銃口を司る正義
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案内されたのは公安局から程近い場所にある自然公園だった。
都会にありながらその喧騒を消す唯一の場所であるように静寂に包まれている。
園内を歩いていくと奥に石段があった。
「この上にある高台だ」
狡噛が言葉で示し、石段を上がっていく。幸子もそれに続いた。
石段を上がった先に待っていたのは――
「うわぁ、きれい…!」
幸子は両手を口許に充てて思わず感嘆の声をあげた。
そこには散りばめられた宝石のような夜景が広がっていた。乱立するビルの谷間から望む都心の夜景は、とても迫力がある。
「柄じゃないが…前に偶然見つけてな。いつか木梨に見せたいと思ってた」
「素敵……」
宵闇に輝く宝石は夜空の星に負けないくらいの輝きを放っている。
涙が出る程に――美しい光景だ。
暫く夜景に見入っていた幸子であったが、狡噛に感謝の気持ちを伝えようと隣に立つ彼を振り向いた。途端に目が合う。
狡噛が見つめていたのは夜景ではなく幸子で。
「こ、狡噛く……?!」
大きな手のひらが幸子の肩を抱き寄せ、あっという間に抱きしめられた。
昼間された時よりも抱きしめてくる腕は情熱的で力強い。
押しつけられている狡噛の胸から少し速い鼓動が伝わってくる。
同じ気持ちなんだと思うとそれだけで幸せに満たされた。
その幸せを共有するように幸子もおずおずと狡噛の背に手を回す。
「幸子」
少し掠れた声が呼ぶのは、いつもの苗字ではなく。
驚き反射的に埋めていた胸から顔をあげると、いつになく真剣な狡噛の表情(かお)。しかし見つめるまなざしはいつも以上に優しくて。
「顔真っ赤だぞ」
「そ、それは…突然名前で呼ぶから…っ」
「俺達、恋人同士なんだ。名前で呼んでも不思議はないだろ?」
「……っ」
狡噛の口から紡がれる言葉が自分達の関係を実感させて恥ずかしい。
…恥ずかしいけど、同時に擽ったいような嬉しさを感じる。
「ほら、幸子も呼んでみろ」
「……~っ」
「どうした? 早く」
「………や…」
「聞こえないぞ」
「っ、慎…也……っ」
「よく出来ました」
ポンと頭に乗せられた手が髪を一撫でし、そのまま頬を滑って顎にかかる。
もう片方の手でぐっと腰を引き寄せられればもう、逃げ場はなかった。
「幸子」
ゆっくりと近づいてくる狡噛の端正な顔。
何をされるのか初な幸子ですら理解できる。
羞恥でおかしくなりそうだ。
だが、それを拒む気持ちは一滴もなかった。
吐息を感じる程に狡噛の顔が近づいた時、幸子はゆっくりと目を閉じた――。
都会にありながらその喧騒を消す唯一の場所であるように静寂に包まれている。
園内を歩いていくと奥に石段があった。
「この上にある高台だ」
狡噛が言葉で示し、石段を上がっていく。幸子もそれに続いた。
石段を上がった先に待っていたのは――
「うわぁ、きれい…!」
幸子は両手を口許に充てて思わず感嘆の声をあげた。
そこには散りばめられた宝石のような夜景が広がっていた。乱立するビルの谷間から望む都心の夜景は、とても迫力がある。
「柄じゃないが…前に偶然見つけてな。いつか木梨に見せたいと思ってた」
「素敵……」
宵闇に輝く宝石は夜空の星に負けないくらいの輝きを放っている。
涙が出る程に――美しい光景だ。
暫く夜景に見入っていた幸子であったが、狡噛に感謝の気持ちを伝えようと隣に立つ彼を振り向いた。途端に目が合う。
狡噛が見つめていたのは夜景ではなく幸子で。
「こ、狡噛く……?!」
大きな手のひらが幸子の肩を抱き寄せ、あっという間に抱きしめられた。
昼間された時よりも抱きしめてくる腕は情熱的で力強い。
押しつけられている狡噛の胸から少し速い鼓動が伝わってくる。
同じ気持ちなんだと思うとそれだけで幸せに満たされた。
その幸せを共有するように幸子もおずおずと狡噛の背に手を回す。
「幸子」
少し掠れた声が呼ぶのは、いつもの苗字ではなく。
驚き反射的に埋めていた胸から顔をあげると、いつになく真剣な狡噛の表情(かお)。しかし見つめるまなざしはいつも以上に優しくて。
「顔真っ赤だぞ」
「そ、それは…突然名前で呼ぶから…っ」
「俺達、恋人同士なんだ。名前で呼んでも不思議はないだろ?」
「……っ」
狡噛の口から紡がれる言葉が自分達の関係を実感させて恥ずかしい。
…恥ずかしいけど、同時に擽ったいような嬉しさを感じる。
「ほら、幸子も呼んでみろ」
「……~っ」
「どうした? 早く」
「………や…」
「聞こえないぞ」
「っ、慎…也……っ」
「よく出来ました」
ポンと頭に乗せられた手が髪を一撫でし、そのまま頬を滑って顎にかかる。
もう片方の手でぐっと腰を引き寄せられればもう、逃げ場はなかった。
「幸子」
ゆっくりと近づいてくる狡噛の端正な顔。
何をされるのか初な幸子ですら理解できる。
羞恥でおかしくなりそうだ。
だが、それを拒む気持ちは一滴もなかった。
吐息を感じる程に狡噛の顔が近づいた時、幸子はゆっくりと目を閉じた――。