銃口を司る正義
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他の係に所属している先輩監視官の話を聞かせてもらう機会はとても貴重だ。
幸子は霜村の昔話に引き込まれていった。
自尊心の強い霜村は聞き上手の幸子を気に入ったらしく、こちらも終始上機嫌で話してくれた。
「その犯人は興奮してかなり危険な状態にあったんだが――‥」
「すごい。そんな方法が可能なんて…!」
「勿論それなりのリスクはある。だが、」
霜村はかつて「公安局始まって以来の優秀な成績で刑事課に配属されたキャリア候補生」と謳われ、周囲の期待と羨望を一身に受けていた。
しかし狡噛の登場により状況は一変した。
和久期待の新米監視官は任期一年目にしてメキメキと力を発揮し、霜村の称賛を脅かし始めたのだ。
その生意気な若造と違い、この新米監視官は素直で従順だ。先輩を敬う気持ちもきちんと持っている。
幸子の態度に満足しながら霜村は時計をみた。
「もうこんな時間か。そろそろ戻るとするか」
「すみません。すっかりお引き留めしてしまって」
「構わんさ」
霜村が立ち上がると幸子もそれに続いた。霜村の持つ缶を受け取りふたつをゴミ箱に捨てる。
「木梨監視官、今度一緒に食事でもどうだ」
「はい、お願いします」
「君とはもっとゆっくり話をしてみたい」
「あっ…」
霜村の手が自然な形で幸子の腰に回る。
佐々山とはまた違う過剰なスキンシップに困惑するが、霜村は知ってか知らずか手を退かす気配はない。
「あ、あの…」
「勿論、君さえ良ければだが」
更にぐいっと体を引き寄せられ幸子は慌てた。
話を聞きたいと思ったのは本当だが、それ以上でも以下でもないのだ。
どうしていいか分からない幸子に追い打ちをかけるように、今度は霜村の手が背中を上下に撫でてくる。背筋が凍りついた。
頼もしい先輩であった霜村が突然知らない男に見えた。
怖い。
霜村が怖い…。
(狡噛くん…!!)
居るはずのない狡噛の姿を探すように幸子はキョロキョロと辺りを見回した。
幸子は霜村の昔話に引き込まれていった。
自尊心の強い霜村は聞き上手の幸子を気に入ったらしく、こちらも終始上機嫌で話してくれた。
「その犯人は興奮してかなり危険な状態にあったんだが――‥」
「すごい。そんな方法が可能なんて…!」
「勿論それなりのリスクはある。だが、」
霜村はかつて「公安局始まって以来の優秀な成績で刑事課に配属されたキャリア候補生」と謳われ、周囲の期待と羨望を一身に受けていた。
しかし狡噛の登場により状況は一変した。
和久期待の新米監視官は任期一年目にしてメキメキと力を発揮し、霜村の称賛を脅かし始めたのだ。
その生意気な若造と違い、この新米監視官は素直で従順だ。先輩を敬う気持ちもきちんと持っている。
幸子の態度に満足しながら霜村は時計をみた。
「もうこんな時間か。そろそろ戻るとするか」
「すみません。すっかりお引き留めしてしまって」
「構わんさ」
霜村が立ち上がると幸子もそれに続いた。霜村の持つ缶を受け取りふたつをゴミ箱に捨てる。
「木梨監視官、今度一緒に食事でもどうだ」
「はい、お願いします」
「君とはもっとゆっくり話をしてみたい」
「あっ…」
霜村の手が自然な形で幸子の腰に回る。
佐々山とはまた違う過剰なスキンシップに困惑するが、霜村は知ってか知らずか手を退かす気配はない。
「あ、あの…」
「勿論、君さえ良ければだが」
更にぐいっと体を引き寄せられ幸子は慌てた。
話を聞きたいと思ったのは本当だが、それ以上でも以下でもないのだ。
どうしていいか分からない幸子に追い打ちをかけるように、今度は霜村の手が背中を上下に撫でてくる。背筋が凍りついた。
頼もしい先輩であった霜村が突然知らない男に見えた。
怖い。
霜村が怖い…。
(狡噛くん…!!)
居るはずのない狡噛の姿を探すように幸子はキョロキョロと辺りを見回した。