銃口を司る正義
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
残りの勤務時間がやけに長く感じられた。時刻を確認したのはもう何度目だろう。
「勤務中に何をそんなにソワソワしてる?」
とうとう隣席の宜野座に指摘されてしまった。
ドキッとして彼を見れば眼鏡の奥の瞳は訝しげで。
「何かあったのか?」
「な、なんで…?」
「さっきまでと大分態度が違うぞ」
ギクリとして肩が震えてしまったが、なんとか平静を装う。
「そうかな。普通…だと思うけど」
我ながら下手な嘘だ。
付き合いの長い幼馴染みには見抜かれたかもしれない。
「全く、落ち込んだり浮かれたり忙しい奴だ」
だが宜野座は特別深入りせずに自分の仕事に戻っていった。
(もう、私……浮かれすぎでしょ)
宜野座の態度に安堵しつつも自分を戒めるように頬を手のひらで軽く2、3度叩いて再び作成中の報告書と向き合った。
終業時間が来ていそいそと帰り仕度をしていると、端末がメールを受信した。
それは狡噛からで、15分程遅れるので食堂で待っていて欲しい旨が記されていた。
了解。ゆっくりで大丈夫だからね――と返信して席を立つ。
「伸元、後をよろしくね」
「ああ。ちゃんと休めよ」
何だかんだで自分を労ってくれている宜野座に頷いて鞄を肩にかけた。
いつかこの大切な幼馴染みに始まったばかりの恋の報告を出来るだろうか。……出来るといいな。
「お疲れさまっ」
コツコツとローヒールの足音を響かせて扉に歩いて行くと、執行官デスクから声をかけられる。声の主は佐々山だ。
「幸子ちゃんが定時に帰るなんて珍しいな。…デート?」
「…っ?!!」
思わず心臓が口から飛び出しそうになった。
「あれ、図星?」
「~……っ、違います。と、友達と予定があるんです」
「男友達?」
佐々山の楽しげな声を追いガターンという音が室内に響く。
宜野座が床に分厚い捜査資料を取り落としたのだ。その彼はこちらをあんぐりと口を開けたまま注目していた。
「ど、同性の友達です!」
「んだよ、つまんねーな」
ボヤいた佐々山がそれ以上何か言ってくる前に幸子はオフィスを退散した。
「勤務中に何をそんなにソワソワしてる?」
とうとう隣席の宜野座に指摘されてしまった。
ドキッとして彼を見れば眼鏡の奥の瞳は訝しげで。
「何かあったのか?」
「な、なんで…?」
「さっきまでと大分態度が違うぞ」
ギクリとして肩が震えてしまったが、なんとか平静を装う。
「そうかな。普通…だと思うけど」
我ながら下手な嘘だ。
付き合いの長い幼馴染みには見抜かれたかもしれない。
「全く、落ち込んだり浮かれたり忙しい奴だ」
だが宜野座は特別深入りせずに自分の仕事に戻っていった。
(もう、私……浮かれすぎでしょ)
宜野座の態度に安堵しつつも自分を戒めるように頬を手のひらで軽く2、3度叩いて再び作成中の報告書と向き合った。
終業時間が来ていそいそと帰り仕度をしていると、端末がメールを受信した。
それは狡噛からで、15分程遅れるので食堂で待っていて欲しい旨が記されていた。
了解。ゆっくりで大丈夫だからね――と返信して席を立つ。
「伸元、後をよろしくね」
「ああ。ちゃんと休めよ」
何だかんだで自分を労ってくれている宜野座に頷いて鞄を肩にかけた。
いつかこの大切な幼馴染みに始まったばかりの恋の報告を出来るだろうか。……出来るといいな。
「お疲れさまっ」
コツコツとローヒールの足音を響かせて扉に歩いて行くと、執行官デスクから声をかけられる。声の主は佐々山だ。
「幸子ちゃんが定時に帰るなんて珍しいな。…デート?」
「…っ?!!」
思わず心臓が口から飛び出しそうになった。
「あれ、図星?」
「~……っ、違います。と、友達と予定があるんです」
「男友達?」
佐々山の楽しげな声を追いガターンという音が室内に響く。
宜野座が床に分厚い捜査資料を取り落としたのだ。その彼はこちらをあんぐりと口を開けたまま注目していた。
「ど、同性の友達です!」
「んだよ、つまんねーな」
ボヤいた佐々山がそれ以上何か言ってくる前に幸子はオフィスを退散した。