冬生まれの君に
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嵐が去り、部室には幸子と影山だけが残った。
日向がいなくなった途端、やけに静寂が痛くなる。一息ついて入口から影山に視線を向けると、鋭いまなざしと目があった。
「………」
「………」
何か、怒って……いる?
「………」
「あのー…影山…くん?」
「幸子」
「は、はい…っ」
部活では互いに禁止している名前で呼んできた影山の顔は――恋人のそれ。
「あんまり俺の前であいつを庇わないで下さい」
「かげ…」
「アンタは俺のものだ」
拗ねたように口を尖らせた愛しい恋人。
日向を庇ったつもりはないのだがヤキモチを妬いてくれたんだと思うと、不謹慎にも嬉しくて心踊ってしまう。
「ごめんね……飛雄」
「…っ、や…分かってくれりゃいいんだけど。
幸子が日向の肩を持つ姿なんてあんまり見たくねーっつーか……いや、日向だけじゃねーけど」
かりかりと頭を掻く影山に小さく微笑み、幸子は彼の横をすり抜けて手にしていた部誌を棚に戻した。
「私達も帰ろっか」
「おう」
振り返って言えば、影山が頷いた。
日向がいなくなった途端、やけに静寂が痛くなる。一息ついて入口から影山に視線を向けると、鋭いまなざしと目があった。
「………」
「………」
何か、怒って……いる?
「………」
「あのー…影山…くん?」
「幸子」
「は、はい…っ」
部活では互いに禁止している名前で呼んできた影山の顔は――恋人のそれ。
「あんまり俺の前であいつを庇わないで下さい」
「かげ…」
「アンタは俺のものだ」
拗ねたように口を尖らせた愛しい恋人。
日向を庇ったつもりはないのだがヤキモチを妬いてくれたんだと思うと、不謹慎にも嬉しくて心踊ってしまう。
「ごめんね……飛雄」
「…っ、や…分かってくれりゃいいんだけど。
幸子が日向の肩を持つ姿なんてあんまり見たくねーっつーか……いや、日向だけじゃねーけど」
かりかりと頭を掻く影山に小さく微笑み、幸子は彼の横をすり抜けて手にしていた部誌を棚に戻した。
「私達も帰ろっか」
「おう」
振り返って言えば、影山が頷いた。