かけがえのない時間
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いっぱいに泡立てたスポンジでゴシゴシと食器を洗ってから、泡をキレイに洗い流していく。
夕飯に作った肉じゃがは黒尾に大好評だった。
母と特訓したかいがある。帰って彼女に報告したら、自分の事のように喜んでくれるだろう。
今はまだレパートリーは少ないが、いつか――黒尾と一緒に暮らす時には、もっといろんなものを作れるようになって、彼を喜ばせたい。
「――なーんて、気が早すぎだよね」
「なんだかご機嫌だな」
「っ、きゃあぁあ!」
背後から突然声をかけられ幸子は飛び上がった。無論そこにいたのは黒尾。
後片付けをしている間に風呂を沸かしてくると退室していたので完全に油断していた。
…さっきの独り言、聞かれてしまっただろうか。
「ててて鉄朗…っ?!」
「DJ並みのスクラッチだな。風呂沸いたぞ」
「ありがとう。先に入っていいよ」
「お前先入れ」
「でも、片付けもう少しかかっちゃうから…」
一番風呂の譲り合いの最中、黒尾は何か名案を思いついたように急に口角を引き上げた。
「んじゃ、一緒に入る?」
「?!!!」
割かし明るめの狭い空間に2人きりで、しかも互いに裸なんて絶対無理だ!
恥ずかしすぎてどうにかなってしまう。
「や、やっぱりお言葉に甘えちゃう! 片付け終わったらお風呂先に頂くね」
これで黒尾は引き下がってくれる――そう思ったのは甘かった。そのまま黒尾の腕が伸び、幸子は背後から抱きしめられた。
「て、つろ…っ?!」
「焦った?」
幸子の頭に顎を乗せて、更に密着するように腕の力を強めてくる黒尾。しっかりと回されている腕から、ドキドキとうるさい心臓の音が伝わってしまわないだろうか。
「あ、焦ってない…けど、……は、恥ずかしい…っ」
直後。体を反転させられて口づけられる。
いつもより深く舌を絡めあい、唾液が混じりあう、全て奪い尽くされてしまうようなキス。
頭の芯が痺れ、膝がガクガクと笑い立っていられなくなるのを黒尾の腕が支えてくれた。
「タオル出しとくな」
唇を離した黒尾はいつもの調子で告げると、再び浴室へ消えた。
残された幸子は、たまらずヘナヘナとその場に座り込んでしまう。
(私、今夜ここに泊まるんだ)
昼間と同じ事を再度実感する。
だがその意味合いは、昼間感じていたものと全く違っていた。
夕飯に作った肉じゃがは黒尾に大好評だった。
母と特訓したかいがある。帰って彼女に報告したら、自分の事のように喜んでくれるだろう。
今はまだレパートリーは少ないが、いつか――黒尾と一緒に暮らす時には、もっといろんなものを作れるようになって、彼を喜ばせたい。
「――なーんて、気が早すぎだよね」
「なんだかご機嫌だな」
「っ、きゃあぁあ!」
背後から突然声をかけられ幸子は飛び上がった。無論そこにいたのは黒尾。
後片付けをしている間に風呂を沸かしてくると退室していたので完全に油断していた。
…さっきの独り言、聞かれてしまっただろうか。
「ててて鉄朗…っ?!」
「DJ並みのスクラッチだな。風呂沸いたぞ」
「ありがとう。先に入っていいよ」
「お前先入れ」
「でも、片付けもう少しかかっちゃうから…」
一番風呂の譲り合いの最中、黒尾は何か名案を思いついたように急に口角を引き上げた。
「んじゃ、一緒に入る?」
「?!!!」
割かし明るめの狭い空間に2人きりで、しかも互いに裸なんて絶対無理だ!
恥ずかしすぎてどうにかなってしまう。
「や、やっぱりお言葉に甘えちゃう! 片付け終わったらお風呂先に頂くね」
これで黒尾は引き下がってくれる――そう思ったのは甘かった。そのまま黒尾の腕が伸び、幸子は背後から抱きしめられた。
「て、つろ…っ?!」
「焦った?」
幸子の頭に顎を乗せて、更に密着するように腕の力を強めてくる黒尾。しっかりと回されている腕から、ドキドキとうるさい心臓の音が伝わってしまわないだろうか。
「あ、焦ってない…けど、……は、恥ずかしい…っ」
直後。体を反転させられて口づけられる。
いつもより深く舌を絡めあい、唾液が混じりあう、全て奪い尽くされてしまうようなキス。
頭の芯が痺れ、膝がガクガクと笑い立っていられなくなるのを黒尾の腕が支えてくれた。
「タオル出しとくな」
唇を離した黒尾はいつもの調子で告げると、再び浴室へ消えた。
残された幸子は、たまらずヘナヘナとその場に座り込んでしまう。
(私、今夜ここに泊まるんだ)
昼間と同じ事を再度実感する。
だがその意味合いは、昼間感じていたものと全く違っていた。