#XX 果たされた約束
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その日、勤務を終えた幸子は買い物をして自宅マンションへ帰宅した。
紙袋をどんっとテーブルに置き、冷蔵庫からアールグレイのペットボトルを取り出し喉を潤した。
「朱ちゃん……大丈夫かな…」
とん…とペットボトルをテーブルに置きながら呟く。常守の様子が気になっていた。
槙島の一件以来、常守は飛躍的な成長を遂げた。
今も幸子と共に一係をまとめる監視官として、刑事という職を全うしてくれている。
本来の姿であろう優秀さが表面に出てきた分、彼女から明るさが消えたような気がする。
シビュラの正体を知ってしまった今、以前のようにはいられないのだろう。…時折彼女が無理をしているように見えて、それが辛い。
ただ、幸子の前では本音をさらけ出してくれているようで、今まで通り甘えてきたりもする。心を許してくれているのだと感じて素直に嬉しい。
そんな常守の様子が今日は何処かおかしかった。
なんとなしに幸子の傍から離れず、何故か時々目元を潤ませる。
局長禾生との間で何かあったのかと勘繰ったが、そうでもないらしい。
「これ、朱ちゃんにあげる」
常守を元気付けたくて、幸子は休憩中の食堂で身に付けていたネックレスを渡した。
桜をモチーフにしたデザインが可愛くて購入したお気に入りだ。
「えっ、だってこれ、幸子さんが大切にしてるものじゃ…!?」
「だからあげるの。私の代わりにいつも傍で朱ちゃんを守ってくれるから」
「…っ、幸子さん……」
ネックレスをつけてやると感極まった常守は幸子にすがりついて泣いた。幸子はその背を優しく撫でる。
「ありがとう幸子さん……ずっと大切にするね」
顔をあげた後。
落ち着きを取り戻した常守は照れたように笑った。
その笑顔を見ながら、やっぱり彼女には笑顔が似合うと思った。
紙袋をどんっとテーブルに置き、冷蔵庫からアールグレイのペットボトルを取り出し喉を潤した。
「朱ちゃん……大丈夫かな…」
とん…とペットボトルをテーブルに置きながら呟く。常守の様子が気になっていた。
槙島の一件以来、常守は飛躍的な成長を遂げた。
今も幸子と共に一係をまとめる監視官として、刑事という職を全うしてくれている。
本来の姿であろう優秀さが表面に出てきた分、彼女から明るさが消えたような気がする。
シビュラの正体を知ってしまった今、以前のようにはいられないのだろう。…時折彼女が無理をしているように見えて、それが辛い。
ただ、幸子の前では本音をさらけ出してくれているようで、今まで通り甘えてきたりもする。心を許してくれているのだと感じて素直に嬉しい。
そんな常守の様子が今日は何処かおかしかった。
なんとなしに幸子の傍から離れず、何故か時々目元を潤ませる。
局長禾生との間で何かあったのかと勘繰ったが、そうでもないらしい。
「これ、朱ちゃんにあげる」
常守を元気付けたくて、幸子は休憩中の食堂で身に付けていたネックレスを渡した。
桜をモチーフにしたデザインが可愛くて購入したお気に入りだ。
「えっ、だってこれ、幸子さんが大切にしてるものじゃ…!?」
「だからあげるの。私の代わりにいつも傍で朱ちゃんを守ってくれるから」
「…っ、幸子さん……」
ネックレスをつけてやると感極まった常守は幸子にすがりついて泣いた。幸子はその背を優しく撫でる。
「ありがとう幸子さん……ずっと大切にするね」
顔をあげた後。
落ち着きを取り戻した常守は照れたように笑った。
その笑顔を見ながら、やっぱり彼女には笑顔が似合うと思った。