#07 レモネードキャンディの告白
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
同日午後。勤務時間30分ほど前。
征陸を訪ねた後、常守は食堂に幸子を呼び出した。
「幸子さん、こっち」
「ごめんね。待たせちゃったかな」
「いえ、私も来たばかりですから」
軽く手を振りながら常守のついているテーブルまで移動し、彼女と差し向かいに座った。
「あの、突然呼び出しちゃってごめんなさい」
「ううん。むしろ嬉しかったよ」
そう応えれば常守はホッとしたような表情を見せた。それからおもむろに話を切り出した。
「…実は、幸子さんに相談があるんです」
「?!!」
真っ先に今朝のタリスマンとレモネードキャンディのセッションが浮かんだ。
聞かなくても相談内容がなんとなく解るが、ここは礼儀としてこう尋ねるべきだろう。
「どんな相談かな?」
「……狡噛さんの事なんです」
やっぱり…。
「狡噛くん?」
「はい…。前に狡噛さんをパラライザーで撃った時――自分の判断に自信を失いかけた私の背中を幸子さんは押してくれました」
あと時のことを、常守は恩義に感じてくれているようだ。
「そんな大層なことしてないよ、私」
謙遜に受け止めたのか、常守はぶるぶると首を横に振った。
随分信頼されてるらしい。
それはそれですごく光栄な話だが、これから恋人の相談を受けるのだと思うと何だか複雑な気持ちになる。上手く答えられるといいのだが。
「それで…狡噛くんの相談てどんなこと?」
「……狡噛さんにどう接していいか解らなくて」
溜め息をついて俯く常守。
彼女が浮わついた気持ちでタリスマンに相談していたのではないと悟る。常守からしたら、藁をもすがる思いだったのだろう。
幸子はしばし考え、口を開いた。
「逆に聞くけど…朱ちゃんは狡噛くんにどう接したいと思ってるの?」
「私……ですか?」
幸子の質問が意外だったように常守は顔を上げて言った。
「…できるなら信頼関係にありたいと思います」
「そっか…。それなら話は早いよ」
「えっ!?」
「まずは朱ちゃんが、朱ちゃんの思うやり方で狡噛くんを信頼してみるといいんじゃないかな」
「私が…狡噛さんを!?」
幸子は大きく頷いた。
「そうすれば必ず、狡噛くんは朱ちゃんの信頼に応えてくれるよ」
「!」
苦手だなんだと悩む前にまずは自分から動く。
それが幸子の持論なのだ。
全く彼女らしい答えに、常守の心は少し軽くなった。
征陸を訪ねた後、常守は食堂に幸子を呼び出した。
「幸子さん、こっち」
「ごめんね。待たせちゃったかな」
「いえ、私も来たばかりですから」
軽く手を振りながら常守のついているテーブルまで移動し、彼女と差し向かいに座った。
「あの、突然呼び出しちゃってごめんなさい」
「ううん。むしろ嬉しかったよ」
そう応えれば常守はホッとしたような表情を見せた。それからおもむろに話を切り出した。
「…実は、幸子さんに相談があるんです」
「?!!」
真っ先に今朝のタリスマンとレモネードキャンディのセッションが浮かんだ。
聞かなくても相談内容がなんとなく解るが、ここは礼儀としてこう尋ねるべきだろう。
「どんな相談かな?」
「……狡噛さんの事なんです」
やっぱり…。
「狡噛くん?」
「はい…。前に狡噛さんをパラライザーで撃った時――自分の判断に自信を失いかけた私の背中を幸子さんは押してくれました」
あと時のことを、常守は恩義に感じてくれているようだ。
「そんな大層なことしてないよ、私」
謙遜に受け止めたのか、常守はぶるぶると首を横に振った。
随分信頼されてるらしい。
それはそれですごく光栄な話だが、これから恋人の相談を受けるのだと思うと何だか複雑な気持ちになる。上手く答えられるといいのだが。
「それで…狡噛くんの相談てどんなこと?」
「……狡噛さんにどう接していいか解らなくて」
溜め息をついて俯く常守。
彼女が浮わついた気持ちでタリスマンに相談していたのではないと悟る。常守からしたら、藁をもすがる思いだったのだろう。
幸子はしばし考え、口を開いた。
「逆に聞くけど…朱ちゃんは狡噛くんにどう接したいと思ってるの?」
「私……ですか?」
幸子の質問が意外だったように常守は顔を上げて言った。
「…できるなら信頼関係にありたいと思います」
「そっか…。それなら話は早いよ」
「えっ!?」
「まずは朱ちゃんが、朱ちゃんの思うやり方で狡噛くんを信頼してみるといいんじゃないかな」
「私が…狡噛さんを!?」
幸子は大きく頷いた。
「そうすれば必ず、狡噛くんは朱ちゃんの信頼に応えてくれるよ」
「!」
苦手だなんだと悩む前にまずは自分から動く。
それが幸子の持論なのだ。
全く彼女らしい答えに、常守の心は少し軽くなった。