#50 雨、凪ぐ
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敬愛する父の墓前に手を合わせ、宜野座は己の身の振り方を報告していた。
「犯罪係数…140まで行ったよ。もう回復の見込みはない。だが隔離施設で腐ってるのも性に合わなくてね……結局、古巣に戻る事にした」
宜野座は一度自嘲的な笑みを浮かべ、次にはまた真顔に戻る。
「刑事(デカ)なんてろくなもんじゃない。それでも誰かが引き受けなきゃならない仕事だ。……そうだろう? 親父」
顔をあげた宜野座には一切の迷いはなく。
「伸元」
「!?」
名を呼んだのは無論父ではない。
向こうから歩いて来たのは自分をよく理解してくれている幼なじみだ。
「幸子」
「智己おじさんへの報告は済んだ?」
「ああ。滞りなく」
晴れやかな顔で宜野座は頷いた。
何かを吹っ切ったような表情に安心する。
「ね、私もお参りさせてもらっていいかな」
「勿論だ。親父も喜ぶよ」
幸子は宜野座の隣まで歩みを進めた。
しゃがみこんで目を閉じ、墓前に手を合わせる。
(智己おじさん、お久しぶりです。今日はね、伸元の新たな門出の報告に便乗して、私も報告に来ました)
征陸は刑事として仕事には厳しい時もあったが、いつでも幸子の良き理解者であった。
数えきれないほど助けてもらったし、数えきれないほど導いてくれた。
(伸元の事は心配しないで下さい。監視官や執行官なんて関係なく、立派に刑事の勤めを果すと思います。…だって、智己おじさんの子供だもん)
宜野座はいつか征陸のような立派な刑事になるだろう。
(それと…あの時は私の背中を押してくれて本当にありがとうございました。……私、幸せになります。慎也と一緒に生きていきます)
だから、心配しないでね。
智己おじさん――。
「犯罪係数…140まで行ったよ。もう回復の見込みはない。だが隔離施設で腐ってるのも性に合わなくてね……結局、古巣に戻る事にした」
宜野座は一度自嘲的な笑みを浮かべ、次にはまた真顔に戻る。
「刑事(デカ)なんてろくなもんじゃない。それでも誰かが引き受けなきゃならない仕事だ。……そうだろう? 親父」
顔をあげた宜野座には一切の迷いはなく。
「伸元」
「!?」
名を呼んだのは無論父ではない。
向こうから歩いて来たのは自分をよく理解してくれている幼なじみだ。
「幸子」
「智己おじさんへの報告は済んだ?」
「ああ。滞りなく」
晴れやかな顔で宜野座は頷いた。
何かを吹っ切ったような表情に安心する。
「ね、私もお参りさせてもらっていいかな」
「勿論だ。親父も喜ぶよ」
幸子は宜野座の隣まで歩みを進めた。
しゃがみこんで目を閉じ、墓前に手を合わせる。
(智己おじさん、お久しぶりです。今日はね、伸元の新たな門出の報告に便乗して、私も報告に来ました)
征陸は刑事として仕事には厳しい時もあったが、いつでも幸子の良き理解者であった。
数えきれないほど助けてもらったし、数えきれないほど導いてくれた。
(伸元の事は心配しないで下さい。監視官や執行官なんて関係なく、立派に刑事の勤めを果すと思います。…だって、智己おじさんの子供だもん)
宜野座はいつか征陸のような立派な刑事になるだろう。
(それと…あの時は私の背中を押してくれて本当にありがとうございました。……私、幸せになります。慎也と一緒に生きていきます)
だから、心配しないでね。
智己おじさん――。