銃口を司る正義
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『犯罪係数305・リーサル・エリミネーター・慎重に照準を定め・対象を排除して下さい』
脳に直接響くドミネーターの合成音声に小さく身を竦めた。
殺傷能力を持つそれへと変形したドミネーターの銃口は、二メートル先で壁を背に刃物を構える強盗へと向けられている。
犯罪は許されないものだ。だが命を奪ってしまえば、犯人は犯した罪を反省し償う機会を失ってしまう。
「凶器を捨てて投降して下さい」
「戯れ言を。怖じ気づいたか、シビュラの犬ッ」
薄ら笑いを浮かべた強盗が刃物をチラつかせながら一歩前に出た。
途端に幸子の横を光が走る。
次いで強盗の体が膨れ上がり破裂。強盗は無惨な最期を遂げた。
「……っ?!!」
「潜在犯の哀れな末路だな」
幸子の斜め後ろから隣に歩み出た男。
短髪に着崩したスーツ姿。
右手にドミネーター。
顔には不敵な笑みを張り付けている。
公安局刑事課一係 執行官佐々山光留――幸子の預かる部下の一人だ。
「おい、木梨。ボヤボヤしてっとやられちまうぞ」
ドミネーターをポンポンと己の肩口に充てながら ニヤリと口角をあげた佐々山であったが、幸子のただならぬ様子に眉を潜めた。
「なんで…」
「あん?」
「なんでトリガーを引いたんですか!?」
振り向いた幸子の表情は険しい。
予想外の展開にきょとんとして言葉を失う佐々山は、一気に捲し立てられた。
「説得できれば、犯罪係数が下がって、パラライザーで麻痺させるだけで済んだかもしれません!」
「はあ? 説得…?!」
「生きていれば、罪を償うチャンスがありました」
驚愕から覚めた佐々山は、食って掛かる幸子を 酷く冷めた目で見つめる。
なんという甘い考え。
温室育ちのエリートの言いそうな事だ。
おそらく人間の汚い所など見た事もないのだろう。
「なんでトリガーを引いたかって? そんなの決まってんだろ、木梨監視官」
佐々山の声には嘲笑の色があった。
「それが俺達猟犬の仕事だからだよ」
脳に直接響くドミネーターの合成音声に小さく身を竦めた。
殺傷能力を持つそれへと変形したドミネーターの銃口は、二メートル先で壁を背に刃物を構える強盗へと向けられている。
犯罪は許されないものだ。だが命を奪ってしまえば、犯人は犯した罪を反省し償う機会を失ってしまう。
「凶器を捨てて投降して下さい」
「戯れ言を。怖じ気づいたか、シビュラの犬ッ」
薄ら笑いを浮かべた強盗が刃物をチラつかせながら一歩前に出た。
途端に幸子の横を光が走る。
次いで強盗の体が膨れ上がり破裂。強盗は無惨な最期を遂げた。
「……っ?!!」
「潜在犯の哀れな末路だな」
幸子の斜め後ろから隣に歩み出た男。
短髪に着崩したスーツ姿。
右手にドミネーター。
顔には不敵な笑みを張り付けている。
公安局刑事課一係 執行官佐々山光留――幸子の預かる部下の一人だ。
「おい、木梨。ボヤボヤしてっとやられちまうぞ」
ドミネーターをポンポンと己の肩口に充てながら ニヤリと口角をあげた佐々山であったが、幸子のただならぬ様子に眉を潜めた。
「なんで…」
「あん?」
「なんでトリガーを引いたんですか!?」
振り向いた幸子の表情は険しい。
予想外の展開にきょとんとして言葉を失う佐々山は、一気に捲し立てられた。
「説得できれば、犯罪係数が下がって、パラライザーで麻痺させるだけで済んだかもしれません!」
「はあ? 説得…?!」
「生きていれば、罪を償うチャンスがありました」
驚愕から覚めた佐々山は、食って掛かる幸子を 酷く冷めた目で見つめる。
なんという甘い考え。
温室育ちのエリートの言いそうな事だ。
おそらく人間の汚い所など見た事もないのだろう。
「なんでトリガーを引いたかって? そんなの決まってんだろ、木梨監視官」
佐々山の声には嘲笑の色があった。
「それが俺達猟犬の仕事だからだよ」