猫の牽制
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黒尾と澤村が再び顔を突き合わせたのは二時間近く後だった。
「夕飯間に合った?」
自販機で缶ジュースを買っていた黒尾に風呂上がりの澤村が声をかけた。取り出し口から缶ジュースを手に取り黒尾。
「ギリギリセーフだ」
「そうか、良かった」
言ったままジュースを飲む己を眺めている澤村に疑問を持ち、黒尾は怪訝な表情を返した。
「なんか用か?」
「いや、特に用って訳じゃないんだけどさ」
指でぽりぽりと頬を掻いて澤村が続けた。
「梟谷の主将は木梨さんに気があるみたいだな」
「木兎か?2年の時からずっとあんな調子だ」
「そうか。幼馴染みとしては気になる所だよな」
「――?!」
黒尾が片眉をあげて澤村を見た。
「日向伝いに聞いた。セッター君と木梨さん、幼馴染みなんだろ?」
「そうだ。3人一緒に育った」
頷いた黒尾は何処か読めない笑みを浮かべていて。
「幸子に気があんのか?」
「……気にならないと言ったら嘘になるかもな」
澤村は微妙な言い回しをした。
おそらく現時点では色恋ではなく人として興味の方が強いというニュアンスの発言なんだろう。それが恋に発展するかは澤村本人にもまだ分からないといった所か。
「とかさ、こんな話したらまた幼馴染みを守っちゃうかな」
「恋人を守るのは当然だろ?」
「――?!!」
僅かに驚いた様子を見せた澤村だったが、しかし全て納得したかのようにフッと肩で息を吐いた。
「やっぱりな。そんな気がしてたよ。ただの幼馴染みって雰囲気じゃなかったもんな」
「知りたかったのはそれだけか?」
「おお。足止めして悪かったな」
「気にすんな」
立ち去ろうとした澤村を今度は黒尾が呼び止める。
「朝食は6時半からだっけか」
「7時じゃなかったか?」
突然すぎる雑談を不思議に思いながら応えると、黒尾は相変わらずの喰えない笑みを浮かべており。
「そうだったな」
「どうしたんだ、突然」
「朝の食堂って意外と混み合うんだよな。7時前には開いてっからさ、早めに食堂行って朝練に備えた方がいいぞ」
「そうか、ありがとう」
空き缶入れに缶を捨てた黒尾は、それだけ告げると立ち去った。
「夕飯間に合った?」
自販機で缶ジュースを買っていた黒尾に風呂上がりの澤村が声をかけた。取り出し口から缶ジュースを手に取り黒尾。
「ギリギリセーフだ」
「そうか、良かった」
言ったままジュースを飲む己を眺めている澤村に疑問を持ち、黒尾は怪訝な表情を返した。
「なんか用か?」
「いや、特に用って訳じゃないんだけどさ」
指でぽりぽりと頬を掻いて澤村が続けた。
「梟谷の主将は木梨さんに気があるみたいだな」
「木兎か?2年の時からずっとあんな調子だ」
「そうか。幼馴染みとしては気になる所だよな」
「――?!」
黒尾が片眉をあげて澤村を見た。
「日向伝いに聞いた。セッター君と木梨さん、幼馴染みなんだろ?」
「そうだ。3人一緒に育った」
頷いた黒尾は何処か読めない笑みを浮かべていて。
「幸子に気があんのか?」
「……気にならないと言ったら嘘になるかもな」
澤村は微妙な言い回しをした。
おそらく現時点では色恋ではなく人として興味の方が強いというニュアンスの発言なんだろう。それが恋に発展するかは澤村本人にもまだ分からないといった所か。
「とかさ、こんな話したらまた幼馴染みを守っちゃうかな」
「恋人を守るのは当然だろ?」
「――?!!」
僅かに驚いた様子を見せた澤村だったが、しかし全て納得したかのようにフッと肩で息を吐いた。
「やっぱりな。そんな気がしてたよ。ただの幼馴染みって雰囲気じゃなかったもんな」
「知りたかったのはそれだけか?」
「おお。足止めして悪かったな」
「気にすんな」
立ち去ろうとした澤村を今度は黒尾が呼び止める。
「朝食は6時半からだっけか」
「7時じゃなかったか?」
突然すぎる雑談を不思議に思いながら応えると、黒尾は相変わらずの喰えない笑みを浮かべており。
「そうだったな」
「どうしたんだ、突然」
「朝の食堂って意外と混み合うんだよな。7時前には開いてっからさ、早めに食堂行って朝練に備えた方がいいぞ」
「そうか、ありがとう」
空き缶入れに缶を捨てた黒尾は、それだけ告げると立ち去った。