夏合宿‼︎ 2日目
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
なんとなく黒尾の視線の先が気になった。
合宿2日目 快晴。
埼玉県私立森然高校では、本日も総当たりの練習試合が行われていた。
「リエーフ、もっとちゃんとボール見ろ!」
コート上の灰羽に声をかける黒尾は、現在リベロの夜久と交代してコート外…幸子の隣に立ち、試合を見守っていた。
普段と変わらない光景。だが今日の黒尾は目の前の試合に集中しきっていないように見えた。
(また…)
黒尾は度々、音駒以外のコートに目を向けていた。
その視線は隣のコートで試合をする烏野の…もっと言ってしまえば昨夜一緒に自主練習をしていた長身のメガネ男子に注がれている。黒尾は彼のプレイ(というか様子)を伺っているようだ。
(昨日一緒に練習してたから気になるのかな)
面倒見の良い黒尾の事だ。色々とアドバイスしたに違いない。
「リードブロック!」
ぼんやりと考えていた幸子は隣から聞こえてきた大きな声に我に返る。
既に黒尾は意識をこちらへ戻していた。そんな彼を横目で見ながら幸子は心の中で息を吐いた。
―――――‥‥
午後の休憩時間。
森然の父兄が差し入れてくれたスイカをみんなで美味しく頂く。
「幸子さん、スイカください!」
ドタドタと走ってきた灰羽と烏野の日向の後から孤爪がノソノソと歩いてくる。
「はい、どうぞ。リエーフくん」
「アザーッス!」
「研磨はこっちでしょ?」
「うん、ありがとう」
「えー研磨さん、そんな小さいスイカで満足するんですか!?」
「うるさいリエーフ」
小さくカットされた孤爪のスイカを見て灰羽は驚き声をあげる。食の細い孤爪と違い、元気全開の灰羽は視覚から物足りなさを感じたようだ。
そんな灰羽に対し面倒くさそうに接する孤爪。そんな孤爪を全く気にしていない様子の灰羽。
…意外と馬の合う2人だ。
「あの、俺にもスイカください!」
孤爪と灰羽の脇から待ちきれないように日向の手が伸びてくる。幸子は笑顔でスイカの乗った大皿を差し出した。
「はい、どうぞ。たくさん食べてね」
「アザーッス!」
スイカを手にした日向の目はキラキラと輝いていて、その純粋さがとても微笑ましい。
「日向くん、いつも研磨がお世話になってます」
「えっ!? そんな事全然ない!…です!!」
「幸子、保護者みたい…」
「幸子さんが研磨さんの母親なら、父親は黒尾さんですね!」
「――~っ」
黒尾と幸子がセットで登場するあたりさすが灰羽は音駒部員だ。
いやでも実際日向がいると孤爪がよく喋る。それに嬉しそうな顔をする。幼馴染みとしてこんなに喜ばしい事はない。
(それにしても、鉄朗どこ行っちゃったんだろ…!?)
大皿を手にしたまま、幸子はキョロキョロと黒尾を探した。
あれだけ目立つトサカヘッドと長身にも関わらず、その姿は何処にもなく。
「……?!」
ようやく発見した黒尾は、烏野メンバーに紛れて何やら会話を交わしていた。
「っ……」
端から見れば他愛のない他校との交流場面。
なのに幸子の胸はきゅっと締め付けられ…。感情を追い出すようにふるふると首を横に振った。
(……なんだかなあ、私)
合宿2日目 快晴。
埼玉県私立森然高校では、本日も総当たりの練習試合が行われていた。
「リエーフ、もっとちゃんとボール見ろ!」
コート上の灰羽に声をかける黒尾は、現在リベロの夜久と交代してコート外…幸子の隣に立ち、試合を見守っていた。
普段と変わらない光景。だが今日の黒尾は目の前の試合に集中しきっていないように見えた。
(また…)
黒尾は度々、音駒以外のコートに目を向けていた。
その視線は隣のコートで試合をする烏野の…もっと言ってしまえば昨夜一緒に自主練習をしていた長身のメガネ男子に注がれている。黒尾は彼のプレイ(というか様子)を伺っているようだ。
(昨日一緒に練習してたから気になるのかな)
面倒見の良い黒尾の事だ。色々とアドバイスしたに違いない。
「リードブロック!」
ぼんやりと考えていた幸子は隣から聞こえてきた大きな声に我に返る。
既に黒尾は意識をこちらへ戻していた。そんな彼を横目で見ながら幸子は心の中で息を吐いた。
―――――‥‥
午後の休憩時間。
森然の父兄が差し入れてくれたスイカをみんなで美味しく頂く。
「幸子さん、スイカください!」
ドタドタと走ってきた灰羽と烏野の日向の後から孤爪がノソノソと歩いてくる。
「はい、どうぞ。リエーフくん」
「アザーッス!」
「研磨はこっちでしょ?」
「うん、ありがとう」
「えー研磨さん、そんな小さいスイカで満足するんですか!?」
「うるさいリエーフ」
小さくカットされた孤爪のスイカを見て灰羽は驚き声をあげる。食の細い孤爪と違い、元気全開の灰羽は視覚から物足りなさを感じたようだ。
そんな灰羽に対し面倒くさそうに接する孤爪。そんな孤爪を全く気にしていない様子の灰羽。
…意外と馬の合う2人だ。
「あの、俺にもスイカください!」
孤爪と灰羽の脇から待ちきれないように日向の手が伸びてくる。幸子は笑顔でスイカの乗った大皿を差し出した。
「はい、どうぞ。たくさん食べてね」
「アザーッス!」
スイカを手にした日向の目はキラキラと輝いていて、その純粋さがとても微笑ましい。
「日向くん、いつも研磨がお世話になってます」
「えっ!? そんな事全然ない!…です!!」
「幸子、保護者みたい…」
「幸子さんが研磨さんの母親なら、父親は黒尾さんですね!」
「――~っ」
黒尾と幸子がセットで登場するあたりさすが灰羽は音駒部員だ。
いやでも実際日向がいると孤爪がよく喋る。それに嬉しそうな顔をする。幼馴染みとしてこんなに喜ばしい事はない。
(それにしても、鉄朗どこ行っちゃったんだろ…!?)
大皿を手にしたまま、幸子はキョロキョロと黒尾を探した。
あれだけ目立つトサカヘッドと長身にも関わらず、その姿は何処にもなく。
「……?!」
ようやく発見した黒尾は、烏野メンバーに紛れて何やら会話を交わしていた。
「っ……」
端から見れば他愛のない他校との交流場面。
なのに幸子の胸はきゅっと締め付けられ…。感情を追い出すようにふるふると首を横に振った。
(……なんだかなあ、私)