#XX 果たされた約束
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偶然通りがかったトレーニングルームで感傷に浸っていると、不意に携帯端末が着信音を鳴らした。
「送信者不明……?」
非通知である着信を怪訝に思いながらも常守は通話ボタンを押した。
「はい……常守です」
『よう、久しぶり』
雑踏に混じったように時折聞き取りにくくはなるが、聞こえてきた声は間違えるはずもない。
「狡噛さん……?!」
『大丈夫、遠隔操作を使った複雑な経路で連絡してるから、盗聴の心配はない。
監視官用の携帯端末の事は俺も知り尽くしているよ』
「…っ、幸子さんを放っておいて、今どこにいるんですか…?」
涙声になりつつも、幸子を大好きなあまりつい責めるような事を言ってしまう。
そんな感情を理解しているように狡噛は苦笑した。
『まあ、短期的には安全な場所にいるよ』
「どうして連絡を?」
『これから、危ない橋を渡る』
拗ねていた表情がいくらか強張る。
『長期的に安全な場所に移る。その為には、いくつかやばい事をしなきゃいけない』
「それって……」
『明日の朝、いきなり俺の死体があがった…なんて事になったら驚くだろうからな』
「それならまずは幸子さんに………あっ!」
常守はハッとして言葉を止めた。
もしかして……?
『常守には色々と心の準備が必要だろう』
「……はい……」
鼻の奥がつんとした。
そうか。ようやく……。
「狡噛さん……」
『……ん?』
「絶対に、成功させて下さいね」
念を押すように言うと、強い思いが狡噛に伝わったらしい。力強い返事が返ってきた。
『心配いらない。心強い仲間もできたしな』
「仲間?」
『ああ。必ずうまく行くさ』
「はい、必ず」
それから二言三言交わして通信は切れた。
「送信者不明……?」
非通知である着信を怪訝に思いながらも常守は通話ボタンを押した。
「はい……常守です」
『よう、久しぶり』
雑踏に混じったように時折聞き取りにくくはなるが、聞こえてきた声は間違えるはずもない。
「狡噛さん……?!」
『大丈夫、遠隔操作を使った複雑な経路で連絡してるから、盗聴の心配はない。
監視官用の携帯端末の事は俺も知り尽くしているよ』
「…っ、幸子さんを放っておいて、今どこにいるんですか…?」
涙声になりつつも、幸子を大好きなあまりつい責めるような事を言ってしまう。
そんな感情を理解しているように狡噛は苦笑した。
『まあ、短期的には安全な場所にいるよ』
「どうして連絡を?」
『これから、危ない橋を渡る』
拗ねていた表情がいくらか強張る。
『長期的に安全な場所に移る。その為には、いくつかやばい事をしなきゃいけない』
「それって……」
『明日の朝、いきなり俺の死体があがった…なんて事になったら驚くだろうからな』
「それならまずは幸子さんに………あっ!」
常守はハッとして言葉を止めた。
もしかして……?
『常守には色々と心の準備が必要だろう』
「……はい……」
鼻の奥がつんとした。
そうか。ようやく……。
「狡噛さん……」
『……ん?』
「絶対に、成功させて下さいね」
念を押すように言うと、強い思いが狡噛に伝わったらしい。力強い返事が返ってきた。
『心配いらない。心強い仲間もできたしな』
「仲間?」
『ああ。必ずうまく行くさ』
「はい、必ず」
それから二言三言交わして通信は切れた。