銃口を司る正義
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「佐々山執行官」
「おっ、あんた確か……狡噛慎也監視官だったな」
背後から声をかけると佐々山は振り返って狡噛を認めた。
佐々山と面と向かって会話するのはこれが初めてだが……その噂は宜野座からよく聞いている。
というより、佐々山に関して宜野座からは、ほぼ素行の悪さしか聞いた事がない。
さっきの幸子との会話を見ていれば…なるほど。手を焼きそうだと納得する。
「三係の監視官殿が俺になんの用だ?」
「あんまり木梨監視官を苛めてやらないでくれ。あいつは真面目なんだ。ああいうのに慣れていない」
「?――ああ、なんだ。さっきの見てたのかよ」
どうやら狡噛から出た言葉にピンときたようだ。
「何? お前、木梨に惚れてんの?」
「…っ、俺の感情論じゃない。あんたの態度が目についただけだ」
佐々山の口角が自然に引き上がる。
「へーえ。気配りさんだねー…狡噛は」
会話を交わして間もないのに早くも佐々山は狡噛を呼び捨てにしてきた。
直属ではないが仮にも上司である監視官にこの態度だ。一筋縄でいく訳がない。
「まあ、木梨の事はちゃんと解ってるつもりだ」
「!」
一瞬反応を示した狡噛に気づかず、佐々山はポケットから煙草を取り出しながら続けた。
「アイツさ、ホーント危なっかしくて見てらんねーんだよ。ドミネーターなしで犯人を説得して逮捕しようとするとか…有り得ねぇだろ、フツー」
豪快に笑う佐々山。
胸が…モヤモヤする。
それは佐々山が幸子を馬鹿にしているからではない。
佐々山の口調はそれとは逆で、まるで可愛い妹の世話を喜んで引き受けているような、そんな情に溢れたものに感じたからだ。
「ちゃんと面倒見てやってるから心配すんな。ま、欲を言えば公私共に可愛いがってやって、だな……」
「佐々山!」
不意に話を遮るように名を呼ばれ、佐々山は加えていた煙草を取り落としそうになった。
こちらを見つめる狡噛の目が心なしか据わっている。それに…なんだかさっきより彼の雰囲気がピリピリしているようだ。
狡噛の手が伸び、佐々山の口元を指差した。
「煙草」
「は?」
「ここは禁煙だ」
「ああ、すまねぇ…」
反射的に謝り加えていた煙草を指で摘まんだ所でようやくエレベーターがやって着た。
佐々山はさっさとエレベーターに乗り込む。
「佐々山!」
もう一度、狡噛が佐々山を呼び止めた。
「あんた、木梨に気があるのか!?」
佐々山は否定とも肯定とも取れる不敵な笑みを浮かべた。
「俺は女好きが高じて潜在犯落ちした男だぞ」
そしてエレベーターのドアは静かに閉まった。
「おっ、あんた確か……狡噛慎也監視官だったな」
背後から声をかけると佐々山は振り返って狡噛を認めた。
佐々山と面と向かって会話するのはこれが初めてだが……その噂は宜野座からよく聞いている。
というより、佐々山に関して宜野座からは、ほぼ素行の悪さしか聞いた事がない。
さっきの幸子との会話を見ていれば…なるほど。手を焼きそうだと納得する。
「三係の監視官殿が俺になんの用だ?」
「あんまり木梨監視官を苛めてやらないでくれ。あいつは真面目なんだ。ああいうのに慣れていない」
「?――ああ、なんだ。さっきの見てたのかよ」
どうやら狡噛から出た言葉にピンときたようだ。
「何? お前、木梨に惚れてんの?」
「…っ、俺の感情論じゃない。あんたの態度が目についただけだ」
佐々山の口角が自然に引き上がる。
「へーえ。気配りさんだねー…狡噛は」
会話を交わして間もないのに早くも佐々山は狡噛を呼び捨てにしてきた。
直属ではないが仮にも上司である監視官にこの態度だ。一筋縄でいく訳がない。
「まあ、木梨の事はちゃんと解ってるつもりだ」
「!」
一瞬反応を示した狡噛に気づかず、佐々山はポケットから煙草を取り出しながら続けた。
「アイツさ、ホーント危なっかしくて見てらんねーんだよ。ドミネーターなしで犯人を説得して逮捕しようとするとか…有り得ねぇだろ、フツー」
豪快に笑う佐々山。
胸が…モヤモヤする。
それは佐々山が幸子を馬鹿にしているからではない。
佐々山の口調はそれとは逆で、まるで可愛い妹の世話を喜んで引き受けているような、そんな情に溢れたものに感じたからだ。
「ちゃんと面倒見てやってるから心配すんな。ま、欲を言えば公私共に可愛いがってやって、だな……」
「佐々山!」
不意に話を遮るように名を呼ばれ、佐々山は加えていた煙草を取り落としそうになった。
こちらを見つめる狡噛の目が心なしか据わっている。それに…なんだかさっきより彼の雰囲気がピリピリしているようだ。
狡噛の手が伸び、佐々山の口元を指差した。
「煙草」
「は?」
「ここは禁煙だ」
「ああ、すまねぇ…」
反射的に謝り加えていた煙草を指で摘まんだ所でようやくエレベーターがやって着た。
佐々山はさっさとエレベーターに乗り込む。
「佐々山!」
もう一度、狡噛が佐々山を呼び止めた。
「あんた、木梨に気があるのか!?」
佐々山は否定とも肯定とも取れる不敵な笑みを浮かべた。
「俺は女好きが高じて潜在犯落ちした男だぞ」
そしてエレベーターのドアは静かに閉まった。