#02 公安局刑事課一係
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がちゃんと音がして取り出し口に転がってきたペットボトルを取り出す。
自動販売機は昔からその形態がほとんど変わってないらしい。プロトタイプが初めからほぼ完成形というのも凄い話だ。
「木梨」
ペットボトルより紙パックの方が飲みやすかったか…そんな事を考えていたら背後から声をかけられた。
振り返らずとも判ってしまう声の主。
「ギノ…」
「狡噛の意識は戻ったのか?」
何も報告していないのに狡噛に付き添っていたと断言しているあたり、宜野座は幸子をよく解っていると言える。
「うん、意識はね。でもまだ動ける状態じゃない」
「そうか…」
と宜野座は指を顎に充てて何か考える素振りを見せたが、直ぐに幸子に向き直った。
「第二当直勤務だったな」
「ん?」
「お前だ」
「うん、そうだけど…」
突然話題を変えられ戸惑いつつも頷いた。
それ以上何も言わずに宜野座は幸子を見つめてくる。眼鏡の奥で凛と光る瞳の、その感情が読めない。
「もしかして…慎也についてて寝不足じゃないか心配してる?」
宜野座は否定も肯定もしない。
「大丈夫だよ。仕事はちゃんとこなすから。私の仕事に対する姿勢は、ギノもよく知ってるでしょ?」
「…そうだな」
それからまた沈黙。
医務室で待つ狡噛を考え、幸子が辞して去ろうとした時、宜野座がまた口を開いた。
「いつまで執行官の真似事を続ける気だ?」
「真似事じゃない。本当に執行官なの!」
「お前の居場所はそこじゃないだろう」
「っ…」
幸子は一瞬言葉に詰まった。宜野座が幸子を攻撃しようとして 皮肉めいた発言をしている訳ではないと 付き合いの長さから解る。
心配してくれているのだ、宜野座は。
幸子は一度仕舞った電子カードを取り出して自動販売機から缶コーヒーを購入した。
それから熱々の缶を宜野座の頬にぴたっとくっつけてみる。
「っ、…な、何をするんだ!?」
「あげる」
不意打ちの缶の熱さに驚き怒りだした宜野座を受け流し、幸子は缶コーヒーを彼の手に押しつけた。
「ありがとう……伸元」
囁いた声は宜野座に届いただろうか。
幸子はそのまま医務室へ歩きだした。
医務室に戻ると狡噛は目を閉じていた。その表情は固い。
「慎也…?」
遠慮がちに声をかけると狡噛はうっすらと目を開けて視線をこちらに向けた。どうやら眠っていた訳ではなさそうだ。
「飲み物買って来たよ」
自動販売機で買って来たペットボトルの水を見えるように掲げる。蓋を開けて一口含むと、幸子はそのまま狡噛の唇に自分の唇をつけた。
冷たい水が幸子の唇を伝って狡噛の喉を潤していく。
「へへっ…驚いた?」
狡噛を見れば、狐に摘まれたような表情で幸子を見ている。いつも幸子から大胆に仕掛けてくるなど有り得ないので、びっくりしたのだろう。
悪戯っ子のように笑った幸子は、それを三度程繰り返してからペットボトルの蓋を閉めた。
「これから勤務だから…当直明けにまた来るね」
最後に額にちゅっとキスして狡噛から離れた。
その瞬間、分析室ラボで唐之杜にからかわれた言葉がふと思い出され、幸子は頬を熱くした。
自動販売機は昔からその形態がほとんど変わってないらしい。プロトタイプが初めからほぼ完成形というのも凄い話だ。
「木梨」
ペットボトルより紙パックの方が飲みやすかったか…そんな事を考えていたら背後から声をかけられた。
振り返らずとも判ってしまう声の主。
「ギノ…」
「狡噛の意識は戻ったのか?」
何も報告していないのに狡噛に付き添っていたと断言しているあたり、宜野座は幸子をよく解っていると言える。
「うん、意識はね。でもまだ動ける状態じゃない」
「そうか…」
と宜野座は指を顎に充てて何か考える素振りを見せたが、直ぐに幸子に向き直った。
「第二当直勤務だったな」
「ん?」
「お前だ」
「うん、そうだけど…」
突然話題を変えられ戸惑いつつも頷いた。
それ以上何も言わずに宜野座は幸子を見つめてくる。眼鏡の奥で凛と光る瞳の、その感情が読めない。
「もしかして…慎也についてて寝不足じゃないか心配してる?」
宜野座は否定も肯定もしない。
「大丈夫だよ。仕事はちゃんとこなすから。私の仕事に対する姿勢は、ギノもよく知ってるでしょ?」
「…そうだな」
それからまた沈黙。
医務室で待つ狡噛を考え、幸子が辞して去ろうとした時、宜野座がまた口を開いた。
「いつまで執行官の真似事を続ける気だ?」
「真似事じゃない。本当に執行官なの!」
「お前の居場所はそこじゃないだろう」
「っ…」
幸子は一瞬言葉に詰まった。宜野座が幸子を攻撃しようとして 皮肉めいた発言をしている訳ではないと 付き合いの長さから解る。
心配してくれているのだ、宜野座は。
幸子は一度仕舞った電子カードを取り出して自動販売機から缶コーヒーを購入した。
それから熱々の缶を宜野座の頬にぴたっとくっつけてみる。
「っ、…な、何をするんだ!?」
「あげる」
不意打ちの缶の熱さに驚き怒りだした宜野座を受け流し、幸子は缶コーヒーを彼の手に押しつけた。
「ありがとう……伸元」
囁いた声は宜野座に届いただろうか。
幸子はそのまま医務室へ歩きだした。
医務室に戻ると狡噛は目を閉じていた。その表情は固い。
「慎也…?」
遠慮がちに声をかけると狡噛はうっすらと目を開けて視線をこちらに向けた。どうやら眠っていた訳ではなさそうだ。
「飲み物買って来たよ」
自動販売機で買って来たペットボトルの水を見えるように掲げる。蓋を開けて一口含むと、幸子はそのまま狡噛の唇に自分の唇をつけた。
冷たい水が幸子の唇を伝って狡噛の喉を潤していく。
「へへっ…驚いた?」
狡噛を見れば、狐に摘まれたような表情で幸子を見ている。いつも幸子から大胆に仕掛けてくるなど有り得ないので、びっくりしたのだろう。
悪戯っ子のように笑った幸子は、それを三度程繰り返してからペットボトルの蓋を閉めた。
「これから勤務だから…当直明けにまた来るね」
最後に額にちゅっとキスして狡噛から離れた。
その瞬間、分析室ラボで唐之杜にからかわれた言葉がふと思い出され、幸子は頬を熱くした。