銃口を司る正義
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佐々山は暫しの間、茫然とした表情でドミネーターを見つめていた。
(なんだよ…今のは……!?)
あんな現場を目撃して怒りに任せて警備員に拳を見舞った狡噛のサイコパスが一時的に濁るならまだ解る。
(あの、木梨だぞ?!)
いくら自分が被害者になったとしても、あのお人好しで思いやりの塊のような幸子の色相があそこまで濁るとは信じられなかった。
犯罪係数135――立派な潜在犯だ。
「嘘だろ……!?」
恐る恐る…下ろしていたドミネーターを再び幸子に向けてみる。これでさっきと同じ結果になれば、もう動かしようがない。
ゴクリと喉を慣らす佐々山の脳に ドミネーターの声が響いた。
『犯罪係数18。刑事課登録監視官 木梨幸子』
「!!?」
佐々山は思わず目をぱちくりさせた。一度幸子をドミネーターの標的から外し、再度試みてみるがやはり結果は同じだった。
「なんだ…ただの誤作動だったのかよ」
苦笑いしながらも安堵している自分に気づく。
木梨が潜在犯!? …ありえねぇ。
佐々山は短髪をがしがしと手で掻きながら2人の監視官に近づいていった。
「てめ狡噛。どさくさに紛れて幸子ちゃんを抱擁しやがって。全く…俺に変われってんだ」
膨れっ面で近寄ってきた佐々山が 自分達の関係に気づいている可能性は低そうだ。
狡噛が幸子の抱擁を解くか迷っていると、幸子の方から顔を上げて狡噛から離れた。佐々山がいるのに、このままではいけないと思ったのだろう。
「まずはコイツを逮捕しねーと」
「ああ。そうだな」
狡噛は伸びた警備員の手に手錠をかけた。それからデバイスで宜野座に連絡を取った。
『幸子は見つかったのか!?』
宜野座は直ぐに応答し、こちらから口を開く前に矢継ぎ早に質問してきた。
狡噛はゆっくりと頷く。
「ああ。執行官宿舎の空き部屋だ。そこで木梨監視官の安全確保と…犯人の身柄を拘束した」
『犯人!? …例の警備員か!?』
「……。今から佐々山執行官に犯人を連行させる。俺達はこのまま退勤させてもらう。非番だからな」
狡噛が言い切ると、佐々山は「ずりー…」と舌打ちしてふてくされた。
『……解った。あとの事は任せろ』
「すまないな、ギノ」
『狡噛、幸子を…木梨監視官を頼む』
「ああ」
通信を切ると、佐々山に後を任せ、狡噛は幸子を連れて空き部屋を後にした。
(なんだよ…今のは……!?)
あんな現場を目撃して怒りに任せて警備員に拳を見舞った狡噛のサイコパスが一時的に濁るならまだ解る。
(あの、木梨だぞ?!)
いくら自分が被害者になったとしても、あのお人好しで思いやりの塊のような幸子の色相があそこまで濁るとは信じられなかった。
犯罪係数135――立派な潜在犯だ。
「嘘だろ……!?」
恐る恐る…下ろしていたドミネーターを再び幸子に向けてみる。これでさっきと同じ結果になれば、もう動かしようがない。
ゴクリと喉を慣らす佐々山の脳に ドミネーターの声が響いた。
『犯罪係数18。刑事課登録監視官 木梨幸子』
「!!?」
佐々山は思わず目をぱちくりさせた。一度幸子をドミネーターの標的から外し、再度試みてみるがやはり結果は同じだった。
「なんだ…ただの誤作動だったのかよ」
苦笑いしながらも安堵している自分に気づく。
木梨が潜在犯!? …ありえねぇ。
佐々山は短髪をがしがしと手で掻きながら2人の監視官に近づいていった。
「てめ狡噛。どさくさに紛れて幸子ちゃんを抱擁しやがって。全く…俺に変われってんだ」
膨れっ面で近寄ってきた佐々山が 自分達の関係に気づいている可能性は低そうだ。
狡噛が幸子の抱擁を解くか迷っていると、幸子の方から顔を上げて狡噛から離れた。佐々山がいるのに、このままではいけないと思ったのだろう。
「まずはコイツを逮捕しねーと」
「ああ。そうだな」
狡噛は伸びた警備員の手に手錠をかけた。それからデバイスで宜野座に連絡を取った。
『幸子は見つかったのか!?』
宜野座は直ぐに応答し、こちらから口を開く前に矢継ぎ早に質問してきた。
狡噛はゆっくりと頷く。
「ああ。執行官宿舎の空き部屋だ。そこで木梨監視官の安全確保と…犯人の身柄を拘束した」
『犯人!? …例の警備員か!?』
「……。今から佐々山執行官に犯人を連行させる。俺達はこのまま退勤させてもらう。非番だからな」
狡噛が言い切ると、佐々山は「ずりー…」と舌打ちしてふてくされた。
『……解った。あとの事は任せろ』
「すまないな、ギノ」
『狡噛、幸子を…木梨監視官を頼む』
「ああ」
通信を切ると、佐々山に後を任せ、狡噛は幸子を連れて空き部屋を後にした。