銃口を司る正義
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翌日。幸子はデスクで事件の報告書を作成していた。
集中しなくてはと思いつつ何度もキーボードを打つ手が止まってしまう。理由は明白だ。
(狡噛くん…)
どうしても昨日の食堂での事を考えてしまう。
泣き言を言って狡噛に嫌な思いをさせてしまった。…悔やんでも悔やみきれない。
それに――狡噛の言葉は最もだ。
このままでは自分の信念…正義がただのワガママになってしまう。
ワガママで同僚や関係のない人々まで捲き込む訳にはいかないし、何があってもそれだけはダメだ。
「手が止まってるぞ、幸子。集中しろ」
隣のデスクの宜野座が幸子の肘をつつく。
「うん、ごめんなさい。………伸元?」
「なんだかお前が素直だと逆に心配になるな」
「ちょっと~、それどういう意味~?」
「そのままの意味だろ?」
「もう、伸元の意地悪っ」
宜野座は愉快そうに笑った。
「調子でてきたな」
「うん。そうみたい」
と幸子は椅子から立ち上がった。
「ちょっと休憩してくる」
「ああ。――幸子」
「ん?」
「何かあったら……その、俺に…言えよ」
「うんっ。…ありがとう、伸元」
不器用ではあるが繊細な部分まで人を気遣える、ちょっと心配性なこの幼なじみに礼を述べ、幸子はオフィスを出た。
「木梨監視官」
休憩所に置かれたドリンクサーバーを覗き込んでコーヒーにするかコミッサちゃんジュースにするか迷っていると背後から声をかけられた。
「霜村監視官! …お疲れさまです」
「休憩か?」
「はいっ」
刑事課二係の監視官霜村正和が立っていた。
口調は帝塚と似ているが容姿は異なり、オールバックを撫で付ける霜村は少々神経質な感じがした。
「私も休憩に来たんだ。ちょうどいい。コーヒー一杯付き合ってくれ」
「は、はい。喜んで」
コミッサちゃんジュースはまたの機会に飲もう。
集中しなくてはと思いつつ何度もキーボードを打つ手が止まってしまう。理由は明白だ。
(狡噛くん…)
どうしても昨日の食堂での事を考えてしまう。
泣き言を言って狡噛に嫌な思いをさせてしまった。…悔やんでも悔やみきれない。
それに――狡噛の言葉は最もだ。
このままでは自分の信念…正義がただのワガママになってしまう。
ワガママで同僚や関係のない人々まで捲き込む訳にはいかないし、何があってもそれだけはダメだ。
「手が止まってるぞ、幸子。集中しろ」
隣のデスクの宜野座が幸子の肘をつつく。
「うん、ごめんなさい。………伸元?」
「なんだかお前が素直だと逆に心配になるな」
「ちょっと~、それどういう意味~?」
「そのままの意味だろ?」
「もう、伸元の意地悪っ」
宜野座は愉快そうに笑った。
「調子でてきたな」
「うん。そうみたい」
と幸子は椅子から立ち上がった。
「ちょっと休憩してくる」
「ああ。――幸子」
「ん?」
「何かあったら……その、俺に…言えよ」
「うんっ。…ありがとう、伸元」
不器用ではあるが繊細な部分まで人を気遣える、ちょっと心配性なこの幼なじみに礼を述べ、幸子はオフィスを出た。
「木梨監視官」
休憩所に置かれたドリンクサーバーを覗き込んでコーヒーにするかコミッサちゃんジュースにするか迷っていると背後から声をかけられた。
「霜村監視官! …お疲れさまです」
「休憩か?」
「はいっ」
刑事課二係の監視官霜村正和が立っていた。
口調は帝塚と似ているが容姿は異なり、オールバックを撫で付ける霜村は少々神経質な感じがした。
「私も休憩に来たんだ。ちょうどいい。コーヒー一杯付き合ってくれ」
「は、はい。喜んで」
コミッサちゃんジュースはまたの機会に飲もう。