恋人‼︎
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その日 孤爪は部活に顔を出してくれた黒尾と共に帰宅した。学校から10分少々の道のりを並んで歩く。
「今日、幸子欠席してた」
「……そう」
ゲーム機から目を離さずに孤爪が相槌を打つ。
なんとなく…黒尾がその話を持ち出してくるのは分かっていた。
「研磨。お前なんで幸子が休んでるか知らねえか?」
「知らない」
ボソリと答えると、黒尾は鞄を持つ手を後頭部に組んで息を吐いた。
「だよな。お前がなんか聞いてんなら俺にも言ってくはずだもんな」
「風邪じゃない?」
「…違うな。家に人の気配がねーんだ。どっか出掛けてんだと思う」
「家族旅行じゃないの。合格祝い…とか」
「んー…そうかもしれねぇな」
黒尾はぶっきらぼうに応えた。
何処か納得いってないような、そんな声音だ。
(クロって結構鋭いんだよね)
実は孤爪は幸子の欠席理由を知っていた。黒尾がそれを知らないという事は、まだ幸子は話していないのだ。
ならば自分から黒尾に話す事はない。
これは幸子の問題だからだ。
幸子と――黒尾の。
「なあ、研磨」
「なに」
孤爪は思考を止めて黒尾を振り向いた。
「お前も来年音駒に来いよ。また一緒にバレーやろうぜ」
「またその話」
「約束したろ。俺とお前と幸子の3人で春高行くって」
ニッと悪戯っぽく笑う黒尾の顔を孤爪は複雑な気持ちで見つめた。
手にしたゲーム機からゲームオーバーを告げる音楽が鳴り響いたのはその直後だった。
「今日、幸子欠席してた」
「……そう」
ゲーム機から目を離さずに孤爪が相槌を打つ。
なんとなく…黒尾がその話を持ち出してくるのは分かっていた。
「研磨。お前なんで幸子が休んでるか知らねえか?」
「知らない」
ボソリと答えると、黒尾は鞄を持つ手を後頭部に組んで息を吐いた。
「だよな。お前がなんか聞いてんなら俺にも言ってくはずだもんな」
「風邪じゃない?」
「…違うな。家に人の気配がねーんだ。どっか出掛けてんだと思う」
「家族旅行じゃないの。合格祝い…とか」
「んー…そうかもしれねぇな」
黒尾はぶっきらぼうに応えた。
何処か納得いってないような、そんな声音だ。
(クロって結構鋭いんだよね)
実は孤爪は幸子の欠席理由を知っていた。黒尾がそれを知らないという事は、まだ幸子は話していないのだ。
ならば自分から黒尾に話す事はない。
これは幸子の問題だからだ。
幸子と――黒尾の。
「なあ、研磨」
「なに」
孤爪は思考を止めて黒尾を振り向いた。
「お前も来年音駒に来いよ。また一緒にバレーやろうぜ」
「またその話」
「約束したろ。俺とお前と幸子の3人で春高行くって」
ニッと悪戯っぽく笑う黒尾の顔を孤爪は複雑な気持ちで見つめた。
手にしたゲーム機からゲームオーバーを告げる音楽が鳴り響いたのはその直後だった。