夏合宿‼︎ 1日目 夜
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避難場所として選んだのは音駒の宿泊教室だった。他のマネージャー達と風呂に入れない原因を作った張本人が黒尾だとしても、何かあった時つい頼ってしまうのもやはり黒尾なのだ。
少しだけでもいいから黒尾と話をしたい…という思いで教室を訪ねた幸子を迎えたのは弧爪だった。
「クロならまだ戻ってない」
「…みたいだね」
「自主練してる。リエーフを鍛えるって言ってた」
「あっ、そうなんだ…」
なんとなく灰羽を鍛えるのは夜久の役目だという認識があったが…考えてみれば灰羽は黒尾と同じミドルブロッカー。何の不思議もない。
「研磨は自主練しないの?……って、聞くだけ野暮だよね」
「うん、野暮だね」
と携帯ゲーム機から顔を上げずに弧爪が頷いた。
教室には彼と数名の部員のみがいる。何とか時間を潰したい幸子は、布団に座る弧爪の隣に腰かけてゲーム機の液晶を覗き込んだ。
「難しい?」
「…そこそこ」
「ふうん。そっかあ」
「幸子」
「ん、なに?」
「何で冬でもないのにそんな暑そうな格好してんの?」
「?!!」
弧爪は意外と鋭かったりする。
バレない内に退散するしかない…!
「じ、じゃあ私、そろそろ戻るね」
イソイソと退散しようとした幸子を弧爪が呼び止めた。
「クロ、第3体育館にいるんじゃない?」
―――――‥‥
出入口から中の様子を伺ってみると、すぐに黒尾の姿を発見できた。どうやら灰羽とレシーブ練習をしているらしい。
その近くのコートでは梟谷の木兎と赤葦…それに烏野の長身メガネ男子が練習をしていた。
一同は集中しているらしく、少し隠れるようにして出入口に立つ幸子には気づいていない模様。
「じゃあ2枚でどーだ」
暫しの間練習風景を見学していると、力尽きた灰羽を残し、黒尾が木兎のスパイク練習に加わってきた。
黒尾は隣に立つ烏野のメガネ男子に何やらアドバイスを送っている。
そして2人はジャンプ!黒尾は見事なブロックで木兎のスパイクを退けた。
(完璧なブロック……!!)
かっこいい、と素直に感じて頬が熱くなる。
幸子にとって黒尾は幼少期からそう感じさせる存在であったが、特にバレーをしている彼は格別だ。
最後の春高大会。
せめてそれが、黒尾にとって悔いの残らないものになる事を望む――。
その為のサポートなら何だってしたい。
「鉄朗、頑張って…」
小さく呟いて、幸子は第3体育館を離れた。
少しだけでもいいから黒尾と話をしたい…という思いで教室を訪ねた幸子を迎えたのは弧爪だった。
「クロならまだ戻ってない」
「…みたいだね」
「自主練してる。リエーフを鍛えるって言ってた」
「あっ、そうなんだ…」
なんとなく灰羽を鍛えるのは夜久の役目だという認識があったが…考えてみれば灰羽は黒尾と同じミドルブロッカー。何の不思議もない。
「研磨は自主練しないの?……って、聞くだけ野暮だよね」
「うん、野暮だね」
と携帯ゲーム機から顔を上げずに弧爪が頷いた。
教室には彼と数名の部員のみがいる。何とか時間を潰したい幸子は、布団に座る弧爪の隣に腰かけてゲーム機の液晶を覗き込んだ。
「難しい?」
「…そこそこ」
「ふうん。そっかあ」
「幸子」
「ん、なに?」
「何で冬でもないのにそんな暑そうな格好してんの?」
「?!!」
弧爪は意外と鋭かったりする。
バレない内に退散するしかない…!
「じ、じゃあ私、そろそろ戻るね」
イソイソと退散しようとした幸子を弧爪が呼び止めた。
「クロ、第3体育館にいるんじゃない?」
―――――‥‥
出入口から中の様子を伺ってみると、すぐに黒尾の姿を発見できた。どうやら灰羽とレシーブ練習をしているらしい。
その近くのコートでは梟谷の木兎と赤葦…それに烏野の長身メガネ男子が練習をしていた。
一同は集中しているらしく、少し隠れるようにして出入口に立つ幸子には気づいていない模様。
「じゃあ2枚でどーだ」
暫しの間練習風景を見学していると、力尽きた灰羽を残し、黒尾が木兎のスパイク練習に加わってきた。
黒尾は隣に立つ烏野のメガネ男子に何やらアドバイスを送っている。
そして2人はジャンプ!黒尾は見事なブロックで木兎のスパイクを退けた。
(完璧なブロック……!!)
かっこいい、と素直に感じて頬が熱くなる。
幸子にとって黒尾は幼少期からそう感じさせる存在であったが、特にバレーをしている彼は格別だ。
最後の春高大会。
せめてそれが、黒尾にとって悔いの残らないものになる事を望む――。
その為のサポートなら何だってしたい。
「鉄朗、頑張って…」
小さく呟いて、幸子は第3体育館を離れた。