銃口を司る正義
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「どうしたのです、狡噛君?」
母親から事情を聞いていると、今度はモール側から声をかけられた。
立っていたのは和久と征陸。
「和久監視官!犯人は!?」
「管理センターにいた犯人は全て逮捕しました。人質も無事です。ただ」
「ただ?」
言葉を止め、眉間にシワを寄せた和久に嫌な予感が走る。
「どうやら施設内にまだ数名潜んでいるようです。我々はこれから内部の捜索を始めます」
「木梨が戻らないんです!」
「なんだって!?」
真っ先に声を上げたのは征陸だった。
息子の幼なじみ。小さい頃からよく知る娘だ。
征陸の知る彼女は、どちらかと言えば無鉄砲ではなく怖がりで慎重なはず。それがどうして…!?
「私の子供を探しに行ってくれたんです!」
「和久監視官、征陸執行官…俺は木梨を探しに行きます!」
「狡噛君、言ったはずです。施設内にはまだ犯人が潜んでいるのですよ?」
「承知の上です。万が一犯人と出会した時は――こいつで執行します」
下ろしていたドミネーターを目の高さまで上げ、和久を真っ直ぐに見つめたまま狡噛は言った。一瞬の静寂。
張り詰めて緊迫した空気の中で、しかし和久は微笑んでいた。
「分かりました。我々はこれから施設内に残る犯人の逮捕を開始します。狡噛君、君は木梨さんとそちらの方のお子さんの捜索にあたって下さい」
「はい、分かりました!」
狡噛は嬉しそうに応え、直ぐ様ドミネーターを構えて元来た道を走り出した。
「さて、征陸さん。我々も行きましょう。
あなたは安全な場所にいて下さい」
「は、はい…」
再び外へ出た母親を見送り、征陸は和久へと視線を戻した。戸惑いを隠せない。
「おい、いいのか和久よ」
「構いません。こちらにはドミネーターがあります。大事に至る可能性は低いでしょう」
「お前も変な所で物分かりがいいな」
「彼の目」
「あん?」
「狡噛君です。あれは正しく刑事のそれでした」
そうして和久は、征陸をちらりと見やる。
眼鏡の奥の瞳が知的な光を帯びていた。
「狡噛慎也――先が楽しみな逸材です」
母親から事情を聞いていると、今度はモール側から声をかけられた。
立っていたのは和久と征陸。
「和久監視官!犯人は!?」
「管理センターにいた犯人は全て逮捕しました。人質も無事です。ただ」
「ただ?」
言葉を止め、眉間にシワを寄せた和久に嫌な予感が走る。
「どうやら施設内にまだ数名潜んでいるようです。我々はこれから内部の捜索を始めます」
「木梨が戻らないんです!」
「なんだって!?」
真っ先に声を上げたのは征陸だった。
息子の幼なじみ。小さい頃からよく知る娘だ。
征陸の知る彼女は、どちらかと言えば無鉄砲ではなく怖がりで慎重なはず。それがどうして…!?
「私の子供を探しに行ってくれたんです!」
「和久監視官、征陸執行官…俺は木梨を探しに行きます!」
「狡噛君、言ったはずです。施設内にはまだ犯人が潜んでいるのですよ?」
「承知の上です。万が一犯人と出会した時は――こいつで執行します」
下ろしていたドミネーターを目の高さまで上げ、和久を真っ直ぐに見つめたまま狡噛は言った。一瞬の静寂。
張り詰めて緊迫した空気の中で、しかし和久は微笑んでいた。
「分かりました。我々はこれから施設内に残る犯人の逮捕を開始します。狡噛君、君は木梨さんとそちらの方のお子さんの捜索にあたって下さい」
「はい、分かりました!」
狡噛は嬉しそうに応え、直ぐ様ドミネーターを構えて元来た道を走り出した。
「さて、征陸さん。我々も行きましょう。
あなたは安全な場所にいて下さい」
「は、はい…」
再び外へ出た母親を見送り、征陸は和久へと視線を戻した。戸惑いを隠せない。
「おい、いいのか和久よ」
「構いません。こちらにはドミネーターがあります。大事に至る可能性は低いでしょう」
「お前も変な所で物分かりがいいな」
「彼の目」
「あん?」
「狡噛君です。あれは正しく刑事のそれでした」
そうして和久は、征陸をちらりと見やる。
眼鏡の奥の瞳が知的な光を帯びていた。
「狡噛慎也――先が楽しみな逸材です」