GW遠征合宿‼︎
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さっきまでガヤガヤと煩かった部屋が一瞬にして静寂に包まれる。
「お、おま……何言って…?!!」
いつも余裕な黒尾が珍しくかなり動揺している。
少し離れた場所で「うがはっ」と叫んで鼻血を出した山本がひっくり返るのを視界の隅に確認した。
「……いの」
「……は?」
「だから…っ、一人で寝るのが…怖い、のっ!!」
……白状してしまった。
いや、最初から素直に打ち明けていれば話はこじれなかったのだ。
事情を知った黒尾は、もう締め出すような真似はしなかった。片手を腰に充て、もう片方で寝癖のある髪をカリカリと掻きながら思考を巡らせている。
「俺は構わねぇが……主将である手前、監督やコーチにバレたらヤバイよな」
黒尾の言い分は最もだ。
自分が原因で黒尾に迷惑がかかったら困る。
それだけは絶対に嫌だ!
一人は怖いが黒尾の今後と比べるまでもない。…引き下がろう。
「私、やっぱり――」
「……こうすれば?」
辞して去ろうとした時、今まで携帯ゲームに没頭していた孤爪が突然顔を上げゲーム機を手元に置いた。
そしてさっきまで黒尾が陣取っていた布団を捲ると、彼の荷物をドサドサっと敷き布団の上に置いて掛け布団を被せた。
パッと見誰かが寝ているように見えるその盛り上がり――。
「……クロは夕食にでた牛タンの食べすぎでお腹を壊して誰よりも早く寝た」
「いや俺どんだけ食い意地張ってんのッ?!!」
「……でもこれでクロは幸子の部屋に行ける」
「?!!」
それは黒尾と幸子という孤爪にとって大切な幼馴染み2人への粋な計らいであった。
―――――‥‥
「うおー、黒尾さんと幸子さんは一体何しちゃってるんだー!!!」
両の拳を握りしめた山本が吼える。
黒尾と幸子が去った後の大部屋には先程の喧騒が戻っていた。
「何って、幸子さんが怖がってるから黒尾さんが一緒の部屋へ寝に行ったんじゃないですか」
「犬岡、そのツンツン頭で考えてみろ。恋人同士の2人がただ普通に寝るだけで朝を迎えるワケねぇだろ?!」
「……はぁ」
「今頃2人は……2人はぁぁぁっ!!」
「山本! お前すぐ変な妄想すんのヤメロ。バカに見えるから」
「スッ…スンマセン」
夜久に一喝されようやく山本は大人しくなった。さすが彼は虎を抑えつける術を心得ている。
「でもさー…一人で寝るのが怖いなんて、幸子さん、なんか可愛いよな」
「なーっ」
夜久と山本を余所に、仲の良い犬岡と芝山は顔を見合わせて頷きあっていた。
「お、おま……何言って…?!!」
いつも余裕な黒尾が珍しくかなり動揺している。
少し離れた場所で「うがはっ」と叫んで鼻血を出した山本がひっくり返るのを視界の隅に確認した。
「……いの」
「……は?」
「だから…っ、一人で寝るのが…怖い、のっ!!」
……白状してしまった。
いや、最初から素直に打ち明けていれば話はこじれなかったのだ。
事情を知った黒尾は、もう締め出すような真似はしなかった。片手を腰に充て、もう片方で寝癖のある髪をカリカリと掻きながら思考を巡らせている。
「俺は構わねぇが……主将である手前、監督やコーチにバレたらヤバイよな」
黒尾の言い分は最もだ。
自分が原因で黒尾に迷惑がかかったら困る。
それだけは絶対に嫌だ!
一人は怖いが黒尾の今後と比べるまでもない。…引き下がろう。
「私、やっぱり――」
「……こうすれば?」
辞して去ろうとした時、今まで携帯ゲームに没頭していた孤爪が突然顔を上げゲーム機を手元に置いた。
そしてさっきまで黒尾が陣取っていた布団を捲ると、彼の荷物をドサドサっと敷き布団の上に置いて掛け布団を被せた。
パッと見誰かが寝ているように見えるその盛り上がり――。
「……クロは夕食にでた牛タンの食べすぎでお腹を壊して誰よりも早く寝た」
「いや俺どんだけ食い意地張ってんのッ?!!」
「……でもこれでクロは幸子の部屋に行ける」
「?!!」
それは黒尾と幸子という孤爪にとって大切な幼馴染み2人への粋な計らいであった。
―――――‥‥
「うおー、黒尾さんと幸子さんは一体何しちゃってるんだー!!!」
両の拳を握りしめた山本が吼える。
黒尾と幸子が去った後の大部屋には先程の喧騒が戻っていた。
「何って、幸子さんが怖がってるから黒尾さんが一緒の部屋へ寝に行ったんじゃないですか」
「犬岡、そのツンツン頭で考えてみろ。恋人同士の2人がただ普通に寝るだけで朝を迎えるワケねぇだろ?!」
「……はぁ」
「今頃2人は……2人はぁぁぁっ!!」
「山本! お前すぐ変な妄想すんのヤメロ。バカに見えるから」
「スッ…スンマセン」
夜久に一喝されようやく山本は大人しくなった。さすが彼は虎を抑えつける術を心得ている。
「でもさー…一人で寝るのが怖いなんて、幸子さん、なんか可愛いよな」
「なーっ」
夜久と山本を余所に、仲の良い犬岡と芝山は顔を見合わせて頷きあっていた。