合宿３日目。
陽射し照りつける日中のハードな練習を終えた後、黒尾はいつものメンバーと共に第３体育館で自主練習を開始した。
いつもと同じ光景。いつもと違うのは――
「みんな、ドリンク作って来たから少し休憩して」
ドリンクボトルを手に居残り練習組に声をかけるのは幸子。
「おおっしゃあああ！幸子ちゃんの手作りドリンクゲットだぜえぇ！」
「…いや、水と粉を混ぜ合わせるだけだから手作りとか関係ないデショ」
真っ先に幸子の元に辿り着きドリンクを手にしたご満悦な木兎に対し月島からの冷静なツッコミ。だが梟谷のエースはそんな細かい事は気にもせず、嬉々として幸子お手製のドリンクで喉を潤していた。
「はい、鉄朗」
「サンキュ」
最後にタオルで汗を拭きながら近寄ってきた黒尾にドリンクを手渡す。黒尾はニッと笑い、受け取ったドリンクを口に運んだ。
「みんなあのハードな練習の後なのに頑張るね」
「なんだかんだでバレー好きな連中だからな」
「そうだね！」
実は本日から幸子も黒尾達の自主練習にマネージャーとして参加する事になったのだ。
その経緯(いきさつ)については昨夜の食堂まで遡る――。