銃口を司る正義
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
公安局の出入口で解散となった。
「明後日からいよいよ監視官ね。私達、長い付き合いになるでしょうから、これからもよろしく頼むわ」
「幸子、明後日遅刻するなよ」
別方向へ帰る青柳と宜野座はそう言い残して去って行った。
「俺達も帰るか」
「うん」
2人の背を見送っていた狡噛と幸子も反対方向に歩き出す。
「どうした? いつになく静かだな」
狡噛にそう指摘された幸子の顔は、彼女にしては珍しく何処か陰りがあり。
「いよいよだと思うと…なんだか色々考えちゃって」
「不安か?」
「…ちょっとだけ」
「俺は不安より期待が大きいぜ」
「言うと思った」
何となく顔を見合わせてクスクスと笑いあう。
「ギノが一緒だ。問題ないさ」
「うん、そうだね。すごく心強いよ」
それは紛れもない本音だ。
「でも…」
「ん?」
「ううん、何でもない。独り言」
「?……、そうか」
言い淀んだ幸子を不思議に思いながらも狡噛はそれ以上追及して来なかった。
これから監視官として職務を全うしていく上での期待や不安。
(でも――‥)
それよりも この6ヶ月間 当たり前のように同じ時間を共有してきた狡噛と顔をつき合わせる機会が減る――それが寂しいだなんて。知られたら狡噛に引かれるだろうか。
「そういえば、狡噛くんすごいね。和久監視官からの推薦を頂いたなんて」
感情を払拭するように幸子は話題を変えた。
「やっぱりあのモールの事件の時に見出だされたのかな。狡噛くんの活躍、すごかったもんね」
「あれは半分木梨の手柄でもあるだろ」
「私!?」
と幸子は自分を指差した後、苦笑混じりに応えた。
「……足を引っ張った記憶しかない」
「はは…そう言える所がお前の凄い所だよ」
愉快そうに笑った狡噛は、歩みを止め 穏やかな顔で幸子を目に写した。
釣られて幸子の足も止まる。
「ギノが羨ましいよ」
「えっ…!?」
「木梨の笑顔が見れなくなるなんて、寂しくなるな」
「…っ」
同じ気持ちだと知り、素直に嬉しい。
「木梨、これからもよろしくな」
「こちらこそ」
9月の風はヒヤリとした冷気をはらんでいたが、その空間は確かに温かだった。
「明後日からいよいよ監視官ね。私達、長い付き合いになるでしょうから、これからもよろしく頼むわ」
「幸子、明後日遅刻するなよ」
別方向へ帰る青柳と宜野座はそう言い残して去って行った。
「俺達も帰るか」
「うん」
2人の背を見送っていた狡噛と幸子も反対方向に歩き出す。
「どうした? いつになく静かだな」
狡噛にそう指摘された幸子の顔は、彼女にしては珍しく何処か陰りがあり。
「いよいよだと思うと…なんだか色々考えちゃって」
「不安か?」
「…ちょっとだけ」
「俺は不安より期待が大きいぜ」
「言うと思った」
何となく顔を見合わせてクスクスと笑いあう。
「ギノが一緒だ。問題ないさ」
「うん、そうだね。すごく心強いよ」
それは紛れもない本音だ。
「でも…」
「ん?」
「ううん、何でもない。独り言」
「?……、そうか」
言い淀んだ幸子を不思議に思いながらも狡噛はそれ以上追及して来なかった。
これから監視官として職務を全うしていく上での期待や不安。
(でも――‥)
それよりも この6ヶ月間 当たり前のように同じ時間を共有してきた狡噛と顔をつき合わせる機会が減る――それが寂しいだなんて。知られたら狡噛に引かれるだろうか。
「そういえば、狡噛くんすごいね。和久監視官からの推薦を頂いたなんて」
感情を払拭するように幸子は話題を変えた。
「やっぱりあのモールの事件の時に見出だされたのかな。狡噛くんの活躍、すごかったもんね」
「あれは半分木梨の手柄でもあるだろ」
「私!?」
と幸子は自分を指差した後、苦笑混じりに応えた。
「……足を引っ張った記憶しかない」
「はは…そう言える所がお前の凄い所だよ」
愉快そうに笑った狡噛は、歩みを止め 穏やかな顔で幸子を目に写した。
釣られて幸子の足も止まる。
「ギノが羨ましいよ」
「えっ…!?」
「木梨の笑顔が見れなくなるなんて、寂しくなるな」
「…っ」
同じ気持ちだと知り、素直に嬉しい。
「木梨、これからもよろしくな」
「こちらこそ」
9月の風はヒヤリとした冷気をはらんでいたが、その空間は確かに温かだった。