銃口を司る正義
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勢いよく開かれたドアの立てた音と監視官2人の形相に驚き、一係オフィスにいた執行官一同 一斉に顔を上げた。
「ど、どうしたんですか、2人共。そんなに険しい顔をして」
その迫力に気圧されて椅子から転げ落ちそうになりながら、執行官内藤僚一が尋ねた。
しかし両監視官は内藤の質問など聞こえていないかのように、キョロキョロとオフィスを見渡している。
「狡噛さん? …宜野座さん?」
「内藤、木梨がここに戻らなかったか?」
「木梨さん?…いえ、戻ってきてませんけど」
内藤が首を振ると、2人の監視官は更に険しい表情を見せる。
「何かあったんですか?」
「いや…」
ただならぬ雰囲気を感じ、内藤は交互に監視官2人を見た。宜野座が短く応える横で狡噛は 徐にデバイスからなにかの手続きを始めた。
「狡噛…!?」
「狡噛慎也、監視官権限により 局内全てに配備されているサイコパススキャナーの本日分の記録開示を申請」
『声紋ならびにIDを認証・局内サイコパススキャナーの記録開示を許可します』
無機質な声が流れ、携帯情報端末にデータが届く。
本日公安局内に設置されたサイコパススキャナーが測定した犯罪係数の一覧が表れた。狡噛はそれを流し見ながら息を吐く。やはり――
「サイコパススキャナーは異常な犯罪係数を一度も感知していない…」
当然の結果だ。公安局内を潜在犯が徘徊していたら、あっという間に騒ぎになるに決まっている。
狡噛の意図を理解した宜野座は 携帯端末から狡噛本人に視線を移しながら、互いの焦燥を抑えるように言う。
「狡噛、俺達の考えすぎかもしれない。一度幸子の自宅に行って――」
「いや それはない。あいつはここにいる。公安局の何処かに」
口許に手を充て狡噛は考えるような仕種をした。
「騒ぎになっていないのがその証拠だ。犯人は幸子を連れて公安局に潜んでいるんだ」
「では…一体誰が犯人だと言うんだ!?」
「――!!」
狡噛は一気にどん底に叩き落とされた気がした。幸子を狙うストーカー…それが誰なのかすら突き止められていないのだ、自分達は。
犯人は公安局を知り尽くした人物。つまり内部犯で間違いない。しかしそれが誰なのかと問われれば、答えることが出来ない。
こうしている間にも、幸子は犯人の手中にあり危険な状態だというのに――
「クソッ…!」
焦れた狡噛は反射的に己ののデスクを叩いた。
同時にドアが開き、一人の男が姿を現す。
「ど、どうしたんですか、2人共。そんなに険しい顔をして」
その迫力に気圧されて椅子から転げ落ちそうになりながら、執行官内藤僚一が尋ねた。
しかし両監視官は内藤の質問など聞こえていないかのように、キョロキョロとオフィスを見渡している。
「狡噛さん? …宜野座さん?」
「内藤、木梨がここに戻らなかったか?」
「木梨さん?…いえ、戻ってきてませんけど」
内藤が首を振ると、2人の監視官は更に険しい表情を見せる。
「何かあったんですか?」
「いや…」
ただならぬ雰囲気を感じ、内藤は交互に監視官2人を見た。宜野座が短く応える横で狡噛は 徐にデバイスからなにかの手続きを始めた。
「狡噛…!?」
「狡噛慎也、監視官権限により 局内全てに配備されているサイコパススキャナーの本日分の記録開示を申請」
『声紋ならびにIDを認証・局内サイコパススキャナーの記録開示を許可します』
無機質な声が流れ、携帯情報端末にデータが届く。
本日公安局内に設置されたサイコパススキャナーが測定した犯罪係数の一覧が表れた。狡噛はそれを流し見ながら息を吐く。やはり――
「サイコパススキャナーは異常な犯罪係数を一度も感知していない…」
当然の結果だ。公安局内を潜在犯が徘徊していたら、あっという間に騒ぎになるに決まっている。
狡噛の意図を理解した宜野座は 携帯端末から狡噛本人に視線を移しながら、互いの焦燥を抑えるように言う。
「狡噛、俺達の考えすぎかもしれない。一度幸子の自宅に行って――」
「いや それはない。あいつはここにいる。公安局の何処かに」
口許に手を充て狡噛は考えるような仕種をした。
「騒ぎになっていないのがその証拠だ。犯人は幸子を連れて公安局に潜んでいるんだ」
「では…一体誰が犯人だと言うんだ!?」
「――!!」
狡噛は一気にどん底に叩き落とされた気がした。幸子を狙うストーカー…それが誰なのかすら突き止められていないのだ、自分達は。
犯人は公安局を知り尽くした人物。つまり内部犯で間違いない。しかしそれが誰なのかと問われれば、答えることが出来ない。
こうしている間にも、幸子は犯人の手中にあり危険な状態だというのに――
「クソッ…!」
焦れた狡噛は反射的に己ののデスクを叩いた。
同時にドアが開き、一人の男が姿を現す。