#09 潜入捜査
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「あんな形……?」
狡噛は眉を潜めたまま思案しているようだったが、やがてひとつの結論に辿り着いたらしい。
ふう、と息を吐いて肩を竦めた。
「そうか…。あの時廊下で聞き耳を立ててたのは、あんただったのか」
「なっ!? き、聞き耳なんて立ててません!あれは不可抗力で……あっ!」
常守は本日二回目の墓穴を掘った。
「……気づいてたんですか? 私が廊下にいるって」
「あんたが、というより 誰かいるのに、だな。職業柄、気配には敏感なんだ」
気づいてて行為をやめなかったのか、この男は。
「……知ってて続けるなんて悪趣味です」
「見えもしない他人に遠慮して、惚れてる女を抱かない男なんていないさ」
「……っ」
しれっと応えた狡噛に常守が言葉を詰まらせる。
「それとも――執行官のプライベートを覗くのも監視官の仕事か?」
「わ、私は幸子さんを連れていった狡噛さんに抗議したかっただけです!」
「中の様子に気づいてもドアの側を離れなかったんだろ? 同じことさ」
「う……」
後ろめたさに言い返せず、ぐっとつまる常守。悔しそうだ。
「まあ いいさ。ただ、木梨には……幸子には黙っていてくれ。あんたに聞かれたと分かったら、地球の裏側まで穴を掘って入り兼ねない」
同感だ。その光景は常守にも容易に想像がつく。常守が頷くと、狡噛はタバコを吸い、紫煙を吐き出した。
「で、何の用だ?」
2人は場所を狡噛の部屋に移した。
話題は未解決事件…公安局広域重要指定事件102 並びに今回の事件についてだ。
狡噛が固執するあの事件と類似点の多い今回の事件。模倣犯という可能性もあるが、調べる価値は充分にあった。
「でも、捜査からは外されちゃいましたね」
先入観に囚われ、冷静に対処できない刑事を初動捜査には加えられないという理由で、狡噛は捜査から外されているのだ(そのお目付け役に選ばれたのが常守である)
「別にいいさ。あんまりギノを困らせてもな」
「えっ?」
「やり方はあるってことだよ。上手い口実を見つけて俺達が戻らざるをえない状況を作り出せばいい」
狡噛はまだ諦めていない。今回の事件に関わる事を。
狡噛は眉を潜めたまま思案しているようだったが、やがてひとつの結論に辿り着いたらしい。
ふう、と息を吐いて肩を竦めた。
「そうか…。あの時廊下で聞き耳を立ててたのは、あんただったのか」
「なっ!? き、聞き耳なんて立ててません!あれは不可抗力で……あっ!」
常守は本日二回目の墓穴を掘った。
「……気づいてたんですか? 私が廊下にいるって」
「あんたが、というより 誰かいるのに、だな。職業柄、気配には敏感なんだ」
気づいてて行為をやめなかったのか、この男は。
「……知ってて続けるなんて悪趣味です」
「見えもしない他人に遠慮して、惚れてる女を抱かない男なんていないさ」
「……っ」
しれっと応えた狡噛に常守が言葉を詰まらせる。
「それとも――執行官のプライベートを覗くのも監視官の仕事か?」
「わ、私は幸子さんを連れていった狡噛さんに抗議したかっただけです!」
「中の様子に気づいてもドアの側を離れなかったんだろ? 同じことさ」
「う……」
後ろめたさに言い返せず、ぐっとつまる常守。悔しそうだ。
「まあ いいさ。ただ、木梨には……幸子には黙っていてくれ。あんたに聞かれたと分かったら、地球の裏側まで穴を掘って入り兼ねない」
同感だ。その光景は常守にも容易に想像がつく。常守が頷くと、狡噛はタバコを吸い、紫煙を吐き出した。
「で、何の用だ?」
2人は場所を狡噛の部屋に移した。
話題は未解決事件…公安局広域重要指定事件102 並びに今回の事件についてだ。
狡噛が固執するあの事件と類似点の多い今回の事件。模倣犯という可能性もあるが、調べる価値は充分にあった。
「でも、捜査からは外されちゃいましたね」
先入観に囚われ、冷静に対処できない刑事を初動捜査には加えられないという理由で、狡噛は捜査から外されているのだ(そのお目付け役に選ばれたのが常守である)
「別にいいさ。あんまりギノを困らせてもな」
「えっ?」
「やり方はあるってことだよ。上手い口実を見つけて俺達が戻らざるをえない状況を作り出せばいい」
狡噛はまだ諦めていない。今回の事件に関わる事を。