銃口を司る正義
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
公安局に入局した最初の6ヶ月はキャリア研修を受けるのが常である。
研修所では教養に始まり、刑事として必要な知識や技術などを学ぶ。
そうして研修を終えた後、晴れて監視官として刑事課へ配属されるのだ。
今年の公安局刑事課には幸子の他に3人のキャリアが入局した。
幼なじみの宜野座伸元。
宜野座の友人であり同じ日東学園出身の狡噛慎也。
それに頼れる青柳璃彩だ。
本日の研修を受ける為、幸子と宜野座が揃って講義室に現れると、既に狡噛と青柳は出勤していた。
「おはよう、幸子。宜野座君」
挨拶を交わしながら幸子は最前列の青柳の隣へ。宜野座は青柳の後ろ…狡噛の隣のデスクへと着席した。
キャリア研修所に入所して1ヶ月半。
慣れない事も多いが学びも大きい。
何より心強い同期の存在に支えられながら監視官になるべく知識と技量を深めていけるのは、何にも変え難い有意義な時間であった。
「ねえ、幸子。今日上がってから出掛けない?」
「うわぁ、いいねっ。行こう行こう」
青柳とは入局してすぐに仲良くなった。
4人の中で誰よりも大人である青柳は、芯の強い知的な女性であった。
同い年でありながら憧れてしまう。
「ギノ、俺達も一緒に出掛けるか?」
「断る」
悪戯っぽく笑う狡噛に真顔で即答する宜野座。
「つれないな、ギノ」
「予定があるんだ」
「どうせダイムの散歩だろ?」
「……っ」
「図星だな」
「だ、黙れ…っ!!」
狡噛を睨む宜野座の頬がほんのり赤くなった。それをまた狡噛がからかい悪循環に陥る。
およそ仲の良い男達なのだ。
「狡噛君、あんまり宜野座君をいじめないの」
苦笑いを浮かべる青柳に便乗して幼なじみをいじってみる。
「そうだよ狡噛くん。すぐに拗ねちゃうから、伸元」
「その言葉、そっくりそのままお前に返そう」
「ちょっとー、そう言うこと言っちゃう?」
「早くも拗ねたようだな」
「――~っ、……伸元の意地悪っ」
「先に言い出したのは幸子だろう」
主導権を握ったとばかりにちょっと得意気な宜野座の笑みが憎たらしい。
そんな2人のやりとりを眺めていた狡噛が苦笑混じりに率直な感想を述べた。
「ギノってさ、ホント木梨には強気だよな」
「そうなの。狡噛くんからも、もっと私に優しくするよう伸元に言ってやって」
「こら、狡噛に助けを求めるな」
「ほらほら。幸子も宜野座君ももうおしまい。そろそろ講義が始まるわよ」
パンパンと手を叩いた青柳の一声で じゃれあいは終了した。
なんとなく学生時代を彷彿とさせるようなこんな時間は楽しかったりする(実際、1ヶ月半前まで学生だったのだが)
前を向こうとした幸子は、狡噛に小声で呼び止められた。
「あんたら本当に仲良いよな」
「狡噛くんも伸元と仲良いでしょ」
「それはそうだが…俺といる時とはまた違ったギノの一面が見れるというか」
「幼なじみだもん。お互い気を遣う必要がないのかも!?」
「いいよな、そういうの」
「そうかな?」
「そうさ」
「時間だぞ」
見交わして笑いあう狡噛と幸子の間に割り入るように、宜野座が不快さを滲ませた声で告げる。
時計を見れば――もうすぐ9時。
本日の研修の始まりだ。
研修所では教養に始まり、刑事として必要な知識や技術などを学ぶ。
そうして研修を終えた後、晴れて監視官として刑事課へ配属されるのだ。
今年の公安局刑事課には幸子の他に3人のキャリアが入局した。
幼なじみの宜野座伸元。
宜野座の友人であり同じ日東学園出身の狡噛慎也。
それに頼れる青柳璃彩だ。
本日の研修を受ける為、幸子と宜野座が揃って講義室に現れると、既に狡噛と青柳は出勤していた。
「おはよう、幸子。宜野座君」
挨拶を交わしながら幸子は最前列の青柳の隣へ。宜野座は青柳の後ろ…狡噛の隣のデスクへと着席した。
キャリア研修所に入所して1ヶ月半。
慣れない事も多いが学びも大きい。
何より心強い同期の存在に支えられながら監視官になるべく知識と技量を深めていけるのは、何にも変え難い有意義な時間であった。
「ねえ、幸子。今日上がってから出掛けない?」
「うわぁ、いいねっ。行こう行こう」
青柳とは入局してすぐに仲良くなった。
4人の中で誰よりも大人である青柳は、芯の強い知的な女性であった。
同い年でありながら憧れてしまう。
「ギノ、俺達も一緒に出掛けるか?」
「断る」
悪戯っぽく笑う狡噛に真顔で即答する宜野座。
「つれないな、ギノ」
「予定があるんだ」
「どうせダイムの散歩だろ?」
「……っ」
「図星だな」
「だ、黙れ…っ!!」
狡噛を睨む宜野座の頬がほんのり赤くなった。それをまた狡噛がからかい悪循環に陥る。
およそ仲の良い男達なのだ。
「狡噛君、あんまり宜野座君をいじめないの」
苦笑いを浮かべる青柳に便乗して幼なじみをいじってみる。
「そうだよ狡噛くん。すぐに拗ねちゃうから、伸元」
「その言葉、そっくりそのままお前に返そう」
「ちょっとー、そう言うこと言っちゃう?」
「早くも拗ねたようだな」
「――~っ、……伸元の意地悪っ」
「先に言い出したのは幸子だろう」
主導権を握ったとばかりにちょっと得意気な宜野座の笑みが憎たらしい。
そんな2人のやりとりを眺めていた狡噛が苦笑混じりに率直な感想を述べた。
「ギノってさ、ホント木梨には強気だよな」
「そうなの。狡噛くんからも、もっと私に優しくするよう伸元に言ってやって」
「こら、狡噛に助けを求めるな」
「ほらほら。幸子も宜野座君ももうおしまい。そろそろ講義が始まるわよ」
パンパンと手を叩いた青柳の一声で じゃれあいは終了した。
なんとなく学生時代を彷彿とさせるようなこんな時間は楽しかったりする(実際、1ヶ月半前まで学生だったのだが)
前を向こうとした幸子は、狡噛に小声で呼び止められた。
「あんたら本当に仲良いよな」
「狡噛くんも伸元と仲良いでしょ」
「それはそうだが…俺といる時とはまた違ったギノの一面が見れるというか」
「幼なじみだもん。お互い気を遣う必要がないのかも!?」
「いいよな、そういうの」
「そうかな?」
「そうさ」
「時間だぞ」
見交わして笑いあう狡噛と幸子の間に割り入るように、宜野座が不快さを滲ませた声で告げる。
時計を見れば――もうすぐ9時。
本日の研修の始まりだ。