#50 雨、凪ぐ
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「熱心に何を報告してたんだ?」
目を開けたのを見計らい宜野座が尋ねてきた。幸子は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「伸元のことだよ」
「俺だと…?!」
「そう。この二ヶ月で伸元がまた智己おじさんに似てきましたって報告。勿論 目元だけじゃないからね」
「はは…本当にそうだと有難いな」
照れくさそうに笑う宜野座に芯から想う事を伝える。
「伸元ならなれるよ。智己おじさんのような刑事に」
「幸子…」
「あ、ちょっと違うかな。伸元の良さを持った智己おじさんのような刑事だね」
宜野座は一瞬目を丸くし、穏やかに微笑んだ。
「やっぱりお前は変わらないな、幸子」
「伸元もね。今も昔も大好きな父親を目標にしてる孝行息子に変わりないもん」
「…お見通しだな」
「長い付き合いですから」
幼なじみの2人は声を上げて笑った。
「そろそろ行くか。あんまり常守を待たせても悪いしな」
「うん、そうだね。……?」
頷いて立ち上がろうとした幸子だったが、墓に供えられていたあるものに気を取られ動きを止めた。
それは鍵のついた古びたキーホルダーだった。
「どうした、幸子?」
「このキーホルダー…見覚えある気がして」
それ程前ではない記憶の中におぼろ気にあるこのキーホルダーは一体…。
「いつの間にか供えられていたんだ。親父の持ち物だったのかもしれないな」
「誰かが返しに来たのかな? ……あっ」
ハッとした幸子が宜野座を見ると目が合った。
同じ事を考えている…?
「律儀だな、あいつも。そんな物を返すより先にやる事があるだろう」
「えっ…!?」
「幸子を迎えに来る事だ」
いつになく余裕の幼なじみは、しれっと続ける。
「まあ、迎えに来ないのなら、俺が幸子を貰うまでだな」
「の、伸元……っ?!!」
「ほら、早く行くぞ」
真っ赤になった幸子の手を引き、宜野座は楽し気な笑顔で出口に向かった。
目を開けたのを見計らい宜野座が尋ねてきた。幸子は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「伸元のことだよ」
「俺だと…?!」
「そう。この二ヶ月で伸元がまた智己おじさんに似てきましたって報告。勿論 目元だけじゃないからね」
「はは…本当にそうだと有難いな」
照れくさそうに笑う宜野座に芯から想う事を伝える。
「伸元ならなれるよ。智己おじさんのような刑事に」
「幸子…」
「あ、ちょっと違うかな。伸元の良さを持った智己おじさんのような刑事だね」
宜野座は一瞬目を丸くし、穏やかに微笑んだ。
「やっぱりお前は変わらないな、幸子」
「伸元もね。今も昔も大好きな父親を目標にしてる孝行息子に変わりないもん」
「…お見通しだな」
「長い付き合いですから」
幼なじみの2人は声を上げて笑った。
「そろそろ行くか。あんまり常守を待たせても悪いしな」
「うん、そうだね。……?」
頷いて立ち上がろうとした幸子だったが、墓に供えられていたあるものに気を取られ動きを止めた。
それは鍵のついた古びたキーホルダーだった。
「どうした、幸子?」
「このキーホルダー…見覚えある気がして」
それ程前ではない記憶の中におぼろ気にあるこのキーホルダーは一体…。
「いつの間にか供えられていたんだ。親父の持ち物だったのかもしれないな」
「誰かが返しに来たのかな? ……あっ」
ハッとした幸子が宜野座を見ると目が合った。
同じ事を考えている…?
「律儀だな、あいつも。そんな物を返すより先にやる事があるだろう」
「えっ…!?」
「幸子を迎えに来る事だ」
いつになく余裕の幼なじみは、しれっと続ける。
「まあ、迎えに来ないのなら、俺が幸子を貰うまでだな」
「の、伸元……っ?!!」
「ほら、早く行くぞ」
真っ赤になった幸子の手を引き、宜野座は楽し気な笑顔で出口に向かった。