銃口を司る正義
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合同捜査開始から数日が経過した或る風の強い日。宜野座と幸子、それに狡噛は食堂にいた。
珍しく3人の休憩時間が被った為だ。
せっかく同期が揃ったというのに感傷に浸る間もなく会話も自然と事件の話になる。
「例のサプリの分析結果が出たようだな」
箸で魚の身をほぐしながら宜野座が言うと、チーズ巻きカツを咀嚼し終えた狡噛がそれに応えた。
「真流(まる)さんの話によればサプリに含まれる成分に色相浄化の根拠は一切なかったらしい」
「つまりただの詐欺事件だったという訳か」
ロコモコを食べながら2人の話を黙って聞いていた幸子は、スプーンを持つ手を休めた。
「でもさ、常用者が潜在犯落ちしてるのも事実だよ。効果のないサプリを飲んで潜在犯が続出するのもおかしな話だよね」
「木梨の言う通りだ。この事件はおそらく、詐欺で金儲けを企んだ程度の単純な話じゃない」
「……なら一体どんな事件だと言うんだ!?」
宜野座が少しだけイラついた口調で問うた。
「注目するべきは二点。サプリが色相浄化を謳い文句にしている点と、実際にサプリの服用で潜在犯が生まれている点だ。この二点が今回の事件の"動機"と"結果"でほぼ間違いない」
狡噛が指をV字に示す。
だが宜野座と幸子の反応は彼が期待する程ではなかった。
「矛盾しているぞ、狡噛。なぜサイコパスをクリアにする"動機"で濁る"結果"になるんだ!?」
「そうだよ狡噛くん。それじゃまるで製造販売元が消費者を実験体にしたみたいで………あっ!」
幸子はハッとして口許を手で抑え狡噛を見た。狡噛は口角を引き上げている。
「そうだ。おそらく製造販売元はあのサプリが本当に色相をクリアにするのかを試したかったんだ。…人体を使ってな」
「そんな……?!」
「根拠のないサプリの為に人をモルモットにしたというのか!?」
「それだけデータが欲しかったんだろう」
狡噛の推理が本当なら酷い話だ。その製造元はネットを隠れ蓑に堂々と人体実験をおこなっていたのだ。
「つまり――」
興奮した狡噛が口を開きかけた所で彼のデバイスが着信を知らせた。
「和久監視官からだ。――はい、狡噛です」
『狡噛君、今何処にいますか?』
「食堂です。宜野座監視官と木梨監視官も一緒です」
『それは都合がいい。三人で直ぐに三係オフィスへ来て下さい。サプリの製造販売元が判明しました』
珍しく3人の休憩時間が被った為だ。
せっかく同期が揃ったというのに感傷に浸る間もなく会話も自然と事件の話になる。
「例のサプリの分析結果が出たようだな」
箸で魚の身をほぐしながら宜野座が言うと、チーズ巻きカツを咀嚼し終えた狡噛がそれに応えた。
「真流(まる)さんの話によればサプリに含まれる成分に色相浄化の根拠は一切なかったらしい」
「つまりただの詐欺事件だったという訳か」
ロコモコを食べながら2人の話を黙って聞いていた幸子は、スプーンを持つ手を休めた。
「でもさ、常用者が潜在犯落ちしてるのも事実だよ。効果のないサプリを飲んで潜在犯が続出するのもおかしな話だよね」
「木梨の言う通りだ。この事件はおそらく、詐欺で金儲けを企んだ程度の単純な話じゃない」
「……なら一体どんな事件だと言うんだ!?」
宜野座が少しだけイラついた口調で問うた。
「注目するべきは二点。サプリが色相浄化を謳い文句にしている点と、実際にサプリの服用で潜在犯が生まれている点だ。この二点が今回の事件の"動機"と"結果"でほぼ間違いない」
狡噛が指をV字に示す。
だが宜野座と幸子の反応は彼が期待する程ではなかった。
「矛盾しているぞ、狡噛。なぜサイコパスをクリアにする"動機"で濁る"結果"になるんだ!?」
「そうだよ狡噛くん。それじゃまるで製造販売元が消費者を実験体にしたみたいで………あっ!」
幸子はハッとして口許を手で抑え狡噛を見た。狡噛は口角を引き上げている。
「そうだ。おそらく製造販売元はあのサプリが本当に色相をクリアにするのかを試したかったんだ。…人体を使ってな」
「そんな……?!」
「根拠のないサプリの為に人をモルモットにしたというのか!?」
「それだけデータが欲しかったんだろう」
狡噛の推理が本当なら酷い話だ。その製造元はネットを隠れ蓑に堂々と人体実験をおこなっていたのだ。
「つまり――」
興奮した狡噛が口を開きかけた所で彼のデバイスが着信を知らせた。
「和久監視官からだ。――はい、狡噛です」
『狡噛君、今何処にいますか?』
「食堂です。宜野座監視官と木梨監視官も一緒です」
『それは都合がいい。三人で直ぐに三係オフィスへ来て下さい。サプリの製造販売元が判明しました』