GW遠征合宿‼︎3
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円陣を組み、右の拳を突きだし合わせる。
「――俺達は血液だ」
主将黒尾の声が、集う血液の間に凛として流れていく。
「滞り無く流れろ。酸素を回せ。"脳"が正常に働くために」
孤爪は恥ずかしいと言うが他の部員達と同様に幸子はこの気合い入れを気に入っていた。
この一言で皆の雰囲気がガラリと変わるし、何よりチームの主軸を担う孤爪への信頼がよく表れた黒尾らしい言葉であるからだ。
いつか…マネージャーである自分には無理な話かもしれないが、いつか皆と一緒にあの気合い入れをしてみたいと――かなり本気で思う。
「木梨、お前も気合い入ったみてぇだな」
そんな幸子の様子を横目で見やりながら監督の猫又がニヤリと笑う。
「はい、いよいよですから」
「"ネコ"の宿敵"カラス"との勝負だな」
パイプ椅子に腰掛け腕組みした猫又の横に立ち、ちらりと反対側の黒い円陣に目を向けた。
烏野高校。
因縁の相手。
ネコとカラスと称される両校は、良きライバルとして"ゴミ捨て場の決戦"を繰り広げてきた。
音駒に入学を決める際に、そんな話を黒尾がチラッとしていたのを覚えている。
(ネコの宿敵、カラスか…)
円陣の中心にいるどっしりと落ち着きある1番は烏野の主将だ。さっきよそ行きの愛想笑いを貼りつけた黒尾と握手を交わしていた。
彼と黒尾は一癖も二癖もありそうな似たもの同士のようだ。それにしても――。
(何処かであったような…)
なんとなく烏野の主将に見覚えがあるのだ。
無論逢うのは今日が初めてなはず。
見覚えあるという意味で言えば、小柄で元気そうな10番の彼には迷子になった孤爪を迎えに行った時に逢っている。
人見知りな孤爪が珍しく興味を持つあの10番は、一体どんな選手なんだろう。
個人的には10番の隣に立つ9番の存在感が気になる。それに11番の彼は黒尾よりも背が高い。同じミドルブロッカーだろうか。
まあ、どんな相手であろうとも幸子の信頼に揺らぎはないが。
(鉄朗やみんなが負ける訳ないもん。うちのチームは強い)
そう、相手がどんな強敵であろうと。
「行くぞ!」
「あス!!」
音駒高校 対 烏野高校。
因縁の再戦――――開始!
「――俺達は血液だ」
主将黒尾の声が、集う血液の間に凛として流れていく。
「滞り無く流れろ。酸素を回せ。"脳"が正常に働くために」
孤爪は恥ずかしいと言うが他の部員達と同様に幸子はこの気合い入れを気に入っていた。
この一言で皆の雰囲気がガラリと変わるし、何よりチームの主軸を担う孤爪への信頼がよく表れた黒尾らしい言葉であるからだ。
いつか…マネージャーである自分には無理な話かもしれないが、いつか皆と一緒にあの気合い入れをしてみたいと――かなり本気で思う。
「木梨、お前も気合い入ったみてぇだな」
そんな幸子の様子を横目で見やりながら監督の猫又がニヤリと笑う。
「はい、いよいよですから」
「"ネコ"の宿敵"カラス"との勝負だな」
パイプ椅子に腰掛け腕組みした猫又の横に立ち、ちらりと反対側の黒い円陣に目を向けた。
烏野高校。
因縁の相手。
ネコとカラスと称される両校は、良きライバルとして"ゴミ捨て場の決戦"を繰り広げてきた。
音駒に入学を決める際に、そんな話を黒尾がチラッとしていたのを覚えている。
(ネコの宿敵、カラスか…)
円陣の中心にいるどっしりと落ち着きある1番は烏野の主将だ。さっきよそ行きの愛想笑いを貼りつけた黒尾と握手を交わしていた。
彼と黒尾は一癖も二癖もありそうな似たもの同士のようだ。それにしても――。
(何処かであったような…)
なんとなく烏野の主将に見覚えがあるのだ。
無論逢うのは今日が初めてなはず。
見覚えあるという意味で言えば、小柄で元気そうな10番の彼には迷子になった孤爪を迎えに行った時に逢っている。
人見知りな孤爪が珍しく興味を持つあの10番は、一体どんな選手なんだろう。
個人的には10番の隣に立つ9番の存在感が気になる。それに11番の彼は黒尾よりも背が高い。同じミドルブロッカーだろうか。
まあ、どんな相手であろうとも幸子の信頼に揺らぎはないが。
(鉄朗やみんなが負ける訳ないもん。うちのチームは強い)
そう、相手がどんな強敵であろうと。
「行くぞ!」
「あス!!」
音駒高校 対 烏野高校。
因縁の再戦――――開始!