梟の止まり木
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或る日曜日。
梟谷学園男子バレー部は千葉県にある落花高校まで練習試合にやって来た。
さすが全国を戦う梟谷は三試合全てを制し、帰路に着く部員達は束の間の勝利の味に酔いしれながら学校指定のバスに乗り込んだ。
「いやー!今日もやっぱり俺って最高ーーッ!!!」
主将の木兎は特別テンション高くバスに乗り込んだ…と思ったら、すぐに「便所!」と叫んでバスを飛び出す。
「だから落花を出る前に済ませるように言ったじゃないですか」
「生理現象なんだから仕方ねーだろ!!」
バス乗降口で鉢合わせた赤葦の言葉に憤慨しながら、木兎は出てきたばかりの落花の校舎へと戻って行く。
「まあ、アレが木兎の通常運転だから仕方ないよ」
小さく息を吐いた赤葦を宥めるように幸子が言う。赤葦は視線を幸子へと。
「中で待ちましょう。木兎さんが帰ってきたらすぐに出発ですから」
「あっ、ねえ……京治」
周囲に誰もいないのを確認し先導する赤葦のジャージの裾をクイと引っ張ると、すぐに赤葦は振り返った。
「なんスか?」
「覚えてる?学校に戻って部活終わったら…」
「……映画観に行くんですよね、覚えてます」
「良かったー」
胸の前で両手を合わせた幸子があまりにも無邪気な笑顔を見せたので、赤葦も釣られて小さく微笑んだ。
―――――‥‥
バスは部員達でほぼ満席だったが、比較的前方に並びあった空席を見つけた。
「隣に――」
「スッキリしたぜー!」
窓際に座った幸子が赤葦を呼び寄せようとするより早く、ズカズカと慌ただしく戻って来た木兎が勢いよく隣に座ってしまった。
「ちょ…木兎!?」
「出発シンコー!」
拳を突き出して叫んだかと思えば、木兎はあっという間に熟睡モード突入だ。しかもあろう事か、頭をコテンと幸子の肩へと乗せた。
「お、重い…」
助けを求めるように赤葦を見るが、彼は幸子を見る事なく空いた別の席へと歩いて行った。
梟谷学園男子バレー部は千葉県にある落花高校まで練習試合にやって来た。
さすが全国を戦う梟谷は三試合全てを制し、帰路に着く部員達は束の間の勝利の味に酔いしれながら学校指定のバスに乗り込んだ。
「いやー!今日もやっぱり俺って最高ーーッ!!!」
主将の木兎は特別テンション高くバスに乗り込んだ…と思ったら、すぐに「便所!」と叫んでバスを飛び出す。
「だから落花を出る前に済ませるように言ったじゃないですか」
「生理現象なんだから仕方ねーだろ!!」
バス乗降口で鉢合わせた赤葦の言葉に憤慨しながら、木兎は出てきたばかりの落花の校舎へと戻って行く。
「まあ、アレが木兎の通常運転だから仕方ないよ」
小さく息を吐いた赤葦を宥めるように幸子が言う。赤葦は視線を幸子へと。
「中で待ちましょう。木兎さんが帰ってきたらすぐに出発ですから」
「あっ、ねえ……京治」
周囲に誰もいないのを確認し先導する赤葦のジャージの裾をクイと引っ張ると、すぐに赤葦は振り返った。
「なんスか?」
「覚えてる?学校に戻って部活終わったら…」
「……映画観に行くんですよね、覚えてます」
「良かったー」
胸の前で両手を合わせた幸子があまりにも無邪気な笑顔を見せたので、赤葦も釣られて小さく微笑んだ。
―――――‥‥
バスは部員達でほぼ満席だったが、比較的前方に並びあった空席を見つけた。
「隣に――」
「スッキリしたぜー!」
窓際に座った幸子が赤葦を呼び寄せようとするより早く、ズカズカと慌ただしく戻って来た木兎が勢いよく隣に座ってしまった。
「ちょ…木兎!?」
「出発シンコー!」
拳を突き出して叫んだかと思えば、木兎はあっという間に熟睡モード突入だ。しかもあろう事か、頭をコテンと幸子の肩へと乗せた。
「お、重い…」
助けを求めるように赤葦を見るが、彼は幸子を見る事なく空いた別の席へと歩いて行った。