#10 桜霜学園
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ガラッ――!
美術室の古びたドアが一気に開く音に、カンバスに向かっていた璃華子は振り返った。
スーツ姿の男がドア前に立っていた。おそらくは捜査に来ている公安局の刑事の一人…。
「王陵璃華子だな」
「それが何か?」
不愉快そうな冷たい瞳で刑事を睨み付ければ、その刑事――狡噛は上着の下のホルスターからドミネーターを抜き銃口を璃華子に向けた。
『犯罪係数472。執行モード リーサル・エリミネーター』
やはりだ。狡噛の推理は的中する。後はこれで目の前の容疑者を撃てば執行完了だ。
「君!やめたまえ!!」
だが 狡噛がトリガーを引く前に、先程の初老教師が彼の腕に飛びついた。
ドミネーターの銃口を璃華子から下げさせる。狡噛と初老教師が悶着起こしている間に、璃華子は美術室を飛び出した。
「くそっ」
しつこい初老教師をようやく引き剥がしたと同時に狡噛の手から転がり落ちるドミネーター。
廊下に滑り出たそれを拾い上げたのは…常守。
『ユーザー認証…常守朱監視官』
「朱ちゃん!」
「幸子さん!?」
野次馬の最前列にいた幸子が常守に声をかけた。反射的に常守は、ドミネーターを幸子に向けるような形で振り返った。
『犯罪係数27 刑事課登録特別執行官 木梨幸子。執行対象ではありません』
「えっ…!?」
「常守!ドミネーターを渡せ!!」
「あ、は、はい…!」
脳内に響いた音声に常守は驚愕する。しかしその事実を飲み込めないまま、教室から飛び出した狡噛の怒声に反射的にドミネーターを彼に投げて寄越した。
ドミネーターを受け取った狡噛は すぐに璃華子の後を追う。追いかけながら…あの異常なまでの璃華子の落ち着き方に違和感を覚えていた。
まるで…脱出の手筈は既に整っているような…。
『今すぐ学園全域を封鎖しろ!ありったけのドローンを動員だ!!』
携帯端末に宜野座からの通信が入ってきたのは、その直後だった。
美術室の古びたドアが一気に開く音に、カンバスに向かっていた璃華子は振り返った。
スーツ姿の男がドア前に立っていた。おそらくは捜査に来ている公安局の刑事の一人…。
「王陵璃華子だな」
「それが何か?」
不愉快そうな冷たい瞳で刑事を睨み付ければ、その刑事――狡噛は上着の下のホルスターからドミネーターを抜き銃口を璃華子に向けた。
『犯罪係数472。執行モード リーサル・エリミネーター』
やはりだ。狡噛の推理は的中する。後はこれで目の前の容疑者を撃てば執行完了だ。
「君!やめたまえ!!」
だが 狡噛がトリガーを引く前に、先程の初老教師が彼の腕に飛びついた。
ドミネーターの銃口を璃華子から下げさせる。狡噛と初老教師が悶着起こしている間に、璃華子は美術室を飛び出した。
「くそっ」
しつこい初老教師をようやく引き剥がしたと同時に狡噛の手から転がり落ちるドミネーター。
廊下に滑り出たそれを拾い上げたのは…常守。
『ユーザー認証…常守朱監視官』
「朱ちゃん!」
「幸子さん!?」
野次馬の最前列にいた幸子が常守に声をかけた。反射的に常守は、ドミネーターを幸子に向けるような形で振り返った。
『犯罪係数27 刑事課登録特別執行官 木梨幸子。執行対象ではありません』
「えっ…!?」
「常守!ドミネーターを渡せ!!」
「あ、は、はい…!」
脳内に響いた音声に常守は驚愕する。しかしその事実を飲み込めないまま、教室から飛び出した狡噛の怒声に反射的にドミネーターを彼に投げて寄越した。
ドミネーターを受け取った狡噛は すぐに璃華子の後を追う。追いかけながら…あの異常なまでの璃華子の落ち着き方に違和感を覚えていた。
まるで…脱出の手筈は既に整っているような…。
『今すぐ学園全域を封鎖しろ!ありったけのドローンを動員だ!!』
携帯端末に宜野座からの通信が入ってきたのは、その直後だった。