#08 宴あと
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幸子との雑談を終え、自室に戻ろうと再び廊下を歩き出していた征陸は、狡噛に出会した。
征陸を見るなり近づいて来た狡噛の開口一番は――
「とっつぁん、幸子を見なかったか?」
監視官時代から2人の関係を知る征陸には 気兼ねなく尋ねる事が出来た。
対する征陸は一瞬顔をしかめた。
告げ口したようで後味が悪いが……狡噛の独占欲に火を点けないよう あくまで普段通りののんびりした口調で答える。
「幸子なら縢の部屋に行ったぜ」
「縢の部屋…!?」
「酒を飲みに行ったみてーだな」
狡噛は険しい顔をした。
幸子は決して酒の強い方ではない。男の部屋に赴き酒を飲むなど無防備すぎる。連れ戻さなくては。
縢の部屋に向かう為に踵を返した狡噛の背を、征陸の太い声が追いかけた。
「コウ!あんまり幸子を責めるんじゃねーぞ」
―――――‥‥
縢の部屋に着いた狡噛は、ノックも無しにドアを開けて思わず目を見張った。
ダイニングキッチン。そこに設えた洒落たテーブルと座り心地の良さそうなソファ。そこに目的の幸子はいた。
こちらに背を向けて立つ彼女は、縢に背中を支えられて立っている。
なにかが…狡噛の中で切れた。
「何してんだ!」
咎める声を上げ、カツカツと靴音を響かせ近づいていく。
狡噛に気づいた一同は諸々の反応を見せた。
縢は「やべっ」と小さく言って幸子の背に添えていた手を離した。幸子の隣に立つ常守が「狡噛さん?!」と小さく叫ぶ。
狡噛が手を伸ばした。
「来い!」
「あ…っ」
目を丸くして立ち尽くしている幸子の腕をガシッと掴むと、狡噛はそのまま部屋を退室した。
征陸を見るなり近づいて来た狡噛の開口一番は――
「とっつぁん、幸子を見なかったか?」
監視官時代から2人の関係を知る征陸には 気兼ねなく尋ねる事が出来た。
対する征陸は一瞬顔をしかめた。
告げ口したようで後味が悪いが……狡噛の独占欲に火を点けないよう あくまで普段通りののんびりした口調で答える。
「幸子なら縢の部屋に行ったぜ」
「縢の部屋…!?」
「酒を飲みに行ったみてーだな」
狡噛は険しい顔をした。
幸子は決して酒の強い方ではない。男の部屋に赴き酒を飲むなど無防備すぎる。連れ戻さなくては。
縢の部屋に向かう為に踵を返した狡噛の背を、征陸の太い声が追いかけた。
「コウ!あんまり幸子を責めるんじゃねーぞ」
―――――‥‥
縢の部屋に着いた狡噛は、ノックも無しにドアを開けて思わず目を見張った。
ダイニングキッチン。そこに設えた洒落たテーブルと座り心地の良さそうなソファ。そこに目的の幸子はいた。
こちらに背を向けて立つ彼女は、縢に背中を支えられて立っている。
なにかが…狡噛の中で切れた。
「何してんだ!」
咎める声を上げ、カツカツと靴音を響かせ近づいていく。
狡噛に気づいた一同は諸々の反応を見せた。
縢は「やべっ」と小さく言って幸子の背に添えていた手を離した。幸子の隣に立つ常守が「狡噛さん?!」と小さく叫ぶ。
狡噛が手を伸ばした。
「来い!」
「あ…っ」
目を丸くして立ち尽くしている幸子の腕をガシッと掴むと、狡噛はそのまま部屋を退室した。