銃口を司る正義
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一係オフィスでは 監視官デスクについた狡噛が、黙々と仕事をこなしていた。
隣席の宜野座はその様子をチラリと確認し、室内にいる執行官達には聞こえないよう小声で言った。
「狡噛。公私混同はするなと――」
「ギノ…おかしくないか?」
「……何がだ?」
話を遮られた事に宜野座は若干ムッとした表情を見せたが、辛抱強く尋ねた。
「あいつの様子だ」
それが幸子を指していると瞬時に悟る。
「なんとなく落ち着きがない。公安局にいる時は特に…だ」
「今抱えている事件のせいじゃないのか?」
「いや、違う。そんな感じの態度じゃない。言うなら……」
と言葉を止めてモニタ画面に視線を移す。視線を移したが…その目は違うものを映しているように見えた。
「何か……隠しているような」
「隠す? 幸子が何を隠すと言うんだ?」
「それが分からないから何も出来ずにいるんだ」
狡噛の声は冷静だったが、どこかもどかしさを含んでいた。その横顔を見つめていた宜野座は、小さく息を吐いて言葉をかけた。
「何かあれば幸子はお前に言うだろう?」
「ああ、そうだよな…」
自分に言い聞かせるように相槌を打った狡噛は、冷めたコーヒーを口に運んだ。
エレベーターを降りた幸子は廊下を歩いていた。
目的地は食堂。例のストーカーの件もあり早めの帰宅をとも思ったのだが、狡噛が勤務中である公安局から離れがたかったのだ。
だからと言って、狡噛の勤務明けまで待っている訳にもいかず。
(コーヒーを飲んで、読みかけの小説を少し読み進めてから帰ろう)
そんな幸子の背後に人影が忍び寄っているのを 彼女は気づく由もなかった。
隣席の宜野座はその様子をチラリと確認し、室内にいる執行官達には聞こえないよう小声で言った。
「狡噛。公私混同はするなと――」
「ギノ…おかしくないか?」
「……何がだ?」
話を遮られた事に宜野座は若干ムッとした表情を見せたが、辛抱強く尋ねた。
「あいつの様子だ」
それが幸子を指していると瞬時に悟る。
「なんとなく落ち着きがない。公安局にいる時は特に…だ」
「今抱えている事件のせいじゃないのか?」
「いや、違う。そんな感じの態度じゃない。言うなら……」
と言葉を止めてモニタ画面に視線を移す。視線を移したが…その目は違うものを映しているように見えた。
「何か……隠しているような」
「隠す? 幸子が何を隠すと言うんだ?」
「それが分からないから何も出来ずにいるんだ」
狡噛の声は冷静だったが、どこかもどかしさを含んでいた。その横顔を見つめていた宜野座は、小さく息を吐いて言葉をかけた。
「何かあれば幸子はお前に言うだろう?」
「ああ、そうだよな…」
自分に言い聞かせるように相槌を打った狡噛は、冷めたコーヒーを口に運んだ。
エレベーターを降りた幸子は廊下を歩いていた。
目的地は食堂。例のストーカーの件もあり早めの帰宅をとも思ったのだが、狡噛が勤務中である公安局から離れがたかったのだ。
だからと言って、狡噛の勤務明けまで待っている訳にもいかず。
(コーヒーを飲んで、読みかけの小説を少し読み進めてから帰ろう)
そんな幸子の背後に人影が忍び寄っているのを 彼女は気づく由もなかった。