梟の止まり木
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バスは無事に部員達を梟谷学園まで送り届け、そのまま解散となった。
時刻は15時。まだ陽は高い。
恋人達が休日を満喫する時間は充分にある。
(映画、楽しみだなー…)
陽が高い内に赤葦と出掛けられるのは随分久しぶりに思えた。女子更衣室で着替えながらつい浮き足立ってしまう。
まだワイワイと賑やかな会話を交わしている雀田と白福に挨拶して、先に更衣室を出た。赤葦はもう着替え終わっているだろうか。
部活棟を出て普段待ち合わせしている校門前に向かうと、赤葦は既に待っていてくれた。
「京治!」
手を振りながら駆け寄れば、幸子に気づいた赤葦は寄り掛かっていた壁から上体を起こした。
「映画でしたっけ?」
「う、うん…」
「……行きますよ」
無表情のまま告げると、幸子の顔を見るでもなくさっさと歩き出してしまう赤葦。
そんな態度に違和感を感じながら後を追って歩き出すが、2人の距離は開くばかり。
「京治?…待ってよ、京治!」
普段なら何も言わずとも幸子と歩幅を合わせてくれる赤葦だが、今日に限ってそうしてはくれなかった。
名前を呼んだ事でようやく足を止めた赤葦に走り寄った幸子は、息を切らしながら背の高い彼を見上げた。
「先に行っちゃうなんて酷いよ…!!」
「酷いのはどっちですか」
「えっ…!?」
聞き返す言葉には応えず、赤葦はそれ以上何も言わずに歩き出した。
(京治…)
何だろう。赤葦の様子がおかしい。
確かに赤葦は普段から気だるい感じではあるが、こんなに素っ気ない態度を取る人ではない。
(私――‥)
何かしてしまったのだ。
彼を怒らせるような何かを。
――だが考える程に原因は思い浮かばず。無言のまま映画館の入っているデパートに到着してしまった。
やはり赤葦は何も言わずにやって来たエレベーターに乗り込む。幸子もそれに続いた。
七階へのボタンを押すと、エレベーターは静かに動き出した。
時刻は15時。まだ陽は高い。
恋人達が休日を満喫する時間は充分にある。
(映画、楽しみだなー…)
陽が高い内に赤葦と出掛けられるのは随分久しぶりに思えた。女子更衣室で着替えながらつい浮き足立ってしまう。
まだワイワイと賑やかな会話を交わしている雀田と白福に挨拶して、先に更衣室を出た。赤葦はもう着替え終わっているだろうか。
部活棟を出て普段待ち合わせしている校門前に向かうと、赤葦は既に待っていてくれた。
「京治!」
手を振りながら駆け寄れば、幸子に気づいた赤葦は寄り掛かっていた壁から上体を起こした。
「映画でしたっけ?」
「う、うん…」
「……行きますよ」
無表情のまま告げると、幸子の顔を見るでもなくさっさと歩き出してしまう赤葦。
そんな態度に違和感を感じながら後を追って歩き出すが、2人の距離は開くばかり。
「京治?…待ってよ、京治!」
普段なら何も言わずとも幸子と歩幅を合わせてくれる赤葦だが、今日に限ってそうしてはくれなかった。
名前を呼んだ事でようやく足を止めた赤葦に走り寄った幸子は、息を切らしながら背の高い彼を見上げた。
「先に行っちゃうなんて酷いよ…!!」
「酷いのはどっちですか」
「えっ…!?」
聞き返す言葉には応えず、赤葦はそれ以上何も言わずに歩き出した。
(京治…)
何だろう。赤葦の様子がおかしい。
確かに赤葦は普段から気だるい感じではあるが、こんなに素っ気ない態度を取る人ではない。
(私――‥)
何かしてしまったのだ。
彼を怒らせるような何かを。
――だが考える程に原因は思い浮かばず。無言のまま映画館の入っているデパートに到着してしまった。
やはり赤葦は何も言わずにやって来たエレベーターに乗り込む。幸子もそれに続いた。
七階へのボタンを押すと、エレベーターは静かに動き出した。