GW遠征合宿‼︎
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最初黒尾は、コーチである直井が明日の練習試合の件で訪ねて来たのかと思っていた。
しかし扉を開けに行った犬岡の「幸子さん?」という声に座っていた布団から立ち上がり、大股で玄関へ歩いていった。
確かに戸口に立っていたのは幸子だった。
薄いピンクのTシャツに自分達と同じ赤いジャージズボンを穿いた彼女は、なんだか神妙な顔をしている。
「どうした?」
「うん…」
不思議に思い問いかけても歯切れが悪く曖昧な返事が返ってくるのみ。
幸子の態度に首を傾げていると、メロンソーダを飲みながら戻った夜久が彼女の背後から声をかけた。
「入れよ、木梨。黒尾に用があんだろ?」
「う、うん…」
「?……」
夜久の一言で部屋の中へ。
ああ、やはりこの部屋は賑やかで明るい。安心する。
最後に黒尾について部屋へ入りながらそう実感した所で思いきって彼を呼び止めた。
「なんかあったのか?」
「うん……」
「お前、なんか変だぞ」
ちなみに監督コーチ含めバレーボール部全員が黒尾と幸子の関係を知っている。
つまり主将であり恋人である黒尾は交渉し易い相手だ。幸子は緊張が伝わらないか気にしながらきゅっと結んでいた口を開いた。
「あの…ね、鉄朗」
「おう」
言うなら今だ!
「私も…」
「ん?」
「私も、この部屋に泊まってもいい…かな?」
「「「?!!」」」
黒尾のみならず部屋にいた全員が目を大きく開いて絶句した。
「幸子さんがこここここにッ――?!」
「猛虎さん、声裏返ってますよ!!」
頭上から四方に湯気を出した山本に芝山がツッコミを入れる。実は案外女子と話すのが苦手な山本には刺激が強いのだ。
「…だ、だめかな?」
上目使いで黒尾を見、もう一押ししてみる。
「まー、いいんじゃねえか?」
「俺も異議ありません」
夜久が横から口を挟み、犬岡が右手を挙げてそれに続いた。芝山もうんうんと頷いている。
山本などもう歓喜の涙が止まらない様子だ。
良かった…受け入れてもらえそうだ。そう安堵したのも束の間、不機嫌そうな低い声が流れを一刀両断した。
「却下だ」
「て、鉄朗…っ?!」
いつもニヒルな笑みを浮かべている黒尾だが、その口はへの字に閉まり眉をしかめていた。声と同じく態度も不機嫌そのものだ。
「早く部屋へ戻れ」
「で、でも…?!」
「幸子」
黒尾の声は有無を言わさない響きがある。
だが、こちらも追いつめられているのだ。恥ずかしすぎるが…もう形振り構っていられない。最終手段だ。
幸子はきゅっと黒尾のジャージの裾を掴んだ。
「……鉄朗」
「ん?」
「一緒に……寝て?」
しかし扉を開けに行った犬岡の「幸子さん?」という声に座っていた布団から立ち上がり、大股で玄関へ歩いていった。
確かに戸口に立っていたのは幸子だった。
薄いピンクのTシャツに自分達と同じ赤いジャージズボンを穿いた彼女は、なんだか神妙な顔をしている。
「どうした?」
「うん…」
不思議に思い問いかけても歯切れが悪く曖昧な返事が返ってくるのみ。
幸子の態度に首を傾げていると、メロンソーダを飲みながら戻った夜久が彼女の背後から声をかけた。
「入れよ、木梨。黒尾に用があんだろ?」
「う、うん…」
「?……」
夜久の一言で部屋の中へ。
ああ、やはりこの部屋は賑やかで明るい。安心する。
最後に黒尾について部屋へ入りながらそう実感した所で思いきって彼を呼び止めた。
「なんかあったのか?」
「うん……」
「お前、なんか変だぞ」
ちなみに監督コーチ含めバレーボール部全員が黒尾と幸子の関係を知っている。
つまり主将であり恋人である黒尾は交渉し易い相手だ。幸子は緊張が伝わらないか気にしながらきゅっと結んでいた口を開いた。
「あの…ね、鉄朗」
「おう」
言うなら今だ!
「私も…」
「ん?」
「私も、この部屋に泊まってもいい…かな?」
「「「?!!」」」
黒尾のみならず部屋にいた全員が目を大きく開いて絶句した。
「幸子さんがこここここにッ――?!」
「猛虎さん、声裏返ってますよ!!」
頭上から四方に湯気を出した山本に芝山がツッコミを入れる。実は案外女子と話すのが苦手な山本には刺激が強いのだ。
「…だ、だめかな?」
上目使いで黒尾を見、もう一押ししてみる。
「まー、いいんじゃねえか?」
「俺も異議ありません」
夜久が横から口を挟み、犬岡が右手を挙げてそれに続いた。芝山もうんうんと頷いている。
山本などもう歓喜の涙が止まらない様子だ。
良かった…受け入れてもらえそうだ。そう安堵したのも束の間、不機嫌そうな低い声が流れを一刀両断した。
「却下だ」
「て、鉄朗…っ?!」
いつもニヒルな笑みを浮かべている黒尾だが、その口はへの字に閉まり眉をしかめていた。声と同じく態度も不機嫌そのものだ。
「早く部屋へ戻れ」
「で、でも…?!」
「幸子」
黒尾の声は有無を言わさない響きがある。
だが、こちらも追いつめられているのだ。恥ずかしすぎるが…もう形振り構っていられない。最終手段だ。
幸子はきゅっと黒尾のジャージの裾を掴んだ。
「……鉄朗」
「ん?」
「一緒に……寝て?」