銃口を司る正義
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無我夢中だった。
幸子にのし掛かる警備員――その光景を目の当たりにした瞬間、狡噛の中に言い様のない怒りが込み上げてきた。そして…気づいた時にはもう、警備員は白目を向いて気絶していたのだ。
俺が…やったのか…!?
肩で大きく息をし、握ったままの拳を見つめながら狡噛は心の中で確認した。
正義の鉄槌を下した拳はまだジンジンと痺れている。
監視官ともあろう者がドミネーターで裁くこともなく自らの拳で犯人を伸してしまった。
コウ、お前さんもようやく本当の意味で男になったか――征陸が知ったらそんな激励をしてくれそうだ。
後悔などない。当然の仕打ちだと思うし紛れもなく正当防衛だ。
「慎也……」
か細い声に我に返ると、体を両腕で抱きしめるようにしている幸子が濡れた瞳で狡噛を見上げていた。
彼女の肌けたシャツが全てを物語っている。
怖い思いをさせてしまったという自責と後悔の念に紛れて、チリチリと嫉妬の炎が燻っているのに狡噛は気づかなかった。
「幸子…!」
膝をついた狡噛は迷わず幸子を抱きしめた。
佐々山に見られている――そんなの関係ない。
社内では秘密にしている2人の関係がバレたとしても構うものか。今は2人とも非番なのだ。恋人を抱きしめて何が悪い。
「もう…大丈夫だ…」
耳許から狡噛の低音が体に染み渡る。後頭部をゆっくり撫でられれば、徐々に震えがおさまっていくのを感じた。
「遅くなってすまない」
「っ……」
幸子は ふるふると首を横に振り、狡噛の温かい胸に 更にぎゅっと顔を押しつけた。
狡噛が詫びなければならない事なんてひとつもない。今だって…こうして助けに来てくれた。
「慎也…」
「もういい。何も考えるな。…終わったんだ、全て」
後頭部を撫でていた手は下り、今度は背中を行き来している。その温かさに、幸子のショックは少しずつ和らいでいった。
幸子にのし掛かる警備員――その光景を目の当たりにした瞬間、狡噛の中に言い様のない怒りが込み上げてきた。そして…気づいた時にはもう、警備員は白目を向いて気絶していたのだ。
俺が…やったのか…!?
肩で大きく息をし、握ったままの拳を見つめながら狡噛は心の中で確認した。
正義の鉄槌を下した拳はまだジンジンと痺れている。
監視官ともあろう者がドミネーターで裁くこともなく自らの拳で犯人を伸してしまった。
コウ、お前さんもようやく本当の意味で男になったか――征陸が知ったらそんな激励をしてくれそうだ。
後悔などない。当然の仕打ちだと思うし紛れもなく正当防衛だ。
「慎也……」
か細い声に我に返ると、体を両腕で抱きしめるようにしている幸子が濡れた瞳で狡噛を見上げていた。
彼女の肌けたシャツが全てを物語っている。
怖い思いをさせてしまったという自責と後悔の念に紛れて、チリチリと嫉妬の炎が燻っているのに狡噛は気づかなかった。
「幸子…!」
膝をついた狡噛は迷わず幸子を抱きしめた。
佐々山に見られている――そんなの関係ない。
社内では秘密にしている2人の関係がバレたとしても構うものか。今は2人とも非番なのだ。恋人を抱きしめて何が悪い。
「もう…大丈夫だ…」
耳許から狡噛の低音が体に染み渡る。後頭部をゆっくり撫でられれば、徐々に震えがおさまっていくのを感じた。
「遅くなってすまない」
「っ……」
幸子は ふるふると首を横に振り、狡噛の温かい胸に 更にぎゅっと顔を押しつけた。
狡噛が詫びなければならない事なんてひとつもない。今だって…こうして助けに来てくれた。
「慎也…」
「もういい。何も考えるな。…終わったんだ、全て」
後頭部を撫でていた手は下り、今度は背中を行き来している。その温かさに、幸子のショックは少しずつ和らいでいった。