#01 雨、降る
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『ハウンド3執行完了』
小型無線機から狡噛の声がそう告げると、幸子はホッと胸を撫で下ろした。安心感と共に、やはり狡噛はすごいと妙に関心してしまう。
「合流するぞ」
ドミネーターを構えたまま、宜野座が言った。
―――――‥
バシュッと派手な音を立ててパラライザーが対象を制圧した。
制圧したのは新米監視官常守朱。そして制圧されたのは――執行官狡噛慎也。
興奮し、犯罪係数が著しく上昇していく人質にむかい手を差し伸べた常守。彼女の気持ちが人質の女性に通じ、その脅威判定は制圧レベルにまで下がっていた。
その様子を高見から黙って眺めていた宜野座が、ふいにドミネーターを構える。
「っ、ギノ…っ!」
「対象を制圧する」
機械的な声音で言うと、宜野座は迷わずトリガーを弾いた。
「ひぐ…!」
「!」
本来の落ち着きを取り戻しかけた人質が目の前でドミネーターの餌食になるのを、常守は驚愕の表情で目撃していた。
一体誰が彼女を?!
…考える間もなく頭上から声が響き、積み上げられたコンテナの上から女が降りてきた。
「慎也!」
見覚えある女は、護送車から現れた執行官の一人だ。
着地した幸子が常守を見た。互いの視線が合う。しかし幸子はすぐに倒れている狡噛に駆け寄り、ひざまづいて彼を抱き起こしにかかった。
「っ、慎也…」
幸子は意識を失っている狡噛の頭を自分の膝にのせると、絞り出すような声で彼の名を呼んだ。
「常守監視官」
幸子の様子を眺めていた常守は、冷たく自分を呼ぶ声にハッと我に返り、幸子の降りてきたコンテナ上部を見上げた。
そこには六合塚、縢…両執行官と――宜野座の姿。
「君の状況判断については報告書できっちりと説明してもらう」
自分を見下ろしながら吐き捨てるように言う宜野座を、常守は茫然としながら見上げていた。
小型無線機から狡噛の声がそう告げると、幸子はホッと胸を撫で下ろした。安心感と共に、やはり狡噛はすごいと妙に関心してしまう。
「合流するぞ」
ドミネーターを構えたまま、宜野座が言った。
―――――‥
バシュッと派手な音を立ててパラライザーが対象を制圧した。
制圧したのは新米監視官常守朱。そして制圧されたのは――執行官狡噛慎也。
興奮し、犯罪係数が著しく上昇していく人質にむかい手を差し伸べた常守。彼女の気持ちが人質の女性に通じ、その脅威判定は制圧レベルにまで下がっていた。
その様子を高見から黙って眺めていた宜野座が、ふいにドミネーターを構える。
「っ、ギノ…っ!」
「対象を制圧する」
機械的な声音で言うと、宜野座は迷わずトリガーを弾いた。
「ひぐ…!」
「!」
本来の落ち着きを取り戻しかけた人質が目の前でドミネーターの餌食になるのを、常守は驚愕の表情で目撃していた。
一体誰が彼女を?!
…考える間もなく頭上から声が響き、積み上げられたコンテナの上から女が降りてきた。
「慎也!」
見覚えある女は、護送車から現れた執行官の一人だ。
着地した幸子が常守を見た。互いの視線が合う。しかし幸子はすぐに倒れている狡噛に駆け寄り、ひざまづいて彼を抱き起こしにかかった。
「っ、慎也…」
幸子は意識を失っている狡噛の頭を自分の膝にのせると、絞り出すような声で彼の名を呼んだ。
「常守監視官」
幸子の様子を眺めていた常守は、冷たく自分を呼ぶ声にハッと我に返り、幸子の降りてきたコンテナ上部を見上げた。
そこには六合塚、縢…両執行官と――宜野座の姿。
「君の状況判断については報告書できっちりと説明してもらう」
自分を見下ろしながら吐き捨てるように言う宜野座を、常守は茫然としながら見上げていた。