銃口を司る正義
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幸子はパニックになりそうな自分を落ち着かせながら、抱きしめてくる警備員の背中を擦った。
「警備員さん、少し…話をしませんか?」
「……いいですよ」
抱擁を解き、ベッドに腰かけた警備員が微笑んで頷いた。幸子はごくりと唾を飲み、震えを抑えながら話しかける。
「まず言っておきたい事があります」
「なんでしょう?」
「…宜野座監視官は私の恋人ではありません」
「……」
「本当です!信じて下さい!!」
虚ろな目で己を見つめてくる警備員に真剣なまなざしを向け、幸子は必死で訴える。
嫌な間があり、警備員は縦に首を振った。
「…分かりました。木梨さん、あなたの言葉を信じます」
幸子はホッと胸を撫で下ろした。これで宜野座に危険が及ぶ心配はなくなった。
深呼吸して、幸子は別の話題を振る。
「ここはどこですか?…あなたの自宅…?」
「いえ、違います」
この質問には警備員はあっさりと首を横に振った。
「ここは公安局内部にある――僕が見つけた秘密の空間です」
「秘密の空間?」
「はい、本当に偶然でした」
「一体どこなんです?」
「……あなたに窮屈な思いをさせない為、内装にも拘りました。気に入ってくれるといいんですが」
肝心な所で警備員は話題をすり替えてしまう。
しかし今の会話でいくつか判明した。
自分達はまだ公安局にいるらしい。そしてこの部屋の内装はホログラムだ。いくら警備員と言えど、公安局に堂々と家具など持ち込んだら怪しまれてしまうからだ。
ならば――強行策に出てみるか。
幸子はおもむろにベッドから立ち上がると、拳で壁を叩いた。
「なにするんですか!!?」
慌てて立ち上がった警備員に構わず、幸子は更に壁を叩く。物音に気づいた誰かが駆けつけてきてくれることを期待して。
幸子の意図に勘づいた警備員は、彼女をガバッと抱きしめた。
「いやっ、離して…っ!」
「すみません、静かにしてもらいます」
言うなり近づいてきた唇。
「やっ! ん、んう……ッ!」
気がつけば幸子の唇は警備員のそれに塞がれていた。初めて受け入れた狡噛以外の唇は、ぬるっとして気持ち悪かった。
「ん、う……」
狡噛ではない男と口づけを交わしている。
その事実に、幸子は止めどなく溢れる涙を止めることが出来なかった。
「警備員さん、少し…話をしませんか?」
「……いいですよ」
抱擁を解き、ベッドに腰かけた警備員が微笑んで頷いた。幸子はごくりと唾を飲み、震えを抑えながら話しかける。
「まず言っておきたい事があります」
「なんでしょう?」
「…宜野座監視官は私の恋人ではありません」
「……」
「本当です!信じて下さい!!」
虚ろな目で己を見つめてくる警備員に真剣なまなざしを向け、幸子は必死で訴える。
嫌な間があり、警備員は縦に首を振った。
「…分かりました。木梨さん、あなたの言葉を信じます」
幸子はホッと胸を撫で下ろした。これで宜野座に危険が及ぶ心配はなくなった。
深呼吸して、幸子は別の話題を振る。
「ここはどこですか?…あなたの自宅…?」
「いえ、違います」
この質問には警備員はあっさりと首を横に振った。
「ここは公安局内部にある――僕が見つけた秘密の空間です」
「秘密の空間?」
「はい、本当に偶然でした」
「一体どこなんです?」
「……あなたに窮屈な思いをさせない為、内装にも拘りました。気に入ってくれるといいんですが」
肝心な所で警備員は話題をすり替えてしまう。
しかし今の会話でいくつか判明した。
自分達はまだ公安局にいるらしい。そしてこの部屋の内装はホログラムだ。いくら警備員と言えど、公安局に堂々と家具など持ち込んだら怪しまれてしまうからだ。
ならば――強行策に出てみるか。
幸子はおもむろにベッドから立ち上がると、拳で壁を叩いた。
「なにするんですか!!?」
慌てて立ち上がった警備員に構わず、幸子は更に壁を叩く。物音に気づいた誰かが駆けつけてきてくれることを期待して。
幸子の意図に勘づいた警備員は、彼女をガバッと抱きしめた。
「いやっ、離して…っ!」
「すみません、静かにしてもらいます」
言うなり近づいてきた唇。
「やっ! ん、んう……ッ!」
気がつけば幸子の唇は警備員のそれに塞がれていた。初めて受け入れた狡噛以外の唇は、ぬるっとして気持ち悪かった。
「ん、う……」
狡噛ではない男と口づけを交わしている。
その事実に、幸子は止めどなく溢れる涙を止めることが出来なかった。