恋人‼︎
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夕食までの時間を幸子の部屋で過ごす。
2人ベッドを背に並んでラグに座り、母親の用意してくれたおやつを食べて人心地ついた。
「一件落着だな」
プチシュークリームを頬張りながら黒尾が言った。
「なんか…大騒ぎしちゃってごめんね」
「や、謝んな。むしろ話してくれて良かったぜ。こんな大切な話、知らねー内に解決してる方がショックでけーからな」
はは、と笑った黒尾が、背にしていたベッドから体を起こしてこちらを向いた。その顔が驚く程真剣な事に幸子は驚いた。
「今度から大切な事は真っ先に俺に話せよ」
「ごめんなさい…」
「怒ってんじゃねぇ。一人で抱え込んで苦しむなっつってんの」
「っ、うん…っ」
その気持ちが嬉しい。
鼻の奥がツンとし目頭が熱くなるのを感じながら大きく頷くと、黒尾は「よし」と笑い上体を戻した。それからまたひとつプチシュークリームを頬張った。
幸子もトレーの上のミルクティに手を伸ばす。カップを両手に持ち一口飲む。たっぷりミルクの優しい香りがふんわりと口内に広がった。
結果的に引っ越し話はなくなったが、先程の黒尾とのやりとりが消えた訳ではない。
むしろそれは幸子の中の秘められたある感情を再認識させており。
(やっぱり私、鉄朗が好き)
わざわざ『黒尾と一緒』に音駒に通えると言ってきた母親には、その気持ちは完全に見透かされているだろう。
だが当事者である黒尾は?
結婚すると言ってくれたが、それは幸子を東京に残す為の策で、引っ越し話が流れた今、やはりこの話も無効になってしまうのか。
(……それはちょっと寂しいな)
「幸子」
(東京にも残りたい。鉄朗の…お、お嫁さんにもなりたいなんて。私、欲張りだなぁ)
「おい、幸子。聞いてんのか?」
「わっ、な、なにっ!?」
突然思考を遮られバッと黒尾を振り返ると、彼はプッと吹き出した。
「なに顔真っ赤にして慌ててんだよ。さてはエロい事でも考えてたんだろ」
「なっ。ち、違、…う!!」
「んじゃ、何考えてたんだよ」
「そ、それは…っ」
「俺の事?」
「――っ?!!」
「お、図星?」
見る見る頬が赤くなる。
ああ、これでは何も言わずともバレバレだ。
2人ベッドを背に並んでラグに座り、母親の用意してくれたおやつを食べて人心地ついた。
「一件落着だな」
プチシュークリームを頬張りながら黒尾が言った。
「なんか…大騒ぎしちゃってごめんね」
「や、謝んな。むしろ話してくれて良かったぜ。こんな大切な話、知らねー内に解決してる方がショックでけーからな」
はは、と笑った黒尾が、背にしていたベッドから体を起こしてこちらを向いた。その顔が驚く程真剣な事に幸子は驚いた。
「今度から大切な事は真っ先に俺に話せよ」
「ごめんなさい…」
「怒ってんじゃねぇ。一人で抱え込んで苦しむなっつってんの」
「っ、うん…っ」
その気持ちが嬉しい。
鼻の奥がツンとし目頭が熱くなるのを感じながら大きく頷くと、黒尾は「よし」と笑い上体を戻した。それからまたひとつプチシュークリームを頬張った。
幸子もトレーの上のミルクティに手を伸ばす。カップを両手に持ち一口飲む。たっぷりミルクの優しい香りがふんわりと口内に広がった。
結果的に引っ越し話はなくなったが、先程の黒尾とのやりとりが消えた訳ではない。
むしろそれは幸子の中の秘められたある感情を再認識させており。
(やっぱり私、鉄朗が好き)
わざわざ『黒尾と一緒』に音駒に通えると言ってきた母親には、その気持ちは完全に見透かされているだろう。
だが当事者である黒尾は?
結婚すると言ってくれたが、それは幸子を東京に残す為の策で、引っ越し話が流れた今、やはりこの話も無効になってしまうのか。
(……それはちょっと寂しいな)
「幸子」
(東京にも残りたい。鉄朗の…お、お嫁さんにもなりたいなんて。私、欲張りだなぁ)
「おい、幸子。聞いてんのか?」
「わっ、な、なにっ!?」
突然思考を遮られバッと黒尾を振り返ると、彼はプッと吹き出した。
「なに顔真っ赤にして慌ててんだよ。さてはエロい事でも考えてたんだろ」
「なっ。ち、違、…う!!」
「んじゃ、何考えてたんだよ」
「そ、それは…っ」
「俺の事?」
「――っ?!!」
「お、図星?」
見る見る頬が赤くなる。
ああ、これでは何も言わずともバレバレだ。