銃口を司る正義
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自分もまだまだ若いと思ってはいたが、中学生のパワフルさには舌を巻くばかりだった。
「まず交通ルールについて説明します」
「そんなの説明しなくても知ってるよ」
「それよりオネーさん彼氏いるの?」
「………」
説明を始めようとすれば一部の男子生徒が野次を入れて笑いが起こる。
教員免許を取得する際、教育実習に赴いた時でさえ、こんな状態にはならなかったのに…。
幸子が戸惑っていると、明らかに真面目そうな女子が立ち上がって男子の悪ふざけを注意し始めた。
「やめなさいよ!」
「うるせーな。優等生ぶるなブス!」
「なんですって!?」
小競り合いの発生だ。
(しかもその原因が私なんて情けなさすぎるよ……慎也〜!)
別室で講習をおこなっている狡噛に心の中で助けを求めてから、幸子は鎮圧するべく騒動の渦中に目を向けた。
遠慮がちな声が言い争いの間から聞こえてきたのはその時だった。
「えーっと…とりあえずさ、刑事さん困ってるし講習終わらせちゃおうよ。プライベートな質問ならその後たくさんするチャンスありそうだし」
間に入ったのはショートカットの女子だった。
言い争っていた男子も女子もバツが悪そうに、何処か納得したように大人しくなりあっという間に一件落着だ。
(すごい…!!)
どちらを咎めるでもなく角を立てずに言い争いを鎮めてしまった事に幸子は内心驚いた。
そして滞りなく終了した講習後。
友人達と連れ立って退室しようとしたショートカットの女子を呼び止めた。
「さっきはありがとう。あなたのおかげで助かったよ」
「刑事さん、困ってるように見えたから」
照れ笑いした彼女の横から友人達が口を挟む。
「どんな揉め事も、朱が間に入ると解決しちゃうの」
「それにこの子のサイコパス、色相がいつも最高にクリアなんだよ」
「それは鈍感だからだよ」
控えめな笑顔を見せるショートカットの女子が、友人達にどれだけ愛されているのかよく分かる。そして彼女自身の広い器と力量も。
「私、木梨幸子。あなたのお名前は?」
「常守朱です」
「常守さんか。ねえ、良かったら交通マナーアップ委員として、私達に力を貸してくれないかな」
「えっ、私が!?」
「いいじゃん。朱なら適役だよ」
「そうだよ。私も朱なら出来ると思う」
「そうかな…」
友人達に後押しされ、常守ははにかみながらも承諾してくれた。
「決まりだね。改めてよろしくね。常守さん」
「はい!」
ニコリと笑えば常守も釣られて笑顔を見せた。
「まず交通ルールについて説明します」
「そんなの説明しなくても知ってるよ」
「それよりオネーさん彼氏いるの?」
「………」
説明を始めようとすれば一部の男子生徒が野次を入れて笑いが起こる。
教員免許を取得する際、教育実習に赴いた時でさえ、こんな状態にはならなかったのに…。
幸子が戸惑っていると、明らかに真面目そうな女子が立ち上がって男子の悪ふざけを注意し始めた。
「やめなさいよ!」
「うるせーな。優等生ぶるなブス!」
「なんですって!?」
小競り合いの発生だ。
(しかもその原因が私なんて情けなさすぎるよ……慎也〜!)
別室で講習をおこなっている狡噛に心の中で助けを求めてから、幸子は鎮圧するべく騒動の渦中に目を向けた。
遠慮がちな声が言い争いの間から聞こえてきたのはその時だった。
「えーっと…とりあえずさ、刑事さん困ってるし講習終わらせちゃおうよ。プライベートな質問ならその後たくさんするチャンスありそうだし」
間に入ったのはショートカットの女子だった。
言い争っていた男子も女子もバツが悪そうに、何処か納得したように大人しくなりあっという間に一件落着だ。
(すごい…!!)
どちらを咎めるでもなく角を立てずに言い争いを鎮めてしまった事に幸子は内心驚いた。
そして滞りなく終了した講習後。
友人達と連れ立って退室しようとしたショートカットの女子を呼び止めた。
「さっきはありがとう。あなたのおかげで助かったよ」
「刑事さん、困ってるように見えたから」
照れ笑いした彼女の横から友人達が口を挟む。
「どんな揉め事も、朱が間に入ると解決しちゃうの」
「それにこの子のサイコパス、色相がいつも最高にクリアなんだよ」
「それは鈍感だからだよ」
控えめな笑顔を見せるショートカットの女子が、友人達にどれだけ愛されているのかよく分かる。そして彼女自身の広い器と力量も。
「私、木梨幸子。あなたのお名前は?」
「常守朱です」
「常守さんか。ねえ、良かったら交通マナーアップ委員として、私達に力を貸してくれないかな」
「えっ、私が!?」
「いいじゃん。朱なら適役だよ」
「そうだよ。私も朱なら出来ると思う」
「そうかな…」
友人達に後押しされ、常守ははにかみながらも承諾してくれた。
「決まりだね。改めてよろしくね。常守さん」
「はい!」
ニコリと笑えば常守も釣られて笑顔を見せた。