初合宿〜エース編
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「トス見てから跳べっつってんダロ! リードブロック!!」
コートに黒尾の声が響く。
音駒高校試合前の練習風景。
初めての合宿で他校に触発されたのか、練習にもいつも以上に熱が入っていた。3日間の合宿で少しでも多くのものを吸収して持ち帰りたい。
「試合前に体冷やすなよ」
「あス!!!」
「黒尾!」
Tシャツの襟元をグイと伸ばして汗を拭きながら呼ばれた方向を見れば、ザバザバと大股で歩いてくる男が一人。
「名前教えろ!!」
開口一番尋ねられ、黒尾は眉を潜めた。
「……は? "鉄朗"だけど?」
「"テツロー"か。男みたいな名前だな」
なにやら変な反応。
「当たり前だろ。俺が女に見えるか?!」
「ぐぁあ!? テツローって黒尾の名前かよ!いや聞いてねえし!!」
「聞いたじゃねえか!」
ツッコミにツッコミ返すと梟谷の末っ子は両の拳を握りしめ捲し立てた。
「違ぇよ! 俺が知りてーのは女神の名前!!」
「は? ……女神?!」
…木兎は暑さで本来見えないものまで見えてしまっているのだろうか。
などと考えていたら、これ見よがしに指を黒尾の顔の前に突きつけてきた。湿布で処置が施されている――つき指でもしたのだろう。
「これはな、俺の女神が泣いて心配しながら手当てしてくれたんだ」
「誰だって!?」
「赤いジャージの彼女だ」
なにやら飛躍した話だが、なんとなく誰を指してるのか判った気がする。
「……木梨の事か?」
「木梨?!」
「ウチのマネージャーだろ?」
「そうか!木梨さんて言うのか!!」
木兎は頭にインプットするように何度も「木梨さん」と呟いている。
それを傍目から傍観していた黒尾。
(なんなんだ、この展開…)
なにか嫌な予感しかしないのだが。
「木兎、あいつとなんかあったのか?」
「なんもない!」
やけにあっさりした木兎の答え。
取り越し苦労だったかと思い安堵しかけた瞬間、それは間違いだと思い知らされる。
「運命的に出逢った2人の恋は、むしろこれから始まるんだからな!」
「いや始まんねーだろ!」
即答。完全に条件反射だ。
「なんだとっ!? なんで部外者のお前がそう言い切れんだよ?!」
木兎としては面白くないので当然突っ掛かってくる。
一方の黒尾はなんとか自分を落ち着かせ、この状況に対処しようと思考を巡らせた。
「あいつ、付き合ってる奴いるからな」
コートに黒尾の声が響く。
音駒高校試合前の練習風景。
初めての合宿で他校に触発されたのか、練習にもいつも以上に熱が入っていた。3日間の合宿で少しでも多くのものを吸収して持ち帰りたい。
「試合前に体冷やすなよ」
「あス!!!」
「黒尾!」
Tシャツの襟元をグイと伸ばして汗を拭きながら呼ばれた方向を見れば、ザバザバと大股で歩いてくる男が一人。
「名前教えろ!!」
開口一番尋ねられ、黒尾は眉を潜めた。
「……は? "鉄朗"だけど?」
「"テツロー"か。男みたいな名前だな」
なにやら変な反応。
「当たり前だろ。俺が女に見えるか?!」
「ぐぁあ!? テツローって黒尾の名前かよ!いや聞いてねえし!!」
「聞いたじゃねえか!」
ツッコミにツッコミ返すと梟谷の末っ子は両の拳を握りしめ捲し立てた。
「違ぇよ! 俺が知りてーのは女神の名前!!」
「は? ……女神?!」
…木兎は暑さで本来見えないものまで見えてしまっているのだろうか。
などと考えていたら、これ見よがしに指を黒尾の顔の前に突きつけてきた。湿布で処置が施されている――つき指でもしたのだろう。
「これはな、俺の女神が泣いて心配しながら手当てしてくれたんだ」
「誰だって!?」
「赤いジャージの彼女だ」
なにやら飛躍した話だが、なんとなく誰を指してるのか判った気がする。
「……木梨の事か?」
「木梨?!」
「ウチのマネージャーだろ?」
「そうか!木梨さんて言うのか!!」
木兎は頭にインプットするように何度も「木梨さん」と呟いている。
それを傍目から傍観していた黒尾。
(なんなんだ、この展開…)
なにか嫌な予感しかしないのだが。
「木兎、あいつとなんかあったのか?」
「なんもない!」
やけにあっさりした木兎の答え。
取り越し苦労だったかと思い安堵しかけた瞬間、それは間違いだと思い知らされる。
「運命的に出逢った2人の恋は、むしろこれから始まるんだからな!」
「いや始まんねーだろ!」
即答。完全に条件反射だ。
「なんだとっ!? なんで部外者のお前がそう言い切れんだよ?!」
木兎としては面白くないので当然突っ掛かってくる。
一方の黒尾はなんとか自分を落ち着かせ、この状況に対処しようと思考を巡らせた。
「あいつ、付き合ってる奴いるからな」