冬生まれの君に
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その日も朝から寒さが厳しかったものの、雨や雪にはならずに済んだ。
風も比較的穏やかで、この大切な一日が快晴なのが嬉しい。
幸子がマネージャーを務める宮城県立烏野高校 男子バレーボール部には終業式など関係なく、ほとんどの生徒達が明日からの冬休みを話題に下校した後も、がっつりと三時間に及ぶ練習が行われた。
その部活終わり。書き上げた部誌を手に幸子は部室へと向かった。
(もうみんな帰っちゃってるかな)
――今日の鍵当番以外は。
そう思いながら念の為ノックをして(誰かが着替えていたらアレなので)扉を開け――ようとしたら扉の方から開いてくれた。
「自動ドア?!」
「そんな訳ないデショ」
すごく高い場所から声がして、幸子の体に影が出来る。
見上げると月島がいつもの気だるそうな表情で幸子を見下ろしていた。その後ろには山口もいる。
「月島くん、もうみんな着替え終わってる?」
「着替え終わった処かもう2年も3年も帰ったよ。何? 木梨さん、健全な男子の着替え覗きたかったとかそういうノリ?」
「や、そういう訳じゃ…」
いつもながらに月島の毒舌に辟易していると、彼の後ろからひょいっと前に現れた山口が笑顔で言う。
「そんなに怯えなくても大丈夫ですよ、木梨先輩。ツッキーってば先輩に構いたくて仕方ないだけなんですから」
「……うるさい、山口」
「ごめん、ツッキー」
怒られた山口はまた月島の背後に引っ込んでしまった…。
「そこ退いて。帰るから」
「あっ、う、うん…。お疲れさま」
慌てて道を開けると月島は幸子を一瞥して部室を出ていった。
その後ろに愛想笑いの山口が「お疲れさまでした」と続き、2人は連れ立って帰路へと着いた。
本当に頼もしい限りだ。今年の一年生は。
風も比較的穏やかで、この大切な一日が快晴なのが嬉しい。
幸子がマネージャーを務める宮城県立烏野高校 男子バレーボール部には終業式など関係なく、ほとんどの生徒達が明日からの冬休みを話題に下校した後も、がっつりと三時間に及ぶ練習が行われた。
その部活終わり。書き上げた部誌を手に幸子は部室へと向かった。
(もうみんな帰っちゃってるかな)
――今日の鍵当番以外は。
そう思いながら念の為ノックをして(誰かが着替えていたらアレなので)扉を開け――ようとしたら扉の方から開いてくれた。
「自動ドア?!」
「そんな訳ないデショ」
すごく高い場所から声がして、幸子の体に影が出来る。
見上げると月島がいつもの気だるそうな表情で幸子を見下ろしていた。その後ろには山口もいる。
「月島くん、もうみんな着替え終わってる?」
「着替え終わった処かもう2年も3年も帰ったよ。何? 木梨さん、健全な男子の着替え覗きたかったとかそういうノリ?」
「や、そういう訳じゃ…」
いつもながらに月島の毒舌に辟易していると、彼の後ろからひょいっと前に現れた山口が笑顔で言う。
「そんなに怯えなくても大丈夫ですよ、木梨先輩。ツッキーってば先輩に構いたくて仕方ないだけなんですから」
「……うるさい、山口」
「ごめん、ツッキー」
怒られた山口はまた月島の背後に引っ込んでしまった…。
「そこ退いて。帰るから」
「あっ、う、うん…。お疲れさま」
慌てて道を開けると月島は幸子を一瞥して部室を出ていった。
その後ろに愛想笑いの山口が「お疲れさまでした」と続き、2人は連れ立って帰路へと着いた。
本当に頼もしい限りだ。今年の一年生は。
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