銃口を司る正義
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子供を連れて移動中に犯人と遭遇するとは…最悪だ。
犯人は幸子と女の子をジロリと品定めし、すぐに結論を出した。
「……いや、違ぇな。銃なんて持ちやがって…さては公安の人間だな!?」
「くっ…!!」
女の子を後ろ手に匿い、幸子は反射的にドミネーターを構えた。
撃つしかない!
『犯罪係数303・リーサル・エリミネーター・慎重に照準を定め・対象を排除して下さい』
「!?――」
ダメだ、今トリガーを引いたら目の前の男は――?!
幸子はドミネーターの銃口を犯人の胸元から僅かにずらした。
「凶器を捨てて大人しく投降して下さい」
「あァ? そんな事言われて「はい、そうですか」なんて投降する馬鹿いる訳ねーだろ」
「お願い。言う通りにして下さい!
そうじゃないと…あなたの命を奪ってしまう…!」
幸子の必死の叫びに犯人は一瞬困惑した様子を見せた。しかしすぐに我に返ったように言い返してくる。
「殺すなら殺せ! どうせ潜在犯認定された身だ。シビュラの番犬に捕まるくらいなら、潔く死を選んでやるぜ!!」
「死ぬなんて簡単に言わないで!」
力の籠った叫びに犯人は目を丸くした。
「簡単に諦めていい命なんてない! 生きて罪を償えば、あなたもいつか更生して社会復帰できるはず」
「な、なんだテメェ…」
「それに…ここであなたに何かあれば、それを見たこの子のサイコパスも影響を受けるかもしれない」
「!……」
動揺した犯人の視線が幸子の背後に隠れている女の子に動く。無垢な瞳が恐怖の色を湛えて己を見上げていた。
言い様のない罪悪感が押し寄せ、彼の額から汗が一筋流れ落ちた。
「投降して下さい。この子と…あなた自身の未来を守る為に」
「俺は……」
「あなたを助けたい。あなたの未来を諦めないで!」
「!!?」
聞く人が聞けば、なんと耳に触りの良い発言なのかと思うだろう。
だが真に迫る幸子の声音から、彼女が出任せでそれを言っているのではないと犯人は直感していた。
ギラついていた犯人の目から徐々に荒々しさが消え、彼は手にしていた鈍器を下ろした。
『対象の脅威判定が・更新されました。犯罪係数297・ノンリーサルパラライザー・落ち着いて照準を定め・対象を無力化して下さい』
「――?!」
良かった。これで彼を救う事が出来る。
ホッと胸を撫で下ろしたその時、聞き覚えのある声が己の名を呼んだ。
「木梨!」
キッズセンターの入口。
ドミネーターを構えた狡噛が立っていた。
犯人は幸子と女の子をジロリと品定めし、すぐに結論を出した。
「……いや、違ぇな。銃なんて持ちやがって…さては公安の人間だな!?」
「くっ…!!」
女の子を後ろ手に匿い、幸子は反射的にドミネーターを構えた。
撃つしかない!
『犯罪係数303・リーサル・エリミネーター・慎重に照準を定め・対象を排除して下さい』
「!?――」
ダメだ、今トリガーを引いたら目の前の男は――?!
幸子はドミネーターの銃口を犯人の胸元から僅かにずらした。
「凶器を捨てて大人しく投降して下さい」
「あァ? そんな事言われて「はい、そうですか」なんて投降する馬鹿いる訳ねーだろ」
「お願い。言う通りにして下さい!
そうじゃないと…あなたの命を奪ってしまう…!」
幸子の必死の叫びに犯人は一瞬困惑した様子を見せた。しかしすぐに我に返ったように言い返してくる。
「殺すなら殺せ! どうせ潜在犯認定された身だ。シビュラの番犬に捕まるくらいなら、潔く死を選んでやるぜ!!」
「死ぬなんて簡単に言わないで!」
力の籠った叫びに犯人は目を丸くした。
「簡単に諦めていい命なんてない! 生きて罪を償えば、あなたもいつか更生して社会復帰できるはず」
「な、なんだテメェ…」
「それに…ここであなたに何かあれば、それを見たこの子のサイコパスも影響を受けるかもしれない」
「!……」
動揺した犯人の視線が幸子の背後に隠れている女の子に動く。無垢な瞳が恐怖の色を湛えて己を見上げていた。
言い様のない罪悪感が押し寄せ、彼の額から汗が一筋流れ落ちた。
「投降して下さい。この子と…あなた自身の未来を守る為に」
「俺は……」
「あなたを助けたい。あなたの未来を諦めないで!」
「!!?」
聞く人が聞けば、なんと耳に触りの良い発言なのかと思うだろう。
だが真に迫る幸子の声音から、彼女が出任せでそれを言っているのではないと犯人は直感していた。
ギラついていた犯人の目から徐々に荒々しさが消え、彼は手にしていた鈍器を下ろした。
『対象の脅威判定が・更新されました。犯罪係数297・ノンリーサルパラライザー・落ち着いて照準を定め・対象を無力化して下さい』
「――?!」
良かった。これで彼を救う事が出来る。
ホッと胸を撫で下ろしたその時、聞き覚えのある声が己の名を呼んだ。
「木梨!」
キッズセンターの入口。
ドミネーターを構えた狡噛が立っていた。