「まず一係と三係でおこなう合同捜査の説明から始めましょう。この案件は元々我々三係が捜査を進めていました」
概要は以下の通りだ。
最近 潜在犯認定された全く接点のない数名の訴えに一致した発言。それは最近ネットで話題になっている色相浄化サプリメントについてだった。
そのサプリは瞬く間にネット上の口コミで広がり、特に色相が70を上回る人々からの人気を博しているという。
ところがこのサプリには落とし穴があった。
ここからが潜在犯認定された数名から得た共通の訴えになるのだが、そのサプリを服用するにつれ色相はクリアになる処か濁っていき……終(つい)には潜在犯堕ちしたのだという。
勿論ネットで常用者の成れの果てまでが出回るハズもなく、危険なサプリメントは今もクリアなサイコパスを求める人々の間で売買され続けている。
「我々の目的は色相浄化サプリメントの製造販売元の特定及びその団体の摘発と検挙です」
和久の口調は冷静さを保っているが おそらく心中は穏やかではないのだろう。
「現時点ではサプリの製造販売元の情報は一切掴めていません」
「つまり一筋縄ではいかないという事だ。油断せずに行くぞ」
それから捜査方法についての簡単な説明があり、ミーティングは終了した。