初合宿〜エース編
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しょぼくれながらも赤葦に言われた通り(いや、これは断固として自分の意志だ!)室外水飲み場で患部を冷やしていると、背後から声をかけられた。
「あっ、えっと…木兎くんだよね?」
顔を上げると、立っていたのはなんとなく見覚えのある女子。話した事はないが赤いジャージ姿で音駒のマネージャーだと解った。
手に救急箱とタオルを抱えた音駒マネージャー…幸子は水に曝されている木兎の指を注目していた。
「怪我してるの?」
「イヤイヤ心配無用。つき指くらいでこの大エースがへこたれるワケねーだろ!」
さっきまで心配して欲しくてしょぼくれていたというのに…。
気がつけば木兎にいつもの調子が戻っていた。
さっきより痛みが引いてきたので余裕が出来たのか、それとも――。
一方の幸子はつき指していると知り眉を潜めた。
「油断しちゃダメだよ。これから試合もあるし、バレーしてるんだから指は大切にしないと。見せて」
「えっ?! うおおッ!?」
さっきと全く逆の展開に驚いている内に、幸子に手を取られた。女性特有の、柔らかくて ほんのり温かい手に包まれる。
幸子は濡れた指の水分をハンカチで丁寧に拭き取ると、持っていた救急箱から湿布を取り出し患部に貼り付けた。
包帯では練習の邪魔になるのでテープでそれを固定して…応急処置完了だ。
「これでひとまず大丈夫」
「あ、あり…ありが…」
「?……」
普段自信たっぷりで賑やかな木兎だが、なぜか今に限って喉がつまってしまったように言葉を発せない。
幸子に感謝の言葉を伝えたいのに。
そして幸子は彼の態度を対して気に留めるでもなく、残りの湿布を救急箱に仕舞い、脇に置いていたタオルを持って立ち上がった。
もうすぐ四校総当たりの練習試合が始まるのだ。やらなくてはいけない事がたくさんある。
「私もう行くけど、無理…しないでね」
「…………はい」
蚊の鳴くような声でやけに素直に頷いた木兎に笑いかけると、幸子は足早に去っていった。
「あっ、えっと…木兎くんだよね?」
顔を上げると、立っていたのはなんとなく見覚えのある女子。話した事はないが赤いジャージ姿で音駒のマネージャーだと解った。
手に救急箱とタオルを抱えた音駒マネージャー…幸子は水に曝されている木兎の指を注目していた。
「怪我してるの?」
「イヤイヤ心配無用。つき指くらいでこの大エースがへこたれるワケねーだろ!」
さっきまで心配して欲しくてしょぼくれていたというのに…。
気がつけば木兎にいつもの調子が戻っていた。
さっきより痛みが引いてきたので余裕が出来たのか、それとも――。
一方の幸子はつき指していると知り眉を潜めた。
「油断しちゃダメだよ。これから試合もあるし、バレーしてるんだから指は大切にしないと。見せて」
「えっ?! うおおッ!?」
さっきと全く逆の展開に驚いている内に、幸子に手を取られた。女性特有の、柔らかくて ほんのり温かい手に包まれる。
幸子は濡れた指の水分をハンカチで丁寧に拭き取ると、持っていた救急箱から湿布を取り出し患部に貼り付けた。
包帯では練習の邪魔になるのでテープでそれを固定して…応急処置完了だ。
「これでひとまず大丈夫」
「あ、あり…ありが…」
「?……」
普段自信たっぷりで賑やかな木兎だが、なぜか今に限って喉がつまってしまったように言葉を発せない。
幸子に感謝の言葉を伝えたいのに。
そして幸子は彼の態度を対して気に留めるでもなく、残りの湿布を救急箱に仕舞い、脇に置いていたタオルを持って立ち上がった。
もうすぐ四校総当たりの練習試合が始まるのだ。やらなくてはいけない事がたくさんある。
「私もう行くけど、無理…しないでね」
「…………はい」
蚊の鳴くような声でやけに素直に頷いた木兎に笑いかけると、幸子は足早に去っていった。