抱擁力
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金曜朝 通学の時間帯。
「幸子、早くしろ。電車来んぞ」
先を行く黒尾に手を引かれながら足早にホームへと続く階段をのぼる。
「わっ、すごい人…!」
ホームに着いた幸子は驚きをそのまま口にした。
普段は朝練で早朝の人も疎(まば)らな時間帯に利用する為、通勤通学時の混雑は見慣れないのだ。
「そりゃまあ、ラッシュ時だからな。人もすげえよ」
「……だよね」
幸子の驚きっぷりが面白かったらしく、黒尾はククッと笑った。そんな恋人の様子に全くその通りだとボケている自らをちょっと呪う。
「でもさ、今日は朝練なかったし いつもよりゆっくり寝てられる!!って喜んじゃったけど…これ見ちゃうと早起きも悪くないって思えちゃうよね」
「だな」
早起きは三文の徳とは昔の人はよく言ったものだ。――それにしても、
「私、苦手なんだよなぁ」
「苦手?」
「あっ、ううん。何でもない」
「何でもなくねえだろ」
「何でもないのっ。鉄朗には分からない世界だから」
そう、背の高い黒尾にはわかりっこないのだ。
「……?」
黒尾はハテナ顔で何か言いたそうにしたが、電車の到着を報せるアナウンスに問い質すのを諦めた。
「幸子、早くしろ。電車来んぞ」
先を行く黒尾に手を引かれながら足早にホームへと続く階段をのぼる。
「わっ、すごい人…!」
ホームに着いた幸子は驚きをそのまま口にした。
普段は朝練で早朝の人も疎(まば)らな時間帯に利用する為、通勤通学時の混雑は見慣れないのだ。
「そりゃまあ、ラッシュ時だからな。人もすげえよ」
「……だよね」
幸子の驚きっぷりが面白かったらしく、黒尾はククッと笑った。そんな恋人の様子に全くその通りだとボケている自らをちょっと呪う。
「でもさ、今日は朝練なかったし いつもよりゆっくり寝てられる!!って喜んじゃったけど…これ見ちゃうと早起きも悪くないって思えちゃうよね」
「だな」
早起きは三文の徳とは昔の人はよく言ったものだ。――それにしても、
「私、苦手なんだよなぁ」
「苦手?」
「あっ、ううん。何でもない」
「何でもなくねえだろ」
「何でもないのっ。鉄朗には分からない世界だから」
そう、背の高い黒尾にはわかりっこないのだ。
「……?」
黒尾はハテナ顔で何か言いたそうにしたが、電車の到着を報せるアナウンスに問い質すのを諦めた。