初合宿〜エース編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
スパイカーが一番打ち易い高さで上げられたボールが手のひらに吸い込まれていく。
バシッ!と小気味良い音が響き、木兎の打ったスパイクが向こう側のコートに炸裂した。
「おおおっしゃあああ!」
木兎はガッツポーズと共に吼え、キラキラした目でセッターを振り返る。
「赤葦!今の完璧なスパイク見た?!」
トスを上げたのは赤葦本人でありスパイクを見ていたのは当然だ。
無論、木兎とて知っていて尋ねてきている。
単に称賛して欲しくて堪らないだけだ。
赤葦は内心めんどくさいと思いながらも、木兎の機嫌を損ねないよう機械的に応えた。
「あーはい、見てました。すごかったですね」
「赤葦!も少し感情込めて褒めて!!」
「……木兎さん、主将になったんだからメンタルケアくらい自分で出来るようになって下さい」
「ヨッシャ赤葦! もういっ、ぽォーん!」
「………」
些細な言葉は聞こえない。新主将はさっさと位置に戻った。
悲劇はこの後起きる。
スパイクモーション中。
足を縺れさせた木兎はバランスを崩したまま飛んでしまったのだ。
その結果、ボールが人指し指に強く当たった。
そう、つき指だ。
「木兎さん、大丈夫ですか!?」
「指が、指がぁあああ!」
どこぞのジブリの有名な悪役のような台詞を喚き散らして踞(うずくま)る木兎。
そんな台詞が吐ける余裕がまだある事に梟谷メンバーは内心ホッとした。
「折れた!」
「…いえ、ただのつき指ですって」
「イヤコレただ事じゃないデショ。救急車呼んで!」
「木兎さん、早く立って下さい。スパイク練の続きしますよ」
「スルーなのっ?!!」
がくりと肩を落とし、木兎はもう片方の手で指を庇いながらふらりと立ち上がった。
「赤葦…」
あ、やばい。
これはもしかして…
「もう俺今日の練習試合出ねぇからっ…!!」
やっぱり来た!
木兎『しょぼくれモード』発動だ!!!
他の部員が呆れ顔で見守る中、若くして副主将となった赤葦は冷静に対応する。
「わかりました」
「…えっ」
「練習試合は30分後ですから、それまでに患部を水で冷やして、落ち着いて来て下さいね」
バシッ!と小気味良い音が響き、木兎の打ったスパイクが向こう側のコートに炸裂した。
「おおおっしゃあああ!」
木兎はガッツポーズと共に吼え、キラキラした目でセッターを振り返る。
「赤葦!今の完璧なスパイク見た?!」
トスを上げたのは赤葦本人でありスパイクを見ていたのは当然だ。
無論、木兎とて知っていて尋ねてきている。
単に称賛して欲しくて堪らないだけだ。
赤葦は内心めんどくさいと思いながらも、木兎の機嫌を損ねないよう機械的に応えた。
「あーはい、見てました。すごかったですね」
「赤葦!も少し感情込めて褒めて!!」
「……木兎さん、主将になったんだからメンタルケアくらい自分で出来るようになって下さい」
「ヨッシャ赤葦! もういっ、ぽォーん!」
「………」
些細な言葉は聞こえない。新主将はさっさと位置に戻った。
悲劇はこの後起きる。
スパイクモーション中。
足を縺れさせた木兎はバランスを崩したまま飛んでしまったのだ。
その結果、ボールが人指し指に強く当たった。
そう、つき指だ。
「木兎さん、大丈夫ですか!?」
「指が、指がぁあああ!」
どこぞのジブリの有名な悪役のような台詞を喚き散らして踞(うずくま)る木兎。
そんな台詞が吐ける余裕がまだある事に梟谷メンバーは内心ホッとした。
「折れた!」
「…いえ、ただのつき指ですって」
「イヤコレただ事じゃないデショ。救急車呼んで!」
「木兎さん、早く立って下さい。スパイク練の続きしますよ」
「スルーなのっ?!!」
がくりと肩を落とし、木兎はもう片方の手で指を庇いながらふらりと立ち上がった。
「赤葦…」
あ、やばい。
これはもしかして…
「もう俺今日の練習試合出ねぇからっ…!!」
やっぱり来た!
木兎『しょぼくれモード』発動だ!!!
他の部員が呆れ顔で見守る中、若くして副主将となった赤葦は冷静に対応する。
「わかりました」
「…えっ」
「練習試合は30分後ですから、それまでに患部を水で冷やして、落ち着いて来て下さいね」