夏合宿‼︎ 2日目 夜食
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校舎に戻り、宿泊中の教室へ続く階段の前までやって来た所で歩みを止め谷地と向かい合った。
「片づけて来ちゃうから、仁花ちゃんは先に部屋に戻ってて」
「私も片づけ手伝います」
「ゴミ捨てるだけだし、一人で大丈夫だよ」
「しかし…」
「差し入れに行くの手伝ってくれただけで充分だよ。本当にありがとう」
そこまで言うのなら、ここは幸子の言葉に甘えて先に宿泊教室へ戻る事にしよう。
幸子と別れ階段を上がり始めた谷地の胸にはマネージャーとしての新たな決意――
「(私も日向や影山君に差し入れできるくらい)……あっ、エプロン!」
――をする途中で当初の目的を思い出し、教室へ戻りかけた谷地の足は再び食堂へ向いたのだった。
―――――‥‥
炊飯釜と食器を洗い、すすいで中を洗ったペットボトルを袋に入れた。
(結局ほとんど鉄朗と話せなかったな…)
遅くまで練習を頑張る黒尾や皆に夜食を届けたかった気持ちに嘘はない。
それでも心の中で期待していた……気兼ねなく黒尾と2人で話せる一時を。先程谷地に『口実』と言ったのはそんな理由からだった。
その期待が本当にただの期待で終わってしまい、なんだか溜め息だけが洩れてしまう。それに……。
(ほんと、何考えてるんだろ、私……)
胸に燻る、とても馬鹿げた思考。
踊らされている自分自身に呆れてしまう。
高々1週間ではないか。
黒尾にとってとても大切な長期合宿――台無しにしたくない。
「幸子」
ゴミ袋の口を縛ろうと身を屈めていた幸子は不意に名前を呼ばれ、驚きにびくっと肩を揺らした。
この時間 誰も来るはずのない食堂に、絶対現れるはずのない人……
「て、鉄朗?!!」
調理場の出入口に黒尾が立っていた。
「片づけて来ちゃうから、仁花ちゃんは先に部屋に戻ってて」
「私も片づけ手伝います」
「ゴミ捨てるだけだし、一人で大丈夫だよ」
「しかし…」
「差し入れに行くの手伝ってくれただけで充分だよ。本当にありがとう」
そこまで言うのなら、ここは幸子の言葉に甘えて先に宿泊教室へ戻る事にしよう。
幸子と別れ階段を上がり始めた谷地の胸にはマネージャーとしての新たな決意――
「(私も日向や影山君に差し入れできるくらい)……あっ、エプロン!」
――をする途中で当初の目的を思い出し、教室へ戻りかけた谷地の足は再び食堂へ向いたのだった。
―――――‥‥
炊飯釜と食器を洗い、すすいで中を洗ったペットボトルを袋に入れた。
(結局ほとんど鉄朗と話せなかったな…)
遅くまで練習を頑張る黒尾や皆に夜食を届けたかった気持ちに嘘はない。
それでも心の中で期待していた……気兼ねなく黒尾と2人で話せる一時を。先程谷地に『口実』と言ったのはそんな理由からだった。
その期待が本当にただの期待で終わってしまい、なんだか溜め息だけが洩れてしまう。それに……。
(ほんと、何考えてるんだろ、私……)
胸に燻る、とても馬鹿げた思考。
踊らされている自分自身に呆れてしまう。
高々1週間ではないか。
黒尾にとってとても大切な長期合宿――台無しにしたくない。
「幸子」
ゴミ袋の口を縛ろうと身を屈めていた幸子は不意に名前を呼ばれ、驚きにびくっと肩を揺らした。
この時間 誰も来るはずのない食堂に、絶対現れるはずのない人……
「て、鉄朗?!!」
調理場の出入口に黒尾が立っていた。