう意味じゃなくて。なんで来たの!?」
見舞いには来ないでと連絡してあったのに。
すると影山は少しふてくされたような表情を見せた。
「…来ちゃいけなかったのかよ」
「違う…!『わかった』ってメール着たから来ないと思ってたんだ」
「は? …なんで?」
影山は完全にハテナ顔。
「アレはアンタが風邪ひいた事に対しての了解って意味で送っただけだ」
「そうだったんだ」
てっきり見舞いには行かないという意志表示だと思っていたが、違ったらしい。しかし影山と話していて意識がはっきりしてきた。
「飛雄、帰って…!」
「急になんだよ」
「風邪うつっちゃ――」
「幸子」
言葉を遮られ、影山の指が幸子の目尻をなぞる。
「えっ…?!」
突然の行為に驚いていると影山は眉を潜めた。
「アンタ泣いてただろ」
「それ…は、」
「見舞いに来なくていい。風邪うつるから帰れ、とか。思ってもないこと言うなよ」
「とび…」
「風邪ン時くらい素直になれよ。逢いたいんなら逢いたいってはっきり言え」
「っ…」
恋しくて、寂しくて泣いていたこと。
影山には全てお見通しだった。
「…ごめんなさい。本当は来てくれて嬉しい。飛雄に逢いたかった…」
「?!!」
一瞬目を見開いた影山の俯いた顔が見る間に赤く染まる。
どうしたのだろう?
「もしかして風邪うつった…?」
上体を起こして彼の顔を覗き込もうとすれば、不意にガバッと抱きしめられた。
「っ、と、飛雄?!」
「くそっ…!!」
チッと舌打ちした影山の頬はやはりほんのり染まっていて。
幸子が次の言葉をかけるより早く、その唇は影山によって塞がれるのだった。
自分の名前を呼ぶ声に意識がゆっくりと覚醒していく。
「ん…」
目を開けると、まだ少しぼんやりする視界に移ったのは――
「とび…お?」
「あ、起きた」
そこにジャージ姿の影山が立っていた。微睡んでいた意識が一気に覚醒した。
「飛雄!? なんでここに…?!」
「おばさんに入れて貰った」
「いや、そういう意味じゃなくて。なんで来たの!?」
見舞いには来ないでと連絡してあったのに。
すると影山は少しふてくされたような表情を見せた。
「…来ちゃいけなかったのかよ」
「違う…!『わかった』ってメール着たから来ないと思ってたんだ」
「は? …なんで?」
影山は完全にハテナ顔。
「アレはアンタが風邪ひいた事に対しての了解って意味で送っただけだ」
「そうだったんだ」
てっきり見舞いには行かないという意志表示だと思っていたが、違ったらしい。しかし影山と話していて意識がはっきりしてきた。
「飛雄、帰って…!」
「急になんだよ」
「風邪うつっちゃ――」
「幸子」
言葉を遮られ、影山の指が幸子の目尻をなぞる。
「えっ…?!」
突然の行為に驚いていると影山は眉を潜めた。
「アンタ泣いてただろ」
「それ…は、」
「見舞いに来なくていい。風邪うつるから帰れ、とか。思ってもないこと言うなよ」
「とび…」
「風邪ン時くらい素直になれよ。逢いたいんなら逢いたいってはっきり言え」
「っ…」
恋しくて、寂しくて泣いていたこと。
影山には全てお見通しだった。
「…ごめんなさい。本当は来てくれて嬉しい。飛雄に逢いたかった…」
「?!!」
一瞬目を見開いた影山の俯いた顔が見る間に赤く染まる。
どうしたのだろう?
「もしかして風邪うつった…?」
上体を起こして彼の顔を覗き込もうとすれば、不意にガバッと抱きしめられた。
「っ、と、飛雄?!」
「くそっ…!!」
チッと舌打ちした影山の頬はやはりほんのり染まっていて。
幸子が次の言葉をかけるより早く、その唇は影山によって塞がれるのだった。