銃口を司る正義
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ベッドにへたり込んだまま幸子は茫然と警備員を見上げていた。
警備員は薄い笑みを浮かべながらそんな幸子を見つめている。そのまなざしに幸子は背筋をぞくりとさせた。
暗い瞳だ。公安局で見た快活な明るさは微塵もない。
「なんの為に…こんな…」
言葉が続かない。酷く混乱していた。
そんな幸子の様子を見て警備員は告げた。
「仕方がなかったんです」
「仕方ない…?」
問いただすと肝心なところで警備員は口をつぐんで黙り込む。
2人の間に奇妙な静寂が流れた。
「……帰して下さい」
「それは出来ません。放してしまったら…あなたはあの男の許へ行ってしまう」
「あの男?」
「宜野座伸元です」
「の、伸元…?!!」
百歩譲って恋人の狡噛なら分かる。しかしなぜここで宜野座が出てくるのか。
そんな疑問が顔に表れてしまったのだろう。警備員は抑揚のない声で言う。
「見てしまったんです。…あなたと宜野座監視官の睦まじい姿を」
「えっ?」
「いくら鈍い僕でも あなた方が恋人同士と気づくまでにそう時間はかかりませんでした」
「!」
睦まじい姿? 恋人同士?!
「警備員さん、なにか誤解してます。私と伸元はそんな関係じゃ――」
「隠さなくていいです。あの日…現場から戻ったあなた方2人の雰囲気は同僚のそれじゃなかった。一見は百聞に勝ります」
「……っ」
幸子は脳をフル回転させて"現場から戻ったあの日"の記憶を辿る。
そして行き当たったのが数日前。狡噛 宜野座と3人で現場に出向いた日。
狡噛がパトカーを駐車しに行っている間に宜野座と2人きりになった時のこと。
それを警備員に目撃されていたのだ。
「あれは相談をしていただけで…」
「どんな相談ですか?」
「そ、それは……」
目の前にいる男が姿見えぬ者で間違いない以上、安易に話せない。彼を刺激してしまうからだ。言葉に詰まった幸子を見て、警備員は言い訳出来ないだろうとばかりに口角を引き上げた。
「だから…分かって下さい」
「っ、きゃっ!」
警備員は突然距離を詰め、ベッドに座る幸子を徐に抱きしめた。
「こうして閉じ込めてしまわないと…あなたは何処かへ行ってしまう」
すがるように抱きしめてくるその腕は強かった。
(っ、慎也……!)
警備員に抱きしめられながら、幸子は心の中で狡噛の名を呼んだ。
警備員は薄い笑みを浮かべながらそんな幸子を見つめている。そのまなざしに幸子は背筋をぞくりとさせた。
暗い瞳だ。公安局で見た快活な明るさは微塵もない。
「なんの為に…こんな…」
言葉が続かない。酷く混乱していた。
そんな幸子の様子を見て警備員は告げた。
「仕方がなかったんです」
「仕方ない…?」
問いただすと肝心なところで警備員は口をつぐんで黙り込む。
2人の間に奇妙な静寂が流れた。
「……帰して下さい」
「それは出来ません。放してしまったら…あなたはあの男の許へ行ってしまう」
「あの男?」
「宜野座伸元です」
「の、伸元…?!!」
百歩譲って恋人の狡噛なら分かる。しかしなぜここで宜野座が出てくるのか。
そんな疑問が顔に表れてしまったのだろう。警備員は抑揚のない声で言う。
「見てしまったんです。…あなたと宜野座監視官の睦まじい姿を」
「えっ?」
「いくら鈍い僕でも あなた方が恋人同士と気づくまでにそう時間はかかりませんでした」
「!」
睦まじい姿? 恋人同士?!
「警備員さん、なにか誤解してます。私と伸元はそんな関係じゃ――」
「隠さなくていいです。あの日…現場から戻ったあなた方2人の雰囲気は同僚のそれじゃなかった。一見は百聞に勝ります」
「……っ」
幸子は脳をフル回転させて"現場から戻ったあの日"の記憶を辿る。
そして行き当たったのが数日前。狡噛 宜野座と3人で現場に出向いた日。
狡噛がパトカーを駐車しに行っている間に宜野座と2人きりになった時のこと。
それを警備員に目撃されていたのだ。
「あれは相談をしていただけで…」
「どんな相談ですか?」
「そ、それは……」
目の前にいる男が姿見えぬ者で間違いない以上、安易に話せない。彼を刺激してしまうからだ。言葉に詰まった幸子を見て、警備員は言い訳出来ないだろうとばかりに口角を引き上げた。
「だから…分かって下さい」
「っ、きゃっ!」
警備員は突然距離を詰め、ベッドに座る幸子を徐に抱きしめた。
「こうして閉じ込めてしまわないと…あなたは何処かへ行ってしまう」
すがるように抱きしめてくるその腕は強かった。
(っ、慎也……!)
警備員に抱きしめられながら、幸子は心の中で狡噛の名を呼んだ。